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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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フォリン好きに20のお題、消化しました。
10、笑顔の理由

DX版はこれにて終了となります。
11~以降はX版で最後まで消化していきますのでお楽しみに☆


時間軸としては、
The goodbye is not said』の後、X版『亜空の使者』の前と思って読んでいただけますとわかりやすいです。
フォリンの癖に今回はちょっとスタフォ組サイド色が強いです。
でも、これからはフォリンでガンガン行くのでご安心を☆




『SMILY』
(笑って・・・)



大乱闘の世界は時折大きな変動を迎える。
この世界の創造主であるマスターハンドがより面白い世界にするために、世界を拡張したり新しく創り変えたり、まったく新しいものを創り出すなどその変化は多岐にわたる。
変動期は元の世界からやってきたファイター達を巻き込まないように、全てのファイターを元の世界に戻すようにしていたが、ファイターもこの大乱闘の世界を気に入っているものが多く、ファイター達の間では残念がる声も多い。
それはこの世界でC.ファルコンとレース話題で意気投合したファルコも例外ではなかった。
あと三日もすればこの世界から強制的に退去させられる。
フォックスの待つ部屋に向かう道すがら、廊下ですれ違うファイターの少なさにファルコは改めてため息をついた。
(また、帰ってこれるって可能性は絶対じゃねえんだよな・・・)
ファイター達の世界で流れる時間はそれぞれ違う。
ファルコ達の世界ではたったの一日の時間の流れが、別の世界では1年ちかくの歳月としてカウントされる世界も存在する。
ファルコはそんな時空のかけ離れた存在の友を持ってしまった相棒に思いを馳せた。
(・・・まだ、引きずってやがるんだろうな。あのリンクのことは・・・)
フォックスがこの世界に召還されて初めて出来た親友、リンク。
端整な容貌でありながら、気さくで屈託無く芯の強い生真面目すぎるフォックスを穏やかにフォローしてくれていた青年。
年も近いこともあってか、真面目な好青年同士すっかり意気投合していた。
そのリンクは数日前、彼の世界からやって来たファイター全てと共に元の世界へと戻っていってしまった。
しかし、彼の世界ハイラルは時空の差が激しい。
大乱闘の世界の一日が彼の世界で1年というのだから、大乱闘の世界の半年で一年の月日が経過するコーネリアの銀河系とは大きく時間の差はかけ離れている。
つまり、もうフォックスはリンクとは永遠の別れをしたばかりだった。
相当落ち込んでいるだろう、ため息をつきながら重々しい足取りで部屋のドアを開ける。
景気づけにちょっとバカ騒ぎしてやろうかと思っていたファルコの耳に飛び込んできたのは意外な声だった。
「ファルコ!どこほっつき歩いてたんだ!?荷物、ちゃんと整理したんだろうな?」
帰って来るなり、いつもの調子で優等生のお小言を寄こしてきたフォックスにファルコは面食らってしまう。
よほど呆気に取られた顔をしていたのだろう、最初は厳しい顔で言っていたフォックスがだんだん苦笑じみた表情に変わる。
「どうしたんだよ、ファルコ。まるで鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔してるじゃないか。ほら、ちゃんとアーウィンの整備もしとけよ」
「・・・おう」
しどろもどろになりながらも返事をすると、フォックスは満足そうに頷いて微笑う。
いつもと変わらない。
いや、いつも以上に明るく笑っている。
正直、常々前々からファルコはおろか、スターフォックスのメンバーであるペッピーやスリッピーも『頑なにならずにもっと笑った方がいい』とあれ程言っていたくらいフォックスは生真面目だったから、むしろ今のフォックスは良く笑っていい傾向ではある。
しかし、それがリンクと別れた後だからこそファルコは心配だった。
あれ程仲のよかった親友と一生の別れをしたのだから、気が触れてしまったのではないかと気が気ではない。
「ほら!ぼさっとしてないで、早く仕事全部片付けるぞ!!ファルコ」
元気よく活気づけるようにフォックスは手を叩く。
その笑顔には一切の曇りもなくて、ファルコはそれが本当の笑顔なのかわからなかった。



大乱闘の世界にいられる最後の夜。
フォックスは部屋の窓から外の景色を眺めていた。
初めて召還された頃と全然変わっていないところ、様変わりして当時の面影が少しも残っていないところ、どれもフォックスにとって全てが懐かしい思い出に満ちあふれている。
フォックスが思い出にふけっているとドアをノックする音が聞こえた。
入ってきたファルコにフォックスは笑顔で応じる。
「どうした?ファルコ。眠れないのか?」
「ちょっと、話したいことがあってな」
そう言うなり、フォックスの隣に腰を下ろすとじっとその顔を見つめる。
元々ファルコはそんなに繊細な性質ではないし、無理してでも表情を隠そうとするフォックスの事が見通せるとは思えない。
でも、だからこそはっきりさせたかった。
「・・・無理、してねえか?」
「え?」
「リンクが帰って以来、お前ずっと泣きもしねえ。おまけにずっと何もなかったようにへらへら笑ってやがる。付き合い長いはずなのに、今回ほどお前が何考えてるかさっぱりわけわかんねえのは初めてだぜ」
ファルコにそう言われてフォックスは初めて驚いたように目を見開く。
どうやら、ファルコに言われるまで自分がどんな表情をしていたのか気がつかなかったようだ。
自分の表情を一度確認すると、少し困ったようにフォックスは笑う。
「ごめんな、ファルコ。俺、いつも心配ばかりかけて・・・」
「んなこと聞きたいわけじゃねえ!大丈夫なのかどうかが知りてえんだ!!」
相変わらずぶっきらぼうかつ投げやりで乱暴な言葉遣いだが、フォックスはファルコの言葉が額面通りの荒っぽい言葉ではないことを知っている。
本当は優しくて心配してくれるのに言葉を知らないだけ、フォックスは頷いて答えた。
「・・・約束、したんだ。リンクと、ずっと前に・・・」





