[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ゼル伝がすっかりお留守に・・・。(えー)
お気に入りなのに、スマブラとカービィでシリーズもの書いたのに対してゼル伝は単品だから・・・。
短編も好きなんですけどね。
ただ、ゼル伝はストーリーが濃いし愛着も強いので長編書いたらスマブラの比じゃない長さになりそうなので、手付けないんです。(あまり長すぎるのもマンネリ)
そんなわけで久々にゼル伝小説UPです。
トワプリでリンミドです。トワプリだとリンミドもありです。結構このカプ好きです。
ミドナ視点の影の宮殿ステージ一番最初の頃です。
キャラ視点のストーリー展開って結構苦手です。
周りが書きづらい・・・。(-、-;)
『masquarade』
あの仮面は、一族に代々伝わる力の結晶。
最初はただの復習のための道具にしか過ぎなかった。
それだけだったのに・・・、いつの間にか別の役割を果たしていた。
「ミドナ、出てきてくれよ」
隠れていた影の主、時代遅れな緑の衣装を着た勇者サマがワタシに声をかけてきた。
なんだい、あいつ。こう見えてもワタシは王女なんだぞ、牧童の癖に馴れ馴れしく呼びやがって、姫さんの真似して呼び捨てで呼ぶなっての。お前とは立場が違うんだ、立場が。
賢者の奴らの話聞いてワタシが誰かもわかってるはずなのに、何でこんなに馴れ馴れしいんだよ。
あんだけワタシがお前を利用するためだけにこき使ってたって聞かせたはずだろ。
なのに・・・、どうしてお前は変わらずワタシに接してくれるんだ。
「おーい、ミドナー。どうしたんだよ、ここ、お前の故郷の国だろ?」
(故郷だからこそ、出たくないのに・・・)
ワタシはもう、昔ここにいた頃のワタシじゃない。
姿形も力も心もあの頃と同じじゃない、だからこそここには出来るだけ顔を見せたくない。
民がザントによって姿形も性格も変わってしまったように、ワタシももう皆をまとめていた頃のワタシには戻れない。
ああ、あいつまだワタシの事呼んでるよ。
端から見たら独り言ばかり言ってる変な奴だよな。やれやれ、出て行かないと絶対に喋り続けるよ。
嫌だけど、仕方ない・・・。
「どうした、リンク?」
「・・・そっちこそ。せっかく返ってきたんだし、トワイライトの世界だから動きやすいのに何でまだ俺の影に隠れてるんだよ。堂々と出てたらいいじゃないか」
この朴念仁め、ちょっとはワタシの心中を察しろってんだ。
でも、こいつ乙女心なんかこれっぽっちもわかんないんだろうな。アホみたいにきょとんとしやがって、ほんとガキなんだから・・・。
説明してやんないとわかんないか。あーぁ、あんまり言いたくないのに・・・。
「どんな理由があったにせよ、ワタシは一度一族を捨てて逃げた身だ。おめおめみんなに顔見せるなんて出来ないよ。それに助けに来たのがこんなバケモノだなんて嫌だろう、だからしばらく影の中で隠れていたいんだ」
あ。結構傷つく、自分でバケモノって言うの・・・。
仕方ないよな、こんな仮面被ってるし。ザントにへんてこな姿にされてしまうし。
あー、そうですよ。どうせワタシはあの姫さんに比べたらバケモノですよ。
別にいいよ。元はみんなに褒めてもらえるほど綺麗だったって言っても信じてもらえるはずないし、目的さえちゃんと達成できたら別に構わないさ。
そう思ってたら、ワタシの頬をあたたかい手が触れてた。
「なっ、リンク!おい・・・」
「ミドナはバケモノじゃないよ」
「えっ?」
何言い出すんだ、この野郎。
しかも嘘付いてるような風に見えない笑顔で笑いやがって・・・。
「ミドナはみんなのために今まで頑張ってたんだろ。大丈夫、みんなに事情を話したらきっと許してくれる。一番悪いのはザントだ。だから、堂々としていろよ。それに、俺はミドナのこと、一度もバケモノなんて思ったことなんかないよ。でも、そんな気遣い性な所も好きだけどな」
「だから、堂々と行こう」ってバカみたいに明るく言って、ワタシの手を取って広場に歩き出してしまう。
・・・本当に筋金入りのバカだ、こいつ。
光と影は所詮相容れないのに・・・。ワタシがいくら望んでもずっとお前の側になんかいられないのに・・・。この思いに未来はないのに・・・。
なのに・・・。
なのになんで・・・。
(ワタシが望んでる言葉をお前は口にしてしまうんだ)
「・・・ミドナ?」
しまった、動かなかったから振り返りやがった。
この結晶石に感謝しないとな、今一番あいつに見られなくない左目隠してくれてたから。
でも、いつもの調子にしないといくらあいつでもこれ以上は感づいちゃうよな。
本当はもうちょっと繋いでいたかったけど、ワタシはリンクの手を振り払った。
「手なんか繋ぐな!恥ずかしい、子供じゃないんだぞ!!ちゃんとおかしな所があったら出てきてやるから、影に隠れさせろ!!いいな!!」
「・・・わかった」
さすがワタシ。押しの強いのにこいつ弱いからあっさり大人しくなった。
影に隠れたワタシの跡を見ながら「何もあそこまで嫌がること、俺したかな?」って頭掻いて首傾げてる。
ああ、やっぱりこいつガキだよ。
本当に私の気持ちなんかカケラもわかっちゃいない。
-別れる運命のお前の事をこんなに好きになって、仮面の下で泣いてるワタシの本心なんか全然わかっていないんだから-