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>ナイトが姫を魔獣の魔の手から救うんですy(お黙り)
メタ視線過ぎて↑の絡みが少なすぎたので、それを解消するためにもおまけのエピローグを書き上げました。
やっぱりナイトに救われたお姫様はちゃんとナイトの望む最高のご褒美あげなくちゃ!!ねえ!!(!?)
でも、メタのお姫様はピーチやゼルダよりも遙かに幼いので・・・。ここまで止まり。
【エピローグ】
『Princess smile is the highest present to the knight. 』
(その笑顔は姫からナイトへの最高の贈り物・・・)
医務室に担ぎ込まれたメタナイトに待っていたのは医師の治療及び叱咤とフームの耳が痛くなるほどの小言だった。
無理もない、チリドッグとの戦闘で体中至る所に重度の火傷・切り傷を負って無事な所など無い状態でいたのだから。
挙げ句、メーム夫人はあまりのひどさに卒倒する始末。
最終的に怪我が治るまで休養を余儀なくされ、当分医務室から出ることを禁止された。
治療が済み、騒ぎが収まり全員が出払ってようやくメタナイトは横になった。
隣には、今夜一日だけだがカービィも眠っている。
知らず知らずのうちにメタナイトはカービィに手を伸ばして頬に触れていた。
あたたかくて柔らかい子供の体温が手を介して伝わってくる。
触れられた感触に反応してカービィの寝顔が嬉しそうに緩んだ。
(よかった・・・。この子を守れた・・・。)
その実感を覚えると今まで感じたことのない嬉しさが込み上がってきた。
気の遠くなるような年月を生きてきたメタナイトでさえ初めて感じた程の心の不思議な高揚感。
昔の仲間が生きて帰ってきてくれたときの嬉しさとも違う、もっと淡く小さいけど大きな幸せ・・・。
「・・・ぽよ?」
ぼんやりとした眼のままカービィは瞼を開いた。
最初どこにいるのかわからず困惑しているようだったが、メタナイトに気がついて幾分かほっとしたようだった。
「起こしてしまったかな?すまないな、カービィ」
「ぽーよぅ。・・・ぽよっ!?」
それまで横になっていたカービィが急に布団から飛び出した。
パニックになってしまったのか誰かいないかきょろきょろ探して落ち着きがない。
「カービィ、いったいどうし・・・」
落ち着かせようと起き上がったメタナイトは自分の姿を見てカービィのうろたえた理由を察した。
なるほど、今は傷だらけの体だった。
訳もわからないうちに知っている人が大怪我を負っていたら驚くのも道理、無理もなかった。
「脅かしてすまない。魔獣との戦いで少し不覚を取った。もう、大丈夫だ」
「ぽよ?・・・ぷ!」
最初はわからなかったカービィだが、呪いにかかる前にみんなに襲いかかってきた魔獣を思い出したらしく表情が変わった。
そして・・・。
「!?」
「ぽよいよあい!!めたないと、ぽよいよあい!!」
突然目に涙を溜めたと思ったら、急に泣きながら抱きついてきたカービィにメタナイトは戸惑いを隠せなかった。
まだ充分に話せないカービィはずっと同じ言葉を繰り返している。
少なくとも自分に向けて発せられているものだと言うことは想像できた。
かける言葉に迷っているとカービィが包帯を巻いた腕を見てまた大粒の涙をこぼす。
そして包帯の上から撫でるように手でさすって小声で何か呟いていた。
それはまるで子供達が怪我したときにする「いたいのいたいのとんでいけ」のおまじないにそっくりだった。
そこから察するカービィの言わんとすることは・・・。
「・・・私にすまないというのか?怪我をしたから」
「ぽゆぅ・・・」
メタナイトの言葉にカービィは涙をこぼしながら頷いた。
こんなに幼くてもカービィはちゃんと自分が動けなかった間の事を把握している。
そして、自分を助けるためにメタナイトがどれほど頑張って辛い思いをしたのかも。
「そんなこと、気にする事じゃない。私は・・・」
「ぽよゆう、ぽよ、ぽよっ!!」
メタナイトが言い聞かせてもカービィは泣きやもうとはせず、ずっと首を横に振り通しだった。
メタナイトを自分のせいで傷つけてしまったのが悲しいのか、何も出来ずに助けを待っていることしかできなかったのが悔しいのか、カービィの瞳から涙は止まらなかった。
「カービィ・・・」
「ひくっ、えっく・・・、ぽよっ?」
急に抱きしめられたカービィはびっくりして涙の溜まった目をぱちくりさせた。
驚いたカービィを宥めるようにメタナイトはそっとカービィを優しく撫でる。
その手は普段の冷静なメタナイトとは似つかわしくないが、とてもあたたかくて優しかった。
「私は、そなたを助けたかったのだよ。私が行動して怪我を負ったのも全て私の望み、その為だ。だから、気に病むことはない」
「ぽよおぅ・・・」
カービィは何か言いかけたが、メタナイトがそれを遮る。
そしてそのまま、その手をカービィの頬に伸ばして触れた。
「そんな顔をするな。私はそなたにそんな顔をさせたくて戦った訳じゃない。笑っておくれ、いつものように。その笑顔を私は見たかったのだから・・・」
『だから、誰よりも大事で誰よりも守りたかったのだから。』
その言葉にカービィは涙を吹き飛ばすように頭を勢いよく振る。
そして思いっきり弾けるような笑顔をメタナイトに見せた。