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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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二万HITの特別リクエスト作品です。

>アニメ設定のメタカビでメタが風邪を引いてカビがお見舞いにくるという内容なんてのを・・(我侭いえばうちのツキルも特別出演してほしいですが嫌なら全然OKですので!)


との事でしたので、リアルタイムでインフル流行しているのでそのネタで書かせていただきました。
ちゃんと予防はしなくてはいけませんよ!!
pkmnでもウイルス出たし、『インフルエンザ防止期間』として病気ネタで色々書いてみようかな☆
(相変わらず現実とフィクションをごっちゃにする悪いくせが出た)


初雪草様、このようなものでよろしかったでしょうか?
お気に召さないようでしたら遠慮なくお申し出ください、書き直します!

『May I be on the side?』
(側にいさせて?)



「カービィ、待ちなさーい!!」
「ぽよぉーーーーーーーーー!!」
デデデ城の廊下をカービィとツキルが追いかけっこをしている。
しかし単なる追いかけっこで済ますにしては物々しい。
カービィは必死の形相でツキルの手から逃れようと走っている。
そのツキルの手に握られているのは鈍く光る針の付いた注射器だった。

最近城下では7才未満の子供がかかる麻疹のような病気が流行している。
ツキルが原因を突き止めた結果、この病気は一度抗体を持つと二度と発症しないことがわかった。
患者から採取した病原菌を元にツキルはワクチンと抗ウイルス剤を作ることに成功し、抗ウイルス剤は患者全てに投与されて、ワクチンも今7才未満の子供全てに接種されている。
当然、種族が違うとはいえまだ赤ん坊に等しいカービィもワクチン接種の対象だった。
ワクチン接種は大臣一族、キャピィ族の順でカービィは種族的な問題でメタナイト卿から色々アドバイスをもらう期間も必要だったため最後だった。
だが、その間にカービィはブンを始めとして友達みんながワクチン接種で泣いて帰ってきたのを目の当たりにしてしまったため、潜在的に注射は怖いものと擦り込まれてしまったのだ。

「病気になりたくなかったらちゃんと受けなさーい!!」
「ぱゆっ、ぽおよっ!!(ちゅーしゃ、やだぁっ!!)」
ツキルはセイントバードで追いかけているが、カービィも死ぬもの狂いで逃げているからなかなか捕まらない。
じれったくなったのか、ツキルはまるでスケボーのようにセイントバードの上に立つとその場で跳躍した。
「いっけえ!セイントバード!!」
その声と同時にセイントバードは弾丸のようなスピードでカービィに突っ込んでいく。
主人の乗っていないセイントバードがカービィに追いつくのはあっという間だった。

「ぱゆっ!」

『!!』

カービィがつまずいてその場に転んだ。
予測不能な展開にセイントバードは慌てたが、勢いに乗ってそのままカービィの上を通り越してしまう。
更にその先には部屋から出てきたメタナイト卿の姿が!!

「メタ卿!!あぶなーい!!」

「っ!!うわっ!!」
思わず叫んだツキルだが、メタナイト卿が気付く前にセイントバードはメタナイト卿に突っ込んでしまう。
いつもなら剣の腕だけでなく身のこなしも軽く隙のないメタナイト卿の事、セイントバードの突撃も難なくかわして華麗に着地しそうなものだった。
だが、セイントバードの突撃を受けたメタナイト卿はぶつかった地点から数メートルの地点まで飛ばされて廊下の床に叩きつけられた。
「卿!!」
「卿、いかがされました!?」
あとから続いて部屋から出てきたソードとブレイドがメタナイト卿の元に駆け寄る。
追いついたツキルとカービィもメタナイト卿の側に近寄る。
ぶつかった張本人であるセイントバードはおろおろして、まるでメタナイト卿を心配するように見下ろすような仕草をしていた。
そしてツキルの姿を見つけると耳元で何か囁きかけた。
するとツキルの目が驚愕で大きく開く。
「えっ・・・?」




