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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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『雪の願い屋』の初雪草様から頂きましたリクエスト小説です。

>メタカビのやきもちネタで
ヤキモチ妬くのはどっちでもOKとのリクエストを頂きましたので、受けに妬いてもらいました。


ああ・・・、でも、ヤキモチ妬く子ってなんて可愛いんでしょう・・・。
メタナイト卿は乙女心とかには無頓着・罪なくらい鈍くて後になってから思いっきり焦っているとオイシイです。
初雪草様のオリジナルキャラクター・ツキルちゃんも登場させていただきました。


初雪草様、こんなものでよろしければどうぞお受け取りくださいませ。

『pink boll is an unpleasant machine lick.』
(ご機嫌ななめのピンクボール)



「ぽよぽよぽよぽよ!!!ぱあゆっ、ぽよーーーーーーーっ!!!」


突如、廊下に響き渡ったカービィのわめき声。
マイクカービィにでもなっているんじゃないかと思うほどの大音量に廊下で警備に当たっていたワドルディ達はビックリしてパニックを起こしてしまった。
「ああっ!!こらっ、ワドルディ達よ!!落ち着けー!!・・・わぎゃっ!!」
慌てて右往左往するワドルディ達を宥めようとしていたワドルドゥ隊長だが、反対側から弾丸のように走ってきたカービィに蹴飛ばされてしまう。
いつもなら引き留めて訳を問いただすところだが、カービィはもはや遠くに行ってしまっている。
ワドルドゥをけっ飛ばしたカービィは無我夢中で廊下を走っていた。
時々廊下にいるワドルディをもけっ飛ばして、カービィは無敵状態さながらの傍若無人ぶりで城中を走り回っていた。
今度はカービィの前にデデデとエスカルゴンが歩いている。
カービィはそれでも走って突っ込んでいったが・・・。


ボヨンッ!!


「ぽゆっ!!」
デデデの太鼓腹にぶつかって、はじき飛ばされたのはカービィの方だった。
「ん?何ゾイ、カービィ。ワシにぶつかって逆にはじき飛ばされるとは!ダハハハハハ!!」
「いくらカービィでも横綱級のメタボ体型の陛下を突き飛ばすなんて事はムリムリ!!」
ぶつかられたデデデの方はちっとも応えてないらしく、床に転がったカービィにげらげらとエスカルゴンと一緒になって笑いこけた。
遠慮のない笑い声にカービィの眉根がキュッと寄せられる。
珍しく反抗的なカービィにデデデはいぶかしげに眉をつり上げると、いつものいじめっ子の目つきになった。
「何ゾイ、その反抗的な目は・・・。チビのピンクボールが、ワシにたてつくつもりかゾイ?」
いつものようにカービィを掴み上げていじめようとデデデはカービィに手を伸ばす。

「・・・ぽゆっ!!」
「ああっ!!陛下っ!!」
「か、カービィ、貴様、ワシがちょっと手加減してやったらいい気になりおって~~!!」
なんと、いつもは大人しいカービィが伸ばされたデデデの手をはじき飛ばしたのだ。
それも軽くいなすようなものではなく、本気で拒絶を示したのだろう。
カービィに弾かれたデデデの手は赤く撲たれた跡が浮かんでいた。
これには内心カービィの事を憎からず思っていたデデデのプライドが傷ついた。
「もうゆるさん!!礼儀作法を教えてやるゾイーーーーーー!!エスカルゴン!!」
「お行儀の悪いピンクボールにはお仕置きでゲス!!」
本気で怒ったデデデとエスカルゴンは二人がかりでカービィに飛びかかった。
カービィの目つきは険しいが、体は逃げようと体制を整えていた。


ゴン!ゲン!