「もっと笑った方がいいよ、フォックス」
リンクと出会って仲良くなってしばらくした頃、リンクはフォックスにそう言った。
いつも真面目で優等生の表情が抜けきれず、その為近寄りがたい雰囲気を出しているから笑った方がいいとリンクは言っていた。
そう言うリンクの表情はとてもほがらかで、とても熾烈な過去を持っているとは想像もつかない。
けれど・・・。
「うん・・・。わかってるけど、なかなか笑うのが苦手で・・・」
そう答えるフォックスの表情は硬いままだ。
慣れない人に表情を見せるのが怖い。
相手に自分の全部を晒し出す事がフォックスは出来なかった。
それを聞くとリンクは落ち込んだように表情を曇らせる。
隣でじゃれていたピカチュウとカービィも心配そうにリンクの顔を覗き込んだ。
いつまでも顔を上げないからフォックスも不安が募る。
「あの・・・、リンク・・・?大丈夫か・・・?」
おそるおそるフォックスが声を掛ける。
リンクはちらりとフォックスの方を向いたがすぐ視線を下に持っていった。
「大丈夫・・・。なわけあるか!!それっ!!ピカチュウ!カービィ!フォックスにおしおきだ!!」
リンクの言葉にピカチュウとカービィの目がキラリと光って、そしてすぐさまフォックスに飛びかかる。
小さな子供なカービィと、ポケモントレーナーにバトルをしかけられて人間不信になったピカチュウには体罰は厳禁だ。
だから2人が悪さをした場合、罰として「おしおき」と称したくすぐり地獄の刑に処される。
普段はリンクやフォックスに「おしおき」をされる側であるカービィとピカチュウが逆に「おしおき」出来るのは滅多にない。
復讐するのは我にあり、と言わんばかりにフォックスをくすぐり回す。
「ピカピカピカピカ!!」
「ぽーよっ!!ぽおよっぽよー!!」
「ひっー!!やめろっ!!2人ともっ!!あっ!!やめっ!!こらっ!!リンクまで!!」
どさくさに紛れてくすぐりに参加したリンクにフォックスは抗議の声を上げるが、止めようとするとピカチュウやカービィがくすぐり回す。
フォックスがくすぐり地獄から解放された頃にはみんなぐったりとなっていた。
それでもリンクは起き上がるとフォックスの顔を覗き込んで笑う。
「うん!やっと顔が緩んでいい表情になってる。またフォックスが仏頂面してたら頼んだよ」
「ピカ!」
「ぽよっ!」
リンクの言葉を受けてピカチュウとカービィは揃って敬礼のポーズを取る。
フォックスは恨めしげにリンクの顔を見上げた。
「だからって、何でここまでするんだ・・・」
たかが表情ひとつで散々な目にあわされたのだからフォックスとしてはたまったものではない。
リンクは見慣れたいつもの優しげな笑顔で言った。
「だって、思い出すのは断然笑顔の方がいいじゃないか」
いつだって見ていて笑顔の方が気持ちがいい。
それに何より、人が誰かを思い出すのは日常的な場面の方が多い。
だから、笑って幸せな表情を見ていたい、ずっと思い出すのは笑顔の方が見ていて気持ちがいい。
「それに、いつもの仏頂面しているフォックスって下手に老け込んでとっつあん坊やみたいで格好悪いんだよな」
「なにおうっ!?」
「ピカピカ!!」
「ぽーよっ!!」
リンクの言葉に激昂しかけたフォックスだが、ピカチュウとカービィが「そのとおりだ」と合いの手を横から入れる。
その場はフォックスが折れるしかなかった。
それに、とリンクは続ける。
「俺も、ずっとこの世界にいられる訳じゃない。楽しい思い出は笑顔のままで一緒に残しておきたいんだ。それに俺はフォックスの笑った顔、一番好きだよ。だから、笑ってみろよ。駄目なんて苦手なんて言わないで、ずっと覚えておきたい表情なんだから」
だから、笑って。
そう言ってリンクは優しく微笑う。
フォックスもリンクの笑った表情が一番好きだった。
優しくてあたたかくて包み込むような笑顔に何度すくわれたかわからない。
その親友の救いになれるなら・・・。
「わかったよ、リンク。約束する、もう仏頂面しないって・・・」
ぎこちなくフォックスは微笑った。
するとリンクも優しく微笑み返してくれた。




「だから、俺はもう難しい顔しないって決めたんだ」
あっけらかんと言ってのけたフォックスにファルコは信じられないように呆然とする。
まるで阿呆のように呆けてしまったファルコを部屋に連れ出した後、フォックスは初めてリンクと出会った廊下を見下ろす。
その日の光景を思い返すとリンクの優しげな笑顔が浮かんだ。
その時の記憶は色褪せることなく鮮やかにフォックスの脳裏に蘇る。
もう、あれっきりの笑顔だったからと思うとたまらなく懐かしくて、愛おしい。

(リンクも、俺の笑顔を思い出してくれることがあったのかな・・・)


もし、思い返してくれてフォックスと同じような気持ちになっていてくれたら嬉しい。
そんなことを考えながら、フォックスはベッドに横になると静かに瞼を閉じた。

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