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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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初雪草様に献上しましたメタカビです。

>メタカビでメタ暴走なかんじで


との事でしたので・・・、
「メタ暴走するって言ったらカービィがらみでしょー」(-w-)=3
「んで、いなくなったり危ない目にあったら冷静さなんか吹っ飛ぶぞー」(ノ>∀<く)
とまあ、非常にわかりやすい結論に達しまして。(THE.単純人間)


ちょっとした息抜きにSDX(古っ!)プレイしているとタックに盗まれるヘルパー君の表示が『たすけてーっ!!』
もちろんmyカビ必死に追っかけてヘルパー君を取り返します。

「これ、メタ(カービィポジ)カビ(ヘルパーポジ)で使えるぞ!!」(☆∀☆ピッカーン)
そんなわけでタック登場&カビ誘拐ネタで描きました。

ナイトメア水先案内役としてナックルジョーも出しましたが・・・。
新しいカプに目覚めそうです。(またぁー?)

【拍手返信】

初雪草様早速当サイトにてイラスト掲載させていただきました。本当に可愛くて見る度に癒されてます。月葉はまともなイラスト描けないので、小説も書けてイラストも描ける方は本当に尊敬です。こちらの小説も早速飾っていただけて嬉しいです。そんなに気に入っていただけますと物書き冥利に尽きます!!ジョーとシリカっていいですよね!?今回書いてて楽しかったです。これからもよろしくお願いします。サイト運営頑張っていきましょう!

 

 


『I discover you wherever the comparison you are. 』
(例えあなたがどこにいようと、私はあなたを見つけ出す)

誰もいない玉間、椅子に設置されたスイッチがひとりでに動き、転送装置が作動してホーリーナイトメアから一匹の魔獣が転送された。
その様子に気がついたのはその場を撮影していたモニターカメラだけ。



「ジョー、これを見ろ」
魔獣ハンターとしてププビレッジから離れていたナックルジョーは映し出されたモニター、デデデ城の様子を撮影していたカメラの映像を見て目を疑った。
そこに映っていたのは一匹の魔獣、黒子のようなマスクをして唐草文様の風呂敷を持ったその魔獣は見覚えがあった。
「こいつは、泥棒魔獣タック!!何でこいつが・・・、まさか!!」






「メタナイト!!」
「! ナックルジョー」
珍しい人物の来訪にメタナイトは意外そうに目を見開く。
今の彼は魔獣ハンターとしていろんな星を回っているはず、ポップスターの魔獣はカービィとメタナイトに任せているため滅多に来ることはなかった。
「珍しいな、どうした?」
「カービィは!?一緒じゃないのか!?」
「彼なら自分の家だが・・・、一体何があった?」
「家・・・、くそっ、案内してくれ!訳は途中で話す!!」
ただならない様子にメタナイトは事の大きさを察知した。
頷くとすぐさま城壁から飛び降りて全速力でカービィの家へと急ぐ。
ナックルジョーはそれに付随するように走り出した。

「何が起こっている!?カービィに危険が迫っているのか!?」
「・・・さっき、デデデのオッサンの部屋から一匹の魔獣がホーリーナイトメアから転送された」
「何!?」
ナックルジョーの言葉にメタナイトは耳を疑った。
魔獣の気配がしたなら城内にいたメタナイトが気がつかないはずがない。
その考えを察したのか、ナックルジョーは頭を振った。
「あんたが気がつかなくても不思議じゃないほどの特殊な奴だ。俺だって前に潜入してなかったら気がつかないままだったよ。その魔獣は泥棒魔獣・タック」
「タック?」
「聞いたこともないだろ?そのはずさ、そいつは隠密活動専門の魔獣だ。誰にも気取られないように姿を消して、そして目的のものを盗む。ホーリーナイトメアはそうやって自分にとって必要なものや脅威となるものを奪ってきた。奴がここで一番盗みたいほどの脅威って言ったら・・・」
「カービィか!!」
メタナイトの答えにナックルジョーは無言で頷いた。
ようやく事態の全貌がわかったメタナイトの足が自然と速くなる。
ナックルジョーもそれに合わせて速度を上げる。
カービィの家はもう、目の前に近づいていた。

「カービィ!!・・・っ!!」
「くそっ!やられた!!」

ナックルジョーが拳をドアに叩きつける。
家の中にカービィの姿はなかった。だが、数少ない家具や調度品が床に多少散らばっている、それはカービィが抵抗した証だった。
カービィが盗まれた後だとしたら、タックの向かう先は・・・。
「奴の行き先は陛下の転送装置・・・、戻られては厄介だ。急ぐぞ!!」






その頃、タックはデデデ城の上部、デデデの部屋へと向かっていた。
来るときはしぼんでいた風呂敷は、今はまん丸に膨らんでいる。
捕まえるときは慌てたカービィに吸い込みを使われそうになって家具を幾つか倒してしまったが、風呂敷に染みこませた睡眠薬が効いたのだろう、押さえ込むとカービィはいとも簡単に動かなくなった。
行きしなはこの城のナイトに感づかれないように動いていたが、目標を達成した今は逃げるだけ、自然と足が速くなる。
この角を曲がればデデデの部屋はすぐだった。