「デッ☆!!」
「んがっ!!」
思い切り頭をかち割るような音と同時に、デデデとエスカルゴンの目に火花が飛んだ。
そして二人、カービィを捕まえようとしていた体制のまま後ろに倒れてしまう。
すると、背後にいた、今し方デデデ達をノックアウトさせた人物がカービィの目に飛び込んできた。
「・・・ツキル」
「んもぉ~、また二人してカービィいじめるなんて~。大人げないな~」
凶器に使ったセイントバードを担ぎ上げながら、ツキルはデデデを踏みつけてカービィに近寄る。
そしてカービィに怪我がない様子を見るとほっと安堵の息をついた。
「うん!怪我はないね。もう大丈夫だよ、カービィ・・・」
立たせようと手を差し伸べたツキルは言葉を失った。
カービィの青い眼からボロボロと大粒の涙がこぼれている。
自然とカービィの表情が涙でくしゃくしゃになっていく。
時折息苦しそうに口から漏れるのは嗚咽の泣き声だ。
「ふぇぇええ・・・、うえぇぇぇぇ・・・」
「ど、どうしたの?カービィ、どっか痛いの?」
「ぽゆぅ・・・、ぱゆう・・・!!」
泣き出したカービィにおろおろしながらもツキルは訳を問いただす。
だが、カービィはツキルが何を聞いても首を振って泣きじゃくるばかり。
一向に落ち着く気配は無かった。

(これじゃらちがあかないよねえ)

少し考え込んだツキルの耳に、デデデの呻く声が届いた。
そろそろ意識を取り戻しかけているらしい。
このままこの場所にいるのは危険、そう判断したツキルはセイントバードにまたがるとカービィを連れて一目散に自分の部屋へと飛んでいった。




部屋に戻ったツキルは、とりあえず泣きやまないカービィを落ち着かせるために精神安定の魔法薬をカービィに飲ませた。
効果はてきめんで一口飲んだ途端にカービィはぴたりと泣きやんで、薬が底を付く頃には涙の跡は跡形も無くなっていた。
「・・・ぽよ」
「元気出た?一体何があったのさ、カービィ。ツキルで良かったら話に乗るよ」
今日のカービィの様子はただごとではない。
どこかヤケになって自暴自棄な様子もある。
ツキルが聞くとカービィは再びしょんぼりとした表情を見せた。
そして、たどたどしいながらも舌足らずな言葉で説明をする。
「ぽよ、ぱゆう、ぽよぽよ、ぱあよ・・・」
「メタ卿と喧嘩したぁ!?」
カービィの言葉にツキルは目が飛び出るほどに驚いた。
メタナイト卿のカービィの可愛がり度、過保護さ、執着度は城に住むものなら知らない者はないほど並々ならないものがある。
フームでさえカービィの保護者を自負しているが、それでもメタナイト卿には及ばない。
カービィもメタナイト卿とフームに対してはまるで家族の様に甘えて懐いている。
その二人が喧嘩をするなど、ツキルの占いでも予測不可能な事件だ。
「ぽゆぅ・・・、ぽよ、ぱあゆ・・・(ボクが、いけないの・・・)」





月に一度、メタナイト卿はププビレッジの調査・視察に赴く。
本来は国王であるデデデの仕事なのだが、あのとおり魔獣で遊ぶのに一生懸命なデデデがまっとうに仕事をこなすことなどまずあり得ない。
よって、その国王の怠慢・尻ぬぐいは臣下であるメタナイト卿の仕事として押しつけられてしまっていた。
だが、元々星の戦士であるメタナイト卿は村の住民からの人望は厚く、デデデよりも人気がある。
それは村中の若い女性も例外ではなかった。
視察の度に村中の女性からメタナイト卿に託されるピンク色の手紙、カービィにはよくわからないけど甘くてしっとりとした匂いのするプレゼント、それがメタナイト卿の手元にあるのを見る度、カービィはいつももやもやした嫌な気分になるのを感じていた。
そして、視察から帰ってきたメタナイト卿の手からそれらの贈り物がソードとブレイドの手に預けられたとき、カービィはどこかほっとしていた。
そして、いつものようにメタナイト卿が手を差し伸べてくれるのをじっと待っていた。