数分後、医務室のベッドでメタナイト卿は横になっていた。
ぶつかったセイントバードの報せ、『メタナイト卿の体温がひどく高い』と聞いたツキルが確かめたところ酷い高熱だった。
メタナイト卿曰く、種族的には軽い風邪のようなものだから心配しなくて良いとの事だったが、セイントバードの突撃を避けられない程の不調が軽いはずがない。
大丈夫だと一点張りするメタナイト卿をソードとブレイドが抑え、ツキルが強制的に魔法薬で眠らせて、身動き取れなくなったメタナイト卿を無理矢理医務室に担ぎ込んだ。
カービィも心配そうに眠っているメタナイト卿の様子を見ている。
その側ではツキルが医学書で処方を調べていた。
「あっ!見つけた!!これに間違いないよ。流行性小桿菌症候群だって」
「どのような病なのだ!?」
「お命に別状はないのか!?」
矢継ぎ早に質問してくるソードとブレイドの言葉にツキルはそのコラムを読む。
「えーと、『その感染症は呼吸器、髄膜、中耳などの化膿性疾患としてみられる頻度が高く、その中でもとくに慢性呼吸器感染症、肺炎を引き起こす原因ともされる。』極端に熱が上がるのが特徴だって書いてあるから間違いないよ。これなら薬も処方できるね!」
薬を処方できると聞いてソードとブレイドがほっと胸をなで下ろす。
ちょうどメタナイト卿が目を覚ましたらしくカービィがツキル達を呼んだ。
「卿!何故こんなになるまで無茶をしたのです!?」
「気付かなかった我らが歯がゆい。卿にこんな無理をさせてしまっていたとは・・・」
「・・・すまぬ。風邪かと思って油断をした。そなた達の責任ではない」
宥めるように言い聞かせた声もいつもの声よりもかすれて息づかいが荒い。
このように弱ったメタナイト卿を見るのは初めてだった。
「大丈夫だよ、メタ卿。病気が何かわかったから、これからツキルが特製の薬作ってあげる!!それさえ飲めば一発で治るよ!!」
「そうか・・・。では、頼む・・・」
「まっかしといて!!」
早速薬の調合に取りかかるツキル。
その前に、思い出したように付け加えた。
「あっ!そうそう、ソードにブレイド。カービィを部屋から連れ出して、メタ卿の側に近づけないでおいて!」

「えっ?」

「カービィ殿を?」

「ぽよっ?」

ツキルの言葉にソードとブレイドはメタナイト卿の側に付いて離れないカービィに視線を向ける。
カービィはツキルの言わんとすることがよくわからなかったのか、きょとんとして首を傾げている。
ツキルはさっき読んでいた医学書のコラム、気になった記述を示した。
「この病気、A型とかB型とかいろんなタイプがあるんだって。種族によってはかからないタイプもあるみたいだけど、この病気感染力が強いからさぁ・・・」
「つまり、卿と同じ種族のカービィ殿に・・・」
「うつる可能性が高いというのか?」
ブレイドの言葉にツキルは頷いた。
カービィはまだ免疫も抵抗力もあまりない赤ん坊。
メタナイト卿の病は免疫が殆ど無い病、抵抗力のない子供が感染したら死に至る危険もある。
それにこの病に限ったことではないが、あまり小さいうちは麻疹などの病などもあまりかかると良くないものなのだ。
ツキルの言葉に耳を傾けていたメタナイト卿はソードとブレイドを呼んで告げる。
「ツキルの言うとおりだ。ソード、ブレイド、カービィをしばらく私の元から引き離してくれ」
「ぱゆっ!?」
メタナイト卿の言葉にカービィは信じられないように振り返る。
そして連れ出そうと手を差し伸べたソードにイヤイヤするように首を振って、メタナイト卿にすがるように彼の手をしっかりと掴む。
「ぱあゆっ、ぽよぽよぽいよ!!(やだ!!メタと一緒にいるの!!)」
「カービィ殿、お気持ちはわかりますが・・・」
「今日はフーム様のお部屋で遊びましょう。ほんの一日の我慢ですから・・・」
「ぱあよっ!!(やだぁっ!!)」
差しのばした手も振り払ってカービィはじたばたと駄々をこねる。
普段は素直な良い子なだけにソードとブレイドは思い通りにいかず、途方に暮れる。
メタナイト卿も少し困ったようだったが、しばらくしてため息混じりにカービィに手を伸ばす。
撫でてもらってカービィは嬉しそうに笑った。
「カービィ・・・。済まぬが、今日は私の元から離れてくれ」
「ぽよ?」
突然の申し出にカービィは驚いたように目を大きく開く。
いつだってメタナイト卿がカービィから遠ざかったことなんかないのに、いつだって側にいて欲しいとカービィが望めば側にいてくれたのに・・・。
信じられないように見つめ返してくるカービィの視線にメタナイト卿も辛そうだった。
「そなたには、私と同じ苦しみを与えたくはないんだ。だから、私から、離れて・・・」
そこまで話した途端、その先の言葉は激しい咳で遮られてしまう。
ツキルが慌てて咳止めの水と鎮静剤をメタナイト卿に差し出す。
あまりに苦しそうな様子にカービィが硬直した一瞬、その時を狙ってソードとブレイドはカービィを連れ出した。
「ぽゆっ!?」
「カービィ殿、失礼いたします!!」
「卿のご命令です。医務室にいさせるわけには参りません!!」






