忍者ブログ
ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
<< 08  2019/09  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30    10 >>
[35]  [34]  [33]  [32]  [31]  [30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [25
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ついに完結しました。26話パロ『I pass everything can save you』。


ムジュラの仮面の影響か、こういう時間制限に縛られてるのって結構好きなシチュエーションなんです。
(メタ逆もそうじゃん)
しかし、アニメ版のカービィは「ぽよ」しか話してくれないから通訳に大変苦労します。
カービィ視点のストーリー展開ならうまく出来るんでしょうけど・・・。


なんだかんだ言っても26話はソドとブレがメインだったので、ちょっと最後の最後に出張らせました。
でも、メタが出てくると途端にしおらしくなるミラクル☆
そんな慎ましくてメタ大好きな二人が好きです。

『I pass everything can save you』





「何ですって!?今、メタナイト卿は一人であいつに!?」
ブレイドの誘導で最上階のテラスへ避難したフームは知らせを受けて愕然とした。
側にはソードが避難させたパーム大臣夫妻にロロロとラララとブンが付いていて、そして未だに呪いが解けないカービィが横たわっている。
フームの追求にブレイドは目を覚まさないカービィに視線を向けた。
「全てはカービィ殿のため。我らにとって卿が一番大切なお方であるように、卿にとってカービィ殿が一番大切な方なのです。お止めしても無駄でした。今は卿がチリドッグを倒して、カービィ殿をお救いすることに望みをかけるほかありません」
「カービィ・・・。メタナイト卿・・・」
フームは燃え上がっている城の方、現在メタナイトが戦っているはずの方向を見る。
その更に向こうの時計台は今、十一時を回った時間を指していた。
だが、チリドッグの牙はカービィの手から消えない。
フームは牙の刺さったカービィの手を祈るように握りしめた。





「うわっ!!」
厨房から爆煙が上がったと同時に、爆風を正面から喰らったメタナイトの体が宙を飛んで厨房から廊下へとはじき出された。
煙の向こうからメタナイトに狙いを定めた火炎弾が雨のように降り注いで、メタナイトの姿は煙と巻き上がった瓦礫に遮られて見えなくなった。
絶え間なく降り注いでいた火炎弾が止まり、燃えさかる炎の中からチリドッグが姿を現した。
チリドッグはしばらく獲物を探していたが、額の宝石が光るのと同時に反対側の通路に視線を向ける。
そこには倒すべき仇敵の無様な姿があった。
チリドッグの口元が自然と愉悦で緩む。魔獣は何よりも破壊と殺戮を好み、絶望と恐怖を喜びとする生き物なのだ。
(くそっ・・・、このままでは・・・)
満身創痍の体を奮い立たせるように、メタナイトはギャラクシアを杖代わりにして自身を再び立たせる。
時間はもうあまり残されてはいない。
だが、強化したチリドッグは攻撃力・俊敏性どれをとっても今までメタナイトが戦ってきた中でも桁違いの強さだった。
弱った敵をじりじりと追い詰めるつもりなのだろうか、チリドッグはメタナイトに止めを刺そうとする素振りは今のところ見えない。迂闊に攻撃を仕掛ければ、返り討ちにする魂胆は目に見えている。
『ッ!!』
「ぐあっ!!」
チリドッグの吐いた火炎弾がメタナイトの足に直撃した。
高熱の炎はメタナイトの傷を更に押し広げるように焼いていく。傷口を焼かれる痛みは言語に絶するものだった。
身動きが取れなくなった隙にチリドッグはメタナイトに飛びかかって、逃げられないように左手を壁に縫いつけるように爪で刺し貫いた。
「がっ!!うぐっ!!」


『苦しいか、メタナイト・・・』


メタナイトの脳裏にそう呼びかける声が聞こえた。
まさか、一瞬そう思ったが間違いはない。
迷わず目の前の敵、チリドッグを見返した。
するとチリドッグはメタナイトの考えていたことを読み取ったのか、眼を細めた。
『あの時はよくも俺の足に傷を付けてくれたな。だが、今度は逆だ。そして、俺は貴様を生かしはしない』
「貴様、それ程までの知性を・・・」
『そうさ、身につけた。クククッ、星の戦士も落ちぶれたものよ。かつての戦士は昔ほど強くはない、それにお前が期待した可愛い次世代の戦士も俺の手にかかった』
「!!」
チリドッグの言葉にメタナイトの目の色が変わった。
その変化を見逃さなかったチリドッグは更に嬉しげに喉を鳴らす。
そして宙を煽いだ。
『あの子供が死ぬのはもう間もなくだ。そしてお前は大切な者が亡くなったその時、絶望の絶頂で地獄に落としてやろう。なに、恐れることはない。絶望しか感じられなくなったお前は死ぬのも一瞬にしか感じられない』
「・・・カービィは、死なん」
『なに?』
メタナイトの言葉に語弊を感じたチリドッグは牙を鳴らす。
『戯けたことを抜かすな。残り数分そこそこで貴様に何が出来る?水など、この城のバカな城主に期待するだけ無駄だぞ』
チリドッグの言葉に余裕と若干の焦りがこもる。
絶望的な状況にも関わらず、メタナイトはまっすぐにチリドッグをにらみ返す。
そして、不意に口元を緩めて言った。


「貴様が今ここで死ねば全て片は付く」


この言葉にチリドッグの全身の毛が凄まじい怒りを表すように総毛立った。
そしてその獰猛な顎をメタナイトに向けて挑みかかる。
『ほざけっ!!その小癪な喉笛、食い千切って利けなくしてやる!!』
チリドッグの牙がメタナイトの喉元近くで光った。









カシャン!

