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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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久々に小説UPします。
本当に久々にデデカビ書き上げました。


でも、デデカビって言っても殆どメタカビ←デデって感じです;;
うちのカビは本当にお子ちゃまだけど、メタを親としても、師匠としても、兄貴分としても、戦士の先輩としても、とにかく憧れつつ慕っている感じなので・・・。
メタはメタでいい年こいて知識豊富で腕も確かで村中の尊敬の的なのに、あんな小さなカービィにメロメロ・もとい骨抜きの溺愛状態なので・・・。
デデカビ書いたつもりでもメタ出た時点でデデデの負けフラグが立ってしまいます・・・。(デデの旦那ごめんよ)


ちなみに作中のデデデのセリフはレグのアニマルカビぬいぐるみに触ったときの感想そのまんまだったりします。

『lovery puppy』
(可愛い子犬の子)



「ペットが飼いたいゾイ・・・」


いつものように何の前触れもなくデデデの口から溢れた一言。
またいつものワガママが始まった、とエスカルゴンは内心呆れながらも大事な陛下の愚痴に健気にも合いの手を入れる。
「またいきなりどういう風の吹き回しでゲスか?陛下」
「退屈ゾイ・・・。せめて、この沈んだ空気を何とかしたいゾーイ・・・。」
「退屈なんならゲームとか魔獣とかダウンロードすりゃいいじゃないでゲスか」
デデデの退屈の原因は今月に入ってから、延々と降り続くこの梅雨の大雨のせいだ。
大雨のせいでお気に入りのオープンカーでのドライブも出来ず、城に閉じこもってしまっているからさすがのデデデも暇を持て余しているらしい。
だが、悪戯好き・悪さ好き・ハプニングスターであるデデデはすぐ騒ぎを起こすからここまで大人しいのは珍しい。
デデデの部屋には暇つぶしには事欠かないゲームやショッピングカタログが山のようにある。
だが・・・。
エスカルゴンの言葉にデデデは腰掛けていた椅子の後ろを無言で指さす。
そこには歴代の任天堂のハードとソフトが山積みに積まれていて、その隣にはホーリーナイトメア社のカタログが何冊も積み上げられていて、双璧の山と化していた。
これにはさすがのエスカルゴンも口をつぐんだ。
「ありゃ~、全部もうやった後でゲシタか・・・」
「バーチャルコンソールは来月まで更新待ちゾイ。魔獣も殆ど飽きたゾイ・・・」
「それでペットでゲスか。・・・じゃあ、ホーリーナイトメア社からまたスカーフィを」カタログをめくり始めたエスカルゴンにデデデは頭を振った。
「あんな獰猛で食費かかる上にややこしい奴は要らん。もうこりごりゾイ」
「はあ・・・。じゃあ、飽きても大丈夫なように、ペットロボは・・・」
「爆弾機能付きペットは危険ゾイ。それより、ふかふかの触り心地が良いペットが良いゾイ・・・」
「そんな魔獣はいないでゲス」
カタログを調べていたエスカルゴンだが、デデデの好みに合いそうなペットはいない。
すると、案の定デデデは駄々をこねた。
「くそっーーーーーー!!肝心なときにホーリーナイトメアは役に立たんゾイ!!」
「ホーリーナイトメアが役に立たないのは今に始まった事じゃないでゲショ」
逆上したデデデにさりげなくつっこみを入れつつ、エスカルゴンはため息をついた。
みんな長雨に気が滅入っている。
気鬱になると癒しが恋しい、その点においてはエスカルゴンもデデデと同意見だった。


