忍者ブログ
ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
<< 03  2024/04  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30    05 >>
[204]  [205]  [203]  [201]  [199]  [200]  [198]  [197]  [196]  [195]  [193
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

十月三日はお月見だったので、お月見ネタでゲームカビネタ書いてみました。
レグルスは七夕もお月見も大好きです!!(黙れ、天体観測フェチ)


月の模様はウサギの餅つき・カニ・横向きの女の人の顔などいろんな見方があるのですが、餅つきしているウサギという見方は日本だけみたいです。
でも、想像したらむちゃくちゃ可愛いぞ!!


カビの世界ではどう見えるのか気になるところですが、(ゼル伝の満月はうつむき加減な女の人の顔・ウサギの盆踊りに見えた!)カビもウサギもラブリーなのでラブリー同士でくっつけちゃいました。


ほのぼのまんまるテイストですが、よろしかったらどうぞ☆○


『Rabbit in the moon and pink star』
(ピンクのお星とお月様のウサギ)


中秋の名月。
その日は月明かりが一年のうちもっとも明るくて星影すら霞んでしまうほど夜空が明るい日。
プププランドでもその日はお団子とお花をお月様にお供えすることになっている。
ちなみに、お供え物のお団子は子供が泥棒しても「お月様にお供え物を食べていただいた」という縁担ぎであるから、子供達はお供え物を取ってもいいことになっている。
もちろん、例にも漏れず・・・。
「おいし~~~い!!」
山のように積んであるお団子を殆ど息もつかない勢いでカービィが口に入れていく。
ちゃっかりハルバードに忍び込んだカービィは一人でお供え物の団子を食べていた。
博識で風雅な趣味のあるメタナイトのこと、おそらく形だけでもお月見をするのではないかと思っていたが、カービィの読みは大当たりだった。
おまけにカービィがちょっとでもおねだりしたらカービィに甘いメタナイトはすぐにワドルディに新しいお供えを用意させてくれる。
去年、デデデ城にお供え物を泥棒しに行って危うくハンマーで殴られそうになった時よりも遙かに今年の方が快適だ。
ワドルディ達が運んできた大盛りサイズ三宝に盛ったお団子を10杯分くらい食べたところでようやくカービィは一息ついた。
「もういいのか?今日は思ったよりも小食だな」
「ううん。まだ食べられるよ!ただお団子ばっかりだったから、他のも欲しい気分☆」
そう答えるとメタナイトは笑って別の菓子を持ってくるように命じる。
お菓子がやってくるまでの間、カービィは夜空の月を見上げた。
まるで真珠のように淡い光を放つお月様。
とても綺麗なそれを手に取ってみたくなってカービィは手を伸ばすが、到底届かない。
いつの間にか背伸びやジャンプまでして取ろうと手を伸ばしていた。
その様子にメタナイトが笑いを噛み殺すようにして声を掛ける。
「何をしている?」
「だって、お月様欲しいんだもん!」
至極無邪気な言葉にメタナイトは薄く笑って、側に置いてあったお供え用のお屠蘇とお神酒の入った瓶に視線を向ける。
そして思いついたように声を上げた。
「手元に取るだけでいいのなら、やってみるか?」
「できるの?出来るの!?本当!?どうやって?」
好奇心で目を輝かせるカービィはどうやってお月様を手元に取るのか知りたくて、待ちきれないようにうずうずしている。
メタナイトは綺麗な朱色のお屠蘇に透明なお神酒を注ぎ入れた。
見てごらん、と言うメタナイトの言葉に従ってお屠蘇を覗き込むカービィ。
お屠蘇の水面には夜空と一緒に綺麗な月が揺れながらも映っていた。
「うわああああああああ!!すごい!お月様!!手元に来た!!」
「水鏡だ。中秋の名月ならではの楽しみ方だな。せっかくだ、願い事のひとつでもしておいた方がいいんじゃないか?」
「ホント!?」
すっかり夢中になって眺めていたカービィはメタナイトの言葉に、さっきよりも真剣になって水鏡の月を見つめる。
急用が出来てメタナイトが艦内に入っていってしまっても、ワドルディが新しいお菓子をお供えに来ても、カービィはじっとお願い事を考えていた。
(ボクのお願い事は・・・、)

カービィがお願い事を思いついたとき・・・。


『!!』


「ぽよっ?」
覗き込んでいた水鏡の月が白っぽく見えたと思った瞬間、ぴょん!とカービィの目の前に飛び出してきたのは白くてまん丸な尻尾を持った、ウサギ。
不思議なことにお餅をつくときに使う杵を持っている。
ハルバードの甲板に降りたウサギは強い風にぷるぷると頭を振ると、それまでじっと見つめていたカービィの視線に気がついてちょこんと頭を下げた。
『こんばんは』
「こ、こんばんは・・・」
丁寧にウサギに頭を下げられたカービィも慌ててお辞儀を返す。
ウサギはまじまじとカービィの姿を見つめ返す。
『珍しい人ですね。珍しく素敵なお願い事をしてくれた人がいたからお邪魔しましたけど、これは本当に変わった人です。いやはや、本当に珍しい。まるでピンクのお月様のようだこと』
「ボクはカービィだよ。星のカービィ。きみは、だあれ?」
カービィが名乗るとウサギはビックリしたように目をぱちくりさせる。
そして嬉しそうに笑って答えた。
『おやまあ、星の子と月のおつかいだなんて妙な取り合わせだこと!私は月のホムラ、お月様のお使いですよ』
「へぇー、お使いなの?ボクは星の戦士だよ」
『あらあらまあまあ、戦士さん?もっと信じられないこと。こんなに優しい綺麗な心を持ってるだなんて』
月のウサギ、ホムラはカービィの言葉に驚いたように始終目をぱちくりさせていた。