『待って、メタナイト卿。これ、私に預けられたあなたへの贈り物・・・、キャッ!!』

『危ない、フーム!!』


『(あっ・・・!!)』


カービィに手が差し伸べられる刹那、荷物をいっぱいに抱えたフームが慌てて駆け寄って来て、バランスを崩して転びそうになったフームを咄嗟にメタナイト卿が支えた。
そうしなければ、荷物で手が塞がっていたフームは顔に怪我をしていたかも知れない。
わかってはいたけれど、目の前の光景、フームを抱きかかえているメタナイト卿の姿にカービィは胸が刺し貫かれるような感覚を覚えた。
その後、カービィがどうしたのかはわからない。
ただ、最後にメタナイト卿がカービィを振り返ったとき、何故かメタナイト卿はマントで仮面を半分覆っていて、足下にはプレゼントの小箱が転がっていた。
フームも信じられないような目でカービィを見つめていた。


『ぽよぽよぽよぽよ!!!ぱあゆっ、ぽよーーーーーーーっ!!!』
(メタのバカあ!!メタなんかだいっきらい!!)


後はもうメタナイト卿の姿が見ていられなくて無我夢中で走り回っていた。
どれだけ走ったかもう覚えていないくらい、デデデにはじき飛ばされるまで城を走っていた。






「そんなことがあったんだ・・・」
「ぱゆう・・・」
ツキルに頷いてカービィは小さく泣きじゃくりを上げる。
必死に目をこすっているカービィにツキルは困ったように帽子を掻いた。

(要するに、カービィはヤキモチ妬いてるわけだ・・・)

まだまだ小さな赤ちゃんだと思っていたが、カービィの成長速度はツキルが思っていたよりもうんと早いのかも知れない。
メタナイト卿はカービィの事を何よりもかわいがっているが、カービィには愛されているという自信がまだ付いてきていない。
だから、メタナイト卿が他の女の子に囲まれたり、ラブレターをもらったり、プレゼントをもらったりするとカービィのコンプレックスをより傷つけてしまう。
特に最後のフームのアクシデントは決定打だった。
フームは賢いし、大臣夫婦よりも見識が高く、メタナイト卿とも話が合わせられる。
カービィの目にはよほど二人がお似合いのように映っただろう。
それがカービィのコンプレックスをひどく打ちのめした。

(カービィはこんなにメタ卿の事、好きなのにねぇ)

カービィに手を出そうとしたデデデに対して、カービィは激しく拒絶した。
きっと本当に好きな人、メタナイト卿以外に触れられたく無かったのだろう。
ツキルがカービィを助け出したとき、カービィの目は必死に訴えかけていた。

『ボクに触らないで』、と・・・。

傷ついたカービィの心を元通りに出来るのはメタナイト卿ただ一人しかいない。
泣きじゃくるカービィをそのままにしておくことも出来ないツキルはメタナイト卿を捜しに行こうかとセイントバードを取りだした。


コン、コン、コン、


ドアをノックする音が聞こえた。
「はいは~い?」

「ツキル、私だ。メタナイトだ。カービィが来ていないか?」
ドアの向こうからの声にツキルは目を見張る。
ちなみにそれはカービィも同じで、涙を目尻に溜めたままきょとんとしていた。
あまりにタイムリーな訪問に一瞬、開けようかツキルは迷った。
カービィの方を向いて『どうする?』と口パクで囁くとカービィは激しく首を振った。
まだ気持ちの整理が出来ていないらしい。
会うのを拒絶したカービィにツキルは頷くと、ドア越しにメタナイト卿に話しかける。
「カービィは来てないよ~。今魔法薬作りで忙しいから後にして~!」
「・・・・・」
ツキルがそう答えるとメタナイトからの返事は聞こえない。
しばらく経って、ドアの向こうからなんの音も聞こえなくなった。
もう行ってしまったのだろう。
内心嘘を見破られるんじゃないかとヒヤヒヤしていたツキルはほっとため息を付いた。


「ツキル、ドアから離れていろ。1mは近づくな」
「へ?」
「ぷ?」
いきなりメタナイト卿の切羽詰まった声が聞こえて、ツキルもカービィも思わず声を出した。
そして二人ともドアに視線を向ける。



スパッ、スパスパッ、ズバッ!!