「ぽよっ」

「カービィ・・・?今はお前なんかに付き合っている暇は・・・」
聞き覚えのある声に胡乱げに顔を上げたデデデは呆気に取られて口を開けた。
「どうしたんでゲス?」と聞いてきたエスカルゴンにもデデデは黙ったまま目の前を指さす。
すると、エスカルゴンもデデデと同じ反応を示した。
目の前にいるのは紛れもなくカービィだった。
だが、いつもと様子が違う。
おそらくまた何か能力をコピーしたのだろうが、ふわふわの茶色の毛皮に覆われて、手足には柔らかそうな肉球がついている。
時折、ぴこぴこと定期的に動くものは小さな丸っこい尻尾だ。
「ありゃ、何ゾイ!?」
「・・・なんかのコピーみたいでゲスが、動物っぽいでゲスな」
「ぽよおっ!」
デデデ達の言葉に反応するようにカービィは爪の生えた腕を掲げる。
メタナイトがいればすぐさま説明してくれるのだろうが、肝心なときにいないのが世の常だ。
また物騒な能力を見せるつもりなんじゃないかと、エスカルゴンが自然とカービィに対して及び腰になる。
そして騒ぎを起こされる前に追い出そうと手を払う仕草をした。
「あっ、ここには食べ物はないでゲスよ!!ほらっ、さっさとフームの所でもどこへでも行くでゲス」
「ぽよ?」
「ほらっ!!しっしっ・・・、」


ゴンッ!!


カービィを追い払おうとしていたエスカルゴンの脳天に予告無しでデデデのハンマーが飛んだ。
意識が朦朧とするなか、エスカルゴンは気力を振り絞って背後のデデデを振り返る。
「・・・へ、陛下・・・、何をするで・・・ゲスか・・・?」
「かわいそうな事言うでないゾイ!!ほれ、こっちへ来るゾイ」
出来る限り猫なで声を出して、動物姿になったカービィに手招きをする。
珍しい光景にカービィは首を傾げた。
「ぽ~よ~?」
「ほれ、おいしい肉もあるゾイ。食べたくないのかゾイ?」
「ぽよっ!!」
コピー能力があるといっても所詮元はカービィ。
食い意地は健在らしく、デデデが見せた骨付き肉に喜んで四つ足走りで駆け寄った。
そしてデデデからもらった肉をいつもの吸い込みではなく、姿に似合った動物らしい仕草ではくはくと食べ始める。
食べる仕草の度にカービィのふわふわの毛皮がなびいた。
(よし、カービィが餌に食いついている隙に・・・、触るゾイ)
食べている間は抵抗もされないはず、そう思ってデデデは震える手でカービィの毛皮に手を伸ばした。


ふわっ・・・


触るのはあっけないほど簡単だった。
柔らかく、さらさらであたたかい毛皮はデデデの手に吸い付くような触り心地の良さだった。
デデデが自分に触れたのに気がついたのだろう、カービィは食べかすを口の周りに付けたままきょとんとしてデデデを見上げる。
その姿はまるで飼い主を見上げる子犬さながら、いや、子犬以上のかわいらしさを誇っていた。
「かっ!!!可愛いーーーーーーーーーーーーー!!なんという可愛さっ!!ワシの理想のペットが見つかったゾイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「ぽえ?」
あまりのカービィのかわいらしさにメロメロになったデデデはもうたまらずカービィを抱きしめた。
カービィはデデデに抱きしめられたまま訳がわからずきょとんとしている。
小さくてふわふわのカービィにデデデは抱きしめるだけに止まらず、ほおずりまで始めた。
「カービィ、これからお前はワシのペットになるゾイ。これからワシと一緒に暮らすゾイ!!」
「ぽよ?」
「ワシと一緒に暮らせばなんでも好きなものを食べさせてやるゾイ!今夜はお前のためにフルコースを用意するゾイ!!」
「ぽよっ!!」
フルコースと聞いてカービィの目がキラキラと光り出す。
そしてカービィの方からもデデデに甘えるようにほおずりをする。
ふわふわの毛がデデデの頬に触れる感触は何よりも心地よい感触がした。
「もう、ワシにはカービィしかいないゾイ。これからワシとずっと幸せに暮らすゾイ・・・」