「むっ!?何者だ!!」
「魔獣か!?抱えているものはなんだ!?」

(!!)
背後から呼び止められたタックは軽く舌打ちをした。
その場に現れたソードとブレイドにタックは無言で逃げ出した。
「「待てっ!!」」
逃げ出した不審者をソードとブレイドは追いかける。
だが、逃げ足が速くて二人でもなかなか追いつけなかった。
階段を上がりきると、曲者の姿はどこにも見えない。
「くそっ、逃げ足の速い」
「一体奴はどこへ・・・」
「ソード、ブレイド!!」
「お前等、怪しいこそ泥がこの辺でうろついてなかったか!?」
隠し通路から上がってきたメタナイトとナックルジョーは階段の前に立っている二人に声をかけた。
主人の言葉にソードとブレイドはその場に跪く。
「申し訳ありません。不審者を見かけたのですが・・・」
「見失いました。面目次第もございません」
「なにっ!奴はもうここまで、・・・しまった!!」

メタナイトは脱兎の速さで玉間へと向かう。
その目に映ったのは用意されていた転送装置、そして装置の上に立った泥棒タック。
タックは入ってきたメタナイトに気がついて振り返ったが、にやりと笑って風呂敷を少し緩める。風呂敷の中にいたのはメタナイトの大事な希望そのものの子。カービィだった。


『お前のお姫様はもらったよ』


そう言うかのようにタックは転送装置を作動させる。電流がその場に迸った。
「カービィ!!」
転送されてしまう前に、メタナイトが風呂敷からはみ出たカービィの手を掴もうと手を伸ばす。だが、カービィの手を掴もうとしたその瞬間、カービィの体はタックもろともデデデ城から消え、メタナイトの手は空しく宙を掻いた。
全ては一瞬の出来事だった。

「くそおっ!!」
カービィを掴めなかった手をメタナイトは思い切り転送装置に叩きつけた。
だが、カービィは返っては来ない。
少ししてナックルジョー、ソードとブレイドも玉間に駆けつけてきた。
「ちっ、遅かったか・・・」
「卿、お許しくださいませ!!あの時我らが奴を逃がさねばこのようなことには・・・」
「すぐさま、転送装置で我らもカービィ殿の元へ向かいましょう!!」
メタナイトの側で言いつのるソードとブレイドの言葉に、転送装置のメインコンピュータ、デデデの椅子のマシンを調べていたナックルジョーは頭を振った。
「いや、無理だ。この装置、受信は出来るけど配信はホーリーナイトメアが転送作動させないと出来ない。転送先は調べられそうだけど、こっちから向こうに行くのは無理だ」
「そんな!では、カービィ殿は・・・」
ソードの言葉にナックルジョーは言葉を詰める。
再び口を開いたときは身を切られるように辛そうだった。

「もうホーリーナイトメアの領域。・・・っ、助け出せない!」

「「なんとっ!!」」
絶望的な言葉にソードとブレイドが絶句した。
一人、それまで動かなかったメタナイトが立ち上がり踵を返した。
何も言わず黙って部屋の外へと歩み出す。
「メタナイト?」
「卿?」
「どちらへ行かれるのです?」
ブレイドの言葉にドアに手をかけたメタナイトの動きが止まる。
そして肩越しに軽く三人を振り返って、言葉少なに告げた。
「・・・カービィを助け出す」
たったそれだけの短い言葉だったが、その言葉の意味するところを悟ったナックルジョーは目の色を変えた。
「メタナイト・・・、まさかお前、奴らの本拠地に玉砕覚悟で乗り込む気か!!」
「なんですと!?おやめください、卿!!」
「カービィ殿も大事ですが、卿まで亡くなられては元も子もありません!!おやめください!!」
ナックルジョーの言葉にソードとブレイドはそうはさせないとばかりにメタナイトを総掛かりで押さえつける。
宇宙艇のある地下室へと向かわせてしまえば、メタナイトは即行ってしまうだろう。それだけは阻止しようと二人は必死で止めた。
「ソード、ブレイド離せ!!行かせろ!!」
「いけません!!それだけはお止めします!!」
「ナックルジョー殿のお父上の末路は卿もご存じのはず!!カービィ殿が無事の保証はありません!!どうかお諦めを!!」
「黙れっ!!私の身がどうなろうと、カービィは、あの子だけは・・・!!」

その様子を見ていたナックルジョーは何も言えなかった。
カービィを案じてなりふり構わず激昂しているメタナイトは普段見慣れている冷静で聡明なメタナイトとは似ても似つかない。
だが、その姿が何故か聞かされた父親の最後、『ナックルジョーに会いたい』という望みのためだけに魔獣に身を堕とした父と重なって見えた。
ナックルジョーは普段しまってある父親の形見のロケットを取りだして握りしめた。