稲妻のような閃光がドアに走った。
チン、とおそらくギャラクシアを納める音、それと同時にツキルの部屋のドアはバラバラと積み木ブロックサイズの木片になって崩れ落ちた。
ドアがあった場所を踏み越えてツキルの部屋に入ってきたメタナイト卿はカービィの姿を見つけるとすぐに駆け寄ってマントでカービィの涙の跡を拭った。
「やはり、ここにいたか。ああ、こんなに目が腫れるまで泣いて・・・」
「ちょっと!メタ卿、ドア!!どうしてくれるのさ!!陛下にバレたら大目玉だってのに!!」
バラバラにされたドアにツキルが悲鳴を上げる。
ただでさえ借金がかさんでやりくりが厳しいのに、これを見たら強突張りのデデデのこと、とてつもない労働力をツキルに請求してくるに違いない。
焦るツキルに対してメタナイト卿は澄まして答えた。
「陛下はまだ医務室でお休みだ。今のうちにそなたが魔法で直せば問題なかろう」
「あっ!そっか!!」
思い出したようにツキルはぽんっ、と手を打つと早速修復の呪文を探してドアの修理に取りかかった。



メタナイト卿はカービィをツキルの目に触れるのを気にする風でもなく、抱きしめた。
ぎゅっと抱きしめてくれる力はいつもカービィにとって痛いくらいだったけど、それをメタナイト卿に訴えたことは一度もない。
抱きしめられていたカービィは、さっきまでメタナイト卿にまとわりついていた女の子の匂いがしないことに気がついた。
マントもさっき身につけていたものと色が違うし、手袋は少し湿った感じがする。
慌ててシャワーでも浴びたのだろうか、それでも女の子の匂いがしないのにほっとしてカービィはいつものようにメタナイト卿に甘えるようにもたれた。
「すまない、カービィ・・・。そなたをこんなに傷つけて、悲しませて・・・」
「ぽゆう・・・(ううん)」
頑張って頭を振ろうとしたカービィだが、そっとメタナイト卿が優しく撫でてくれる感触がして、涙腺がまた緩んでしまう。
メタナイト卿は何も悪くないのに・・・、お仕事でやっているだけなのに・・・。
駄々こねて、拗ねて、怒って、一番困らせたのは・・・。

(ボクが悪いのに・・・)

メタナイト卿の優しさに甘えてしまう自分が悔しくて涙が出てしまう。
「心配するな、カービィ。私は一度たりともそなた以外を好きになったことなど無い。フームも臣下の立場として話し相手なだけだ。だから、私の前からいなくならないで、消えないでくれ。頼む・・・」
言い終えないうちにメタナイト卿の抱きしめる力が強くなる。
カービィの体に回された手は微かに震えていた。
「・・・めた・・・?」
「私には、そなたを失うことだけは、何にも耐え難いんだ・・・」


『メタなんかだいっきらい!!』


咄嗟にカービィの脳裏にフラッシュバックした言葉。
今ならあの時の様子が鮮明に思い出せる。
あの時、カービィはフームの手からこぼれ落ちたプレゼントの小箱をメタナイト卿に向けて投げつけた。
メタナイト卿なら絶対にかわせたはずなのに、かわせずにただ呆然とカービィを見ていた。
そしてカービィが立ち去る間際、メタナイト卿の目は深い悲しみの色に染まっていた。
カービィはその目を見ていることが辛くて、それで無我夢中で逃げ出したのだ。
その視線の届かない場所に行きたくて、メタナイト卿が悲しむ姿を見たくなかった。




「ぽよ、ぽよぽよ・・・。ぱあゆぅ・・・」
(ごめんね、メタ。大好きだよ・・・)





「ふうっ!!何とか直ったよ」
ドアをうまくつなぎ合わせて元に戻したツキルは完成度の高さに自慢げに胸を反らす。
多少継ぎ目は残っているが目を凝らしてみない限りはわからない。
これなら大雑把なデデデにばれる心配はなかった。
そして、最後の仕上げに魔法でプレートを取り出すと、指先で文字を書く。
すると書いた文字はキラキラと七色に輝いた。
そして、完成したプレートをドアに掲げるとツキルはセイントバードにまたがって廊下を飛んでいった。


『KEEP OUT』(立ち入り禁止)

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