「妄想はそこまでにしていただきましょう、陛下。カービィをお返しください」


「なぬっ!?・・・っ!!」
突如割って入った言葉に顔をしかめたデデデだが、すぐにその顔が恐怖で引きつる。
さっきまでメタナイトがいたら、と思っていた自分が今はうらめしい。
その場にいつの間にか現れていたメタナイトはその瞳を怒りの色に染めていた。
さあ、とカービィを渡すよう差し出された手にデデデは首を振って慌ててカービィを自分の後ろに隠す。
「・・・陛下」
「ぜ、絶対嫌ゾイ!!このカービィだけはワシのものゾイ!!」
てこでも譲らない様子のデデデにメタナイトは腹立たしげにため息をつく。
そして今度はデデデではなくカービィに声を掛けた。
「こちらに来なさい、カービィ。いつまでその姿のままでいるつもりだ」
「ぽよ?ぽおよっ、めたっ!!」
「ああっ!!カービィ!!」
デデデの背中に隠されていたカービィは迎えに来たのがメタナイトだと知ると、デデデの手をすり抜けてさっさとメタナイトの所へと走っていってしまう。
デデデが捕まえ直す暇もなかった。
メタナイトの元へ駆け寄ったカービィはぱたぱたと尻尾を嬉しそうに振る。
その様子にメタナイトは苦笑を漏らしながらもその頭を撫でた。
「やれやれ、メーム夫人の大事な毛皮のストールを吸い込んで行方がわからなくなったとフームから聞いてまさかとは思ったが、『アニマルカービィ』に変身して陛下の所にいたとはな」
「あ、『アニマルカービィ』?」
メタナイトの言葉にデデデはオウム返しのように繰り返す。
メタナイトはアニマルカービィを抱き上げながら、渋々ながらもデデデの問いに答える。
「カービィの新しい能力です。動物らしい鋭い爪で硬い土や岩も砕く、野生の本能に身を委ねたアニマルカービィ。当然、魔獣でも切り裂くほどの鋭さと威力を誇るのでとても陛下のペットとしてお側に置くわけにはいきません」
「ぐあああああーーーーーーーー!!!!ずるいゾイずるいゾイ!!お前が扱えるのになんでワシは駄目ゾイーーーーーーーーー!?メタナイトの癖にーーーーー!!」
デデデの猛抗議にメタナイトはふっと勝ち誇ったような笑い声を漏らす。
「私には、陛下と違ってカービィを抑えきれるだけの技量を持ち合わせておりますから。
・・・さあ、カービィ。メーム夫人の大事なストールを返しなさい」
その言葉と同時にメタナイトはぽんっ、とカービィの背中当たりを叩いた。
するとそのショックのせいか、カービィからコピー能力が消えて元の姿に戻ってしまう。
カービィの足下には毛皮製のストールが落ちていた。
メタナイトはカービィを抱き上げたまま、落ちていたストールを拾い上げる。
「これで、メーム夫人のストールは取り戻せた。陛下も、コピー能力が取れたカービィには興味がないでしょう。カービィは私が引き取りますから、陛下はお気になさらず」
「ぽよぽーい!!」
そう言うなり、メタナイトはカービィを抱えて踵を返してしまう。
カービィも無邪気にメタナイトの腕の中でデデデに手を振った。
「まっ、待つゾイ!!カービィ!!メタナイト!!」
慌てて引き留めたデデデだが、メタナイトはさっさとカービィを連れて部屋を出てしまう。
その場に残されたのはデデデと伸びて倒れているエスカルゴンだけだった。
「おのれ~~、今に見ておれ~~~~~~~!!このままただではすまさんゾイ!!」




翌日。
「陛下!!今度は一体どういった風の吹き回しでゲスか!!」
エスカルゴンが声を上げたのも無理はない。
デデデの部屋には通販で大量に仕入れた商品で溢れかえっていた。
それも犬用の首輪にリード、ケージに爪研ぎ用の板、猫じゃらしにペット食用の土などもはや訳がわからない。
特にデデデが買い込んだもののうち、一番エスカルゴンの目を引いたのが山のように積まれた高級素材の動物毛皮製品だった。
「ワシはこのまま絶対に引き下がらんゾイ!!絶対にあの可愛いアニマルカービィをワシのペットとして飼い慣らしてみせるゾイ!!」
「はあっ?」
「まずはカービィに毛皮を吸い込ませるのが第一条件ゾイ。これを飲ませるには・・・」
そう言いながらデデデは毛皮のうち特に品が良く、カービィが食いつきそうなものを物色し始めた。
またしてもくだらない陰謀を企んだデデデにエスカルゴンはため息をついた。



(どうせうまくいかずに三日坊主になるか、試行錯誤しているうちに梅雨明けするでゲスよ。陛下・・・)
 

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