夜半、ツキルは医務室でメタナイト卿の看病の傍ら抗ウイルス剤作りに勤しんでいた。
メタナイト卿はツキルの特別に調合した安眠薬で眠っている。
風邪を引いたときは極力眠って体力を消耗させない方が良いのは常識だった。

「え~と、最後は副作用を起こさないための精神安定剤を入れて・・・、あれ?」
ツキルは自分の薬かごを探すが、お目当ての精神安定剤は見つからない。
記憶を辿って思い返すと、精神安定剤は確か薬棚の・・・。
「あっ!あそこだ!!」
ツキルの部屋の一番上の棚。
そうとわかれば話は早い、ツキルはセイントバードにまたがるとすぐさま医務室から飛び出して自分の部屋に飛んでいった。

ツキルが出て行ってしばらくした後、医務室のドアが小さく開く。
こっそり入ってきたカービィは誰もいないのを確認すると、メタナイト卿が横になっているベッドに歩み寄る。
ベッドの上によじ登ると、メタナイト卿は荒い息のまま眠っていた。
「・・・ぽよぅ」
カービィはメタナイト卿の額に載せられていたタオルを手にとって、そっとその額を拭う。
前にカービィが風邪を引いたときにメタナイト卿がそうしてくれたから覚えている。


あの時、メタナイト卿は忙しかったのにカービィの側を離れずにいつも側にいてくれた。

『寂しいよ、側にいて、一緒にいて』

風邪のせいで自分の体が自分でもコントロールできなくて、苦しいのもあったけど何よりそれがカービィにとって怖かった。
言葉を話せないカービィだが、もし口が利けたらお見舞いに来てくれた人みんなにそう言っていただろう。
メタナイト卿はカービィのそんな心がわかるのか、カービィの望むことは全部口にしなくてもしてくれた。
夜、寝過ぎて眠れないカービィがメタナイト卿に視線を向けただけでメタナイト卿は微笑ってカービィの手を握り、もう片方の手で優しく撫でてくれた。

『眠れないのか?無理に眠ろうとしなくてもいい。楽にしていなさい』

そう言ってくれる声が優しくて、撫でてくれる手がとても優しくて気持ちよくて、いつの間にかカービィは静かに眠りに付いていた。
だから、風邪を引いたときはせめて一緒にいてあげたい。


眠っていたメタナイト卿が喉に何かつかえたようなくぐもった息を漏らす。
昼間激しく咳込んだときと同じ反応だった。
あの時ツキルは咳止めの薬と水をあげていた。
そのことを思い出してカービィはきょろきょろと辺りを見渡して薬と水を探す。
ベッドサイドのテーブルに水が載っているのを見つけた。
ところが、見つかったのは水の入った大きいボトルだけ。
ツキルが昼間使っていた小さなヤカンのような口の細い水差しはどこにもない。
コップも片付けてしまったのだろうか見あたらなかった。
「・・・んうっ!」
何か思いついたのかカービィはボトルの水を全部自分の口の中に納めると、今度はそれをメタナイト卿の口に運ぶ。
一気に出さないように気をつけて少しずつ水を飲ませる。
やがてカービィの水がなくなって顔を上げるとメタナイト卿の呼吸が少し楽になってるようだった。
「ぽよ♪」
カービィは嬉しそうに頷くと、そっとメタナイト卿の手を握ってもう片方の手で額を優しく撫でた。





医務室の外で戻ってきたツキルは光景の一部始終を見ていた。
セイントバードがカービィを連れ出そうと部屋に入ろうとするのを止める。
主人の気持ちがわからないセイントバードは首を傾げた。
「邪魔したら駄目だよ、セイントバード。カービィがあそこまでして側にいたがるんだったら止めても無駄だよね~」
念のために抗ウイルス剤は2人分作っておこう、と締めくくってツキルは自分の部屋で調合をすることに決めた。
廊下には綺麗な月明かりが差し込んでいる。
お月様を眺めながらツキルは自分の帽子の上からカリカリと頭を掻いた。


「『バカに付ける薬』と『恋の病』の薬が作れたら良いのにねぇ・・・」

 

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