カービィとホムラはいろんな話をした。
中秋の名月は月の力が一年のうちでもっとも強い日。だから、水鏡から月に住んでいるお使いのウサギたちは下界の人たちのお願いを叶えに行くのだという。
でも、最近はそんな風習も忘れられてしまって、またウサギたちは臆病だからお願い事にちょっとでも邪な心が見えると出て行きたくないのだそうだ。
ホムラもお願い事を聞いていたが、カービィのお願い事を聞いてこれなら大丈夫だと勇気を出して出てきた。

『ああ、いけないいけない。忘れるところでした!』
月が傾き掛けているのを見たホムラは慌てて杵を持ち出すと、その場で餅をつき始めた。
月のお使いウサギが下界にいられるのは水鏡に月が映っている間の短い時間、それまでにお願い事を叶えて帰らないといけないのだという。
あっという間に搗いて捏ねて丸めたおいしそうな餅が出来上がった。
ホムラはそのお餅を恭しくカービィに差し出した。
『はい。これが月の兎の玉餅。これを食べたらお願い事が叶いますよ』
「うわあ!!ありがとう!!」
笑顔で受け取ったカービィにホムラは嬉しそうに笑う。
そして急ぎ足でテーブルの上に置かれたお屠蘇の水鏡に進む。
「ねえ、今度はいつ会えるの?次の満月にまた会える?」
『・・・次の満月は無理ですよ。私、中秋の夜しか降りられないですもの』
「えー・・・」
『そんな残念そうな顔をしないで、カービィ。また来年遊びに来ますよ』
寂しそうな顔を浮かべるカービィにホムラは困ったように微笑んで水鏡に飛び込もうとした。

「待って!!」

『!! っとととと、今度は何ですか?』
飛び込む寸前で腕を掴んで止められたホムラはカービィを振り返る。
カービィは大まじめな顔で言った。
「じゃあ、ホムラのお願い事、ここで言って!!来年また会う日まで、ボクが叶えてあげるから!!」
『えっ?』
思っても見なかった言葉にホムラは心がほっこりとあたたかくなるのを感じた。
「ホムラがボクのお願い事、叶えてくれるんだから、ボクもホムラのお願い事叶えてあげる!!お星様にだってお願い事、するからいいでしょ?」
カービィの言葉にホムラは嬉しそうに頷いた。

しばし、名残惜しそうにカービィに頬をすり寄せていたが、やがて水鏡の上に飛び上がってしまう。
ホムラの姿は、もうどこにもいなかった。

 




「すまない、カービィ。遅くなってしまって・・・」
「あらら。カービィ寝ちゃってますよ、メタナイト様」
用事を済ませて戻ってきたメタナイト、飲み物のお代わりを運んできたワドルディはお供え物のすぐそばで眠っていたカービィを見つけた。
さっきまで空っぽだった三宝にはいつの間に盛られたのか、おいしそうな湯気を立てたお餅が何個も積み上げられている。



『大好きなみんながお腹いっぱいおいしいもの食べられて、来年も幸せでありますように』

カービィのお月様へのお願い事、それはホムラがまだ月のお使いウサギになる前から願っていたこと。
ホムラが月に行く前は、ご飯も食べられずに死んでしまう可愛そうな人が多くて、友達も大好きな人もみんな死んで、ホムラは一人ぼっちになってしまったから、ずっとずっと寂しかった。
お月様のウサギがお星様の子にしたお願い事は・・・。

『来年も、また会ってくれますか?友達になってもらえますか?』

ウサギは寂しいのは嫌いだから、お友達は一人でも多い方がいい。
カービィは笑顔で頷いた。

 


「・・・ムニャ、またね・・・」
寝ぼけたカービィは月に向かって小さなお手々を振る。
一瞬、月が星のように小さく瞬いたには誰も気がつかなかった。
 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
★ カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
★ プロフィール
HN:
月葉改めレグルス
性別:
非公開
自己紹介:
任天堂ゲームへの愛を小説に込める物書きです。
スマブラフレンドコード
3266-0863-8924

談話室

イラスト談話室

\ないしょの話はこっちでしゅ/
m-sheimin2.gif


★ 贔屓キャラ
link1.gifmeta1.giffox1.giflucario1.gif
★ web拍手
押していただけますと大変喜びます。 感想などもこちらからお願いします。
★ カウンター
キリバン只今休止中。 復活までしばらくお待ちください
★ 最新コメント
[04/17 レグルス]
[04/13 ソルトし]
[04/11 レグルス]
[04/11 Refast]
[11/09 レグルス]
★ バーコード
★ 応援してます
banner_js.gif


ba.gif


dia.gifpal.gif

Copyright (c)星のかけら All Rights Reserved.
Photo material by 空色地図  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]