メタナイトの懐にしまってあった懐中時計が地面に落ちる音がその場に響いた。
その時の衝撃で懐中時計の上蓋が開いて文字盤が露わになる。








カチッ・・・



秒針が12の文字を指したとき、時針と分針も同じ数字を指した。

 

ゴーン、ゴーン、ゴーン

「っ!!」
十二時を告げる時計台の音にフームは反射的に時計を見た。
秒針は新しい日の時間を既に回っている。
呪いのリミットは過ぎてしまった。
フームの胸中に様々な憶測と不安が広がる。
チリドッグは倒せたのだろうか。カービィは、メタナイト卿は無事なのだろうか・・・。
騒ぎの元となっている厨房をテラスの先から覗うが何もわからない。
ようやく城内の大惨事に気がついたのか、デデデの指示でワドルディ達が外から必至に消火活動しているのが見えただけだった。


「!!姉ちゃん、カービィの牙が!!」


ブンの言葉に我に返ったフームはカービィの元に駆け寄った。
カービィの手に刺さった呪いの牙は、無くなっていた。
「呪いが・・・、消えた・・・」
「カービィは助かったんだ!!」
ブンの言葉にみんなから歓声の声が上がった。
カービィはまだ目を覚ましていない、だが聞こえてくるのは聞き慣れた健やかで幸せそうな寝息。
フームの目には自然と嬉し涙が浮かんでいた。

 




火の発生地点である厨房と廊下にも消火用のスプリンクラーが雨のように降り注いでいた。
チリドッグの亡骸は水に溶けるように消えていく、その場に残ったのは二つに割れた緑の宝石だけだった。
メタナイトはスプリンクラーの雨にうたれながらその場に崩れ落ちるようにもたれかかる。遠く、向こうから水浸しの廊下を走ってくる足音を聞いた。
「卿、ご無事ですか!?」
「ソード、こちらだ。・・・ああ、なんとひどいお怪我を」
仮面越しに心配そうな二人分の視線を感じてメタナイトは重い瞼を開く。
そこには雨越しに見慣れた姿があった。
「・・・ソード、ブレイド。カービィは・・・」
「ご無事です。チリドッグの牙は無くなりました」
「今は医務室でお休みです」
二人の朗報にメタナイトから安堵の息が溢れた。
その言葉が何よりも嬉しくて、張り詰めた糸が切れるように全身の力が抜けるのを感じた。
「そう、か。・・・良かった」
「メタナイト卿、しっかりなさってください!!」
「今、医務室までお連れします!!しばしのご辛抱を!!」
安堵で力が抜けたのを傷が悪化したと思いこんだソードとブレイドは慌ててメタナイトを支えると医務室へと急ぐ。
肩を貸したソードが歩き出したとき、何かが足下に触れた。
床に転がっていたそれ、割れた宝石をブレイドが拾い上げた。
「これは・・・」
「ブレイド、その石はまさか・・・」
ソードもブレイドもその宝石に見覚えがあった。
「・・・チリドッグの力の源、炎のエネルギーを生み出す石。言わば、奴の水以外の弱点だ」
「卿、ご存じだったのですか!?」
「では、奴が死んだのはこれを破壊されたから」
二人の問いにメタナイトは薄く頷いた。
チリドッグが行動を起こす際、それに応じるように光を放っていた額の宝石。
常々怪しいと思っていたが、チリドッグがメタナイトに話しかけてきたときに宝石がいつもと違う色で煌々と輝いていたことで疑惑は確信へと変わった。
時間の余裕もなかった以上、他に方法は無かった。
チリドッグに自身を襲わせて、その際に弱点一点集中して全力で止めを刺す。
まさかチリドッグも、追い詰められ殺される絶望の只中にそんな行動を起こされるとは思っても見なかったのだろう。
正に肉を切らせて骨を断つ、捨て身の一か八かの勝負だった。

(奇跡的に卿は奴に勝てた。しかし、何という覚悟・・・)
(下手をしたら卿は亡くなっていたのかも知れない。そんな危険も顧みず卿は行動されたというのか)
メタナイトの胸中を悟ったソードとブレイドは初めて彼に出会ったときのことを思い出した。


『私は命を粗末にしたくはない。正義を受け継ぐ者を捜している』


死んでもおかしくないほどの大怪我を負ったメタナイトの言葉とは思えなかった。
自身をなげうってでも守ろうとするその行動は全て彼の信念なのか、その答えはソードとブレイドには今は導き出せなかった。
今はスプリンクラーの雨の中、急いで医務室へと足を走らせる。




廊下に取り残されていた懐中時計は変わらず時を刻んでいた。





 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
★ カレンダー
08 2019/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
★ プロフィール
HN:
月葉改めレグルス
性別:
非公開
自己紹介:
任天堂ゲームへの愛を小説に込める物書きです。
スマブラフレンドコード
3266-0863-8924

談話室

イラスト談話室

\ないしょの話はこっちでしゅ/
m-sheimin2.gif


★ 贔屓キャラ
link1.gifmeta1.giffox1.giflucario1.gif
★ web拍手
押していただけますと大変喜びます。 感想などもこちらからお願いします。
★ カウンター
キリバン只今休止中。 復活までしばらくお待ちください
★ 最新コメント
[04/17 レグルス]
[04/13 ソルトし]
[04/11 レグルス]
[04/11 Refast]
[11/09 レグルス]
★ バーコード
★ 応援してます
banner_js.gif


ba.gif


dia.gifpal.gif

Copyright (c)星のかけら All Rights Reserved.
Photo material by 空色地図  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]