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>ほのぼのならなんでも
・・・・・(・_+;A)
こういうざっくばらんなのって一番書きにくいんだけどなあ。
とりあえず、ソルトし様のサイトにお邪魔してみるとナイスタイミングで『カービィとアイクが好き』と書かれておりましたので、スマブラで「アイク&カービィ」で書かせて頂きました。
元ネタイメージはタイトルと同じ名前の曲から。
この曲、かなり昔の曲だけど好きなんです。
ちょっとモダンな雰囲気で、しっとりした感じがお気に入りです。
ソルトし様、こんなものでよろしければお持ち帰りくださいませ。
お気に召さない場合は書き直しますので遠慮なくお申し出ください。
>コメント無しで拍手してくださった皆様、ありがとうございます。
これからも頑張ります。
『It's gonna rain』
(もうすぐ雨・・・)
ゴロゴロゴロ、ピカッ!!
「ぱあゆっ!!」
スイカ畑でスイカをつまみ食いしようとしていたカービィは、まるで狙ったような雷に驚いて飛び上がってしまう。
そして雷に怯えて、思わずスイカ畑の葉っぱの下に潜り込んで頭を覆い隠した。
雷は嫌い、クラッコの雷に追いかけられた記憶があるから・・・。
雷から頭を隠すように覆っているとポツポツと手に何かが当たる。
手を離して見上げてみると、スイカの葉っぱが濡れている。
雨が降り始めた。
ザアア・・・
「ぽゆうっ!!」
夕立の降りやすい季節。
すぐにザンザンぶりになった空模様にカービィは急いで雨宿りできそうなところと傘になりそうなものを探す。
だが、めぼしいものはどこにも見あたらない。
急いでお城に帰る頃にはずぶ濡れになってしまう。
「ぽゆ・・・」
「カービィ?」
名前を呼ばれたと同時に、大きな手がカービィをひょいと抱きかかえる。
カービィを抱き上げたその人はカービィを自分の顔の位置まで持ち上げた。
青いくしゃくしゃの髪に巻いたバンダナ、背中の大きい剣は・・・。
「あい、く?」
「おっ!名前覚えててくれたのか。こんな所でどうした?風邪引くぞ」
そう言ってアイクは何かあたたかいものをカービィに被せる
そして雨宿りにちょうどいい場所を見繕って探していると、ある一点に視線が止まる。
アイクはカービィを抱きかかえたまま走り出した。
アイクが駆け込んだ先はちょっと離れたところにあった昔の練兵場。
頑丈な造りの部屋は少々肌寒いが、雨しのぎにはちょうどいい。
ようやく雨をしのげて人心地付けたアイクは抱えていたカービィをその場に降ろした。
カービィが顔を上げるとアイクの姿に違和感を感じた。
いつも身につけているアイクのマントがなくなっている。
さっきまで自分をくるんでくれていたのはアイクのマントだった。
アイクは手を伸ばすとマントを手にとって濡れたカービィの体を拭き始めた。
ちょっと乱暴な拭き方にカービィはマントの下でもごもごと腕を振って抗議するように暴れる。
「ぷあゆ、ぽゆい!!」
「ほら、じっとしてろよ。濡れたままじゃ風邪引くだろ?風邪引いたらメタナイトに大目玉食らうからな」
「めた、ぽゆ・・・」
アイクの言葉にカービィの頭にメタナイトの姿が浮かぶ。
カービィが怪我しただけでも大騒ぎなのに、風邪なんか引いたらなんて言うか・・・。
事の深刻さに気がついたようにカービィはひとつ頷くと、黙って大人しくアイクがしてくれるままに身を任せていた。
しとしと、と雨音が小さく聞こえる。
石造りの部屋はひんやりと肌寒いくらい涼しい。
でも、カービィはアイクが貸してくれたマントにくるまっていたお陰でそれ程寒くはなかった。
「・・・ふぁくしゅ!!」
アイクが小さくくしゃみをした。
その声にカービィは自分をくるんでいるマントを思い出した。
カービィはマントを引きずりながらアイクに近寄る。
「ぽよぉ・・・」
「ん?ああ、それか?駄目だ、着てろ。お前、小さいから体冷えるのあっという間だぞ」
「ぽゆ!」
それでもカービィは引き下がりそうにない。
アイクは少し考え込んだ。
しばらくして、何か思いついたのかぽんと手を鳴らす。
手を伸ばすとカービィごとマントを手元に引き寄せて抱きかかえた。
まるで抱き枕のようにされてしまったカービィだが、アイクは満足そうに頷く。
「うん。これなら俺もあったかいな」
「ぽおよっ!!」
アイクの満足そうな顔にカービィも嬉しそうに笑う。
意外と頑強そうなアイクの腕は見た目に反して触ってみると温かい。
滅多に甘えたことがなかったカービィだが、この時ばかりは思いっきりほおずりしたりしてアイクに甘えた。
あまりに愛くるしい様子を見せたカービィにアイクは微かに微笑んでカービィの頭を撫でる。
(こんなことしているのを、メタナイトに見られたらただじゃ済まないけど・・・)
アイクは壁にもたれながら耳を澄ませる。
雨音の勢いはまだ納まる様子がない。
まだ、帰れそうになさそうだった。
「でも、雨が降らなかったら、こうしてお前と遊ぶこともなかったよな」
「ぽよぽおよっ!!」
たぶん雨が上がって城に戻ったら、子供なカービィのこといつもどおりに過ごすのだろう。
アイクが遊びたくてもカービィに手を出せばメタナイトが黙っていない。
今二人っきりで雨宿りをしていると知っただけでも嫉妬しそうなものだが、知られることはまずない。
(まあ、今日のことは全部雨のせいってことにしておこうか・・・)