★ 喧嘩シリーズ番外編その弐

長らく更新停滞しておりましたスマブラ喧嘩シリーズ、おまけに番外編です。
番外編第二弾はメタカビ（←）


こちらもなんで番外編かというと、喧嘩けしかけるのが一方的に受けの方だからです。（断言）
カビにメロメロなメタが本心（何か企む以外）でカビに本気で怒ったり腹立てたりするはずがない！！
・・・そう言う点で言うとメタとリンクは似ているような気が（←）


ちょっと長いので前編後編に区切ります。
前編はカビ視点でお送りします。

『It is not possible to come to hate you. 』
（嫌いになんてなれないよ）



今日のボクの運勢は最悪だったみたい・・・。

ちゃんと朝、星占い見ておけば良かったな。

だって、そうしてたらメタと喧嘩すること無かったんだもん。

喧嘩って言っても、喧嘩にもなっていないんだと思う。
マルスやアイクはきょとんとしていたもん。
ボクが子供みたいにメタにキーキー喚いて、ワガママ言って、勝手に飛び出しちゃったからいけないんだ。
お城から慌てて飛び出して街まで来ちゃったけど、メタはきっと今頃マルス達と一緒になって呆れてると思う。
ひょっとしたら、ボクの事も嫌いになっちゃったかも知れない。

「・・・ぽよぉ」
周りを見渡してもメタの姿はどこにもいなくて、やっぱりいないんだって思ったらすごく悲しくなっちゃった。
もう動きたくないよう、元気も出ない、メタの所に帰りたいな・・・。
「・・ぽよ？」
ふわふわのいい匂いがしてボクが顔を上げたら、ホットケーキのお皿が置いてあった。
前にメタが作ってくれたのと同じようなホットケーキ。
ハチミツとバターの溶ける匂いがすごくいい匂い・・・。
メタのこと思い出すとちょっと悲しかったけど、やっぱりおいしそうでボクは迷わずそれを食べちゃった。
でも、メタが作ってくれたのとちょっと違う。
メタのはもう少し柔らかくて、それでいてとても優しい味だった。
三枚くらいあったホットケーキが無くなったのはあっという間。
正直言うと、ちょっと物足りない感じがしたけど・・・。

「ぱあゆぅぅ・・・」

あれ？

食べ終わった途端、急に眠たくなって瞼がトロンとしちゃった。
ああ、もう目を開けていられないくらい眠いよ。
おかしいなあ、まだお日様はあんなに高いところにあるのに・・・。
そう思ってお日様を見上げていたら、何人かの男の人たちがボクの方を取り囲んでじっと見てる。
前にスネークやキャプテンファルコンが見せてくれた映画みたいな光景。
これってもしかして・・・。
「間違いない。ファイターのカービィだな」
「食い意地が張っていると聞いていたが、こんなにあっさり引っかかるとは・・・」
「仕込んだクスリが効き始めている。今のうちに運ぶぞ」
怪しい会話をして、男の人の一人がボクをひょいっと持ち上げてそばの車に乗せちゃった。
これって・・・、やっぱり、誘拐だよね？
ああ、やっぱりあのホットケーキに何か入ってたんだ。
リンクが『道ばたに落ちてる物、食べたら駄目だぞ』って言ってたの、ちゃんと言うこと聞いておけばよかったな。
本当に今日の運勢はボク、最悪みたい。

お城に帰りたいよう・・・。

マリオとトレーニングしたい・・・。

ピットとお喋りしたい・・・。

ヨッシーとお昼寝したい・・・。

リンクの作ってくれるお菓子食べたい・・・。



ううん、それよりも、メタに会いたいよ・・・。

目隠しされてボクが連れてこられたのは古いビルみたいな所だった。
雰囲気がまるでしゅーよーじょ？
みたいな嫌な雰囲気で正直入りたくなかったけど、男の人がボク抱えたままその中に入っちゃった。
ボクはほこりっぽいよく沈むマットの上に転がされて、まだ眠くてうまく動けない間にガムテープで縛り上げられちゃった。
おまけに口まで・・・、まあボクの一番の攻撃は吸い込みだからね。

スネークが映画見てたときに言ってた

「組織で一番偉いのは他の連中とは全く雰囲気の違う奴だ。集団なら一人だけ違った雰囲気を持つ奴、そいつがトップだ」、

その言葉にピッタリ当てはまるような人がいた。
結構難しいのかと思ってたけど、ボクでもわかったくらいだから結構わかりやすいみたい。
その人がボクの側に来て話しかけてきた。
「城には連絡を入れた。君を返して欲しかったら身代金用意しろとな。時間は三時間以内、それまで大人しくしていてもらおうか」
「もごもごもごもごご！！（そんなこと、させないよ！！）」
ボクはあいつの顔、思いっきり睨みつけてやったけどあいつはボクのこと「フフン」って感じで笑うだけだった。
ううう・・・、動けたらあんな奴らハンマーでタコ殴りしてやったのに！！
大体、城のみんなからお金せびり取るなんて酷いよ。
みんな裕福って訳でもないのに、マリオだって普通の生活レベルなのに、フォックスなんて借金あるから激貧生活しているっていうのに・・・。
一生懸命頑張っている人からお金取るなんてひどい・・・。
携帯だけでも使えないかなぁ・・・、城のみんなに連絡しなくちゃ・・・。

『ボクのことは気にしないで。絶対に向こうの要求聞かないでって』

そうしてくれないと、ボク、ますますメタに嫌われちゃう・・・。
もう、口も聞いてくれなくなるからも知れない・・・。


「ふぐ・・・（メタ・・・）」

メタの事考えるとまた目の奥がじんとしてきちゃって涙が出そうになっちゃう。

ワガママ言った上に迷惑までかけちゃうなんてボクってほんとバカだ・・・。

メタ、みんな、ごめんなさい・・・。