「カービィ殿をお助けすると言っても、どこにいるのかもわかりません」
「手がかりがない以上、むやみに動くのは危険です」
「・・・全くないって訳じゃないぜ」
突然その場に割って入ってきたナックルジョーの言葉にメタナイトは弾かれたように振り返った。
「本当なのか!!」
「転送装置に転送先のデータは残ってる。俺の仲間にその辺詳しい奴がいるから、そいつに解析してもらえば、カービィの行方がわかるかも知れない」
「頼む!!すぐにそれを調べてくれ!!頼む!!」
今にも跪かんばかりに詰め寄ってきたメタナイトにナックルジョーはすっと目をすがめる。
不意にふっと口元を緩めると付け加えた。
「ただし、こっちもただって訳にはいかないぜ。俺の相棒もかなり曲者だから、ただであんたに協力するはずはないさ。そうだな、報酬としてそのギャラクシアくれるってんならやってやるよ」
「!!」
ナックルジョーの言葉にメタナイトの動きが止まる。
ギャラクシアは銀河最強の剣、ホーリーナイトメア最大の脅威でもある剣はメタナイトの手に委ねられているからこそこのププビレッジは平和でいられる。
ナックルジョーの言葉はそれを手放せと言っているのと同義語だった。
この言葉にはさすがのソードとブレイドも黙ってはいられなかった。
「何をバカなことを!!」
「それは卿が扱うべきもの、ナックルジョー殿でもお渡しできません!!」
「お前等は黙ってろ。俺はメタナイトに聞いてるんだ」
「卿!!なりません!!ギャラクシアは持つ者を選びます!!卿以外の者に扱いきれません」
「どうか、それだけはお断りください!!それを手放して喜ぶのはナイトメアのみです!!」
ソードとブレイドは口々に言いつのる。
その言葉を打ち破ったのは何か重いものを地面に投げた音だった。
ギャラクシアは、鞘ごとナックルジョーの足下に投げ置かれていた。
ナックルジョーは足下のギャラクシアと目の前のメタナイトを交互に見た。
「受け取るがいい。その代わり、一刻も早く私をカービィの元へ・・・」
(嘘だろ・・・)
ナックルジョーはギャラクシアがどれほどメタナイトにとって大事なものか聞いている。
それを、この星の全ての民の平和を担っている剣をたった一人の戦士の為に投げ捨てると言うのか・・・。
「本気、なのか・・・、カービィのためだけに、これを手放すって言うのか?」
「あの子には代えられない。あの子のためなら命さえも惜しくはない」

『ジョーに、一目でもいいから会いたい。どんな代償を払っても』

メタナイトの姿にナックルジョーは父親の面影を見た。
それは愛するもののために生きる、そんな思慮の外から外れた暴走とも取られかねない切実した願い。
(親父も、こんな思いでナイトメアの誘いに乗ったのか・・・)
初めて知ったときは嫌悪感しか感じなかったが、今は自然と受け入れられた。そう思うとどこかしら切ないが、あたたかい思いがナックルジョーの心を埋め尽くしていく。
ナックルジョーはギャラクシアを拾い上げるとメタナイトに差し出した。
「・・・わかった。それだけの覚悟なら、こいつは要らない。こいつはカービィを助けるためだけに使え」







ナックルジョーの連絡を受けて、相棒の宇宙艇がデデデ城に来たのはすぐだった。
不思議なことに、その宇宙艇は星の戦士の宇宙艇によく似ている。
屋上に止められた宇宙艇から降りてきたのは・・・。
「シリカ!!それでは、そなたが・・・」
「こんな形でまた会うことになるとはね、メタナイト」
宇宙艇から降りてきた少女、シリカはふっと複雑そうな笑顔を見せた。
星の戦士ガールードを母とする女戦士シリカは以前、母の敵であるメタナイトを追ってこの星にやってきた。最終的に誤解は解けて、彼女もナックルジョーと同じく星の戦士として魔獣と戦う道を選んだ。
そのシリカがナックルジョーの相棒だったとは・・・。
「シリカとは同じ星で魔獣とやり合ってたときに会ったんだ。でも、ほんとにいろんな奴の恨み買ってるんだな、メタナイト」
「・・・好きこのんで買ったわけではないがな」
「言うなよ、俺たちもガキだったんだ。シリカ、早速頼む」
ナックルジョーから受け取ったデータをコンピュータに入力するとシリカは解析をはじめた。
解析を始めてから数分、目的地と詳細を調べ上げた情報がモニターに映し出された。
その情報を見たシリカから血の気が失せる。
「・・・ジョー、大変。カービィ、とんでもないところに送られてる。よりによって、惑星アルギエバだなんて」
「なにっ!?惑星アルギエバだとっ!!」
「っ!!」

アルギエバ。
その名前はメタナイトも聞いたことがあった。
ナイトメアが屈強な魔獣を作り出すためだけに用意した不毛の星、そこには何万という魔獣が集められ、殺し合いをする。そして生き残れた屈強の魔獣を回収して今度はそれを利用する、悪魔のような循環を繰り返している星だ。
そこにカービィが送られた。そのことが意味することは・・・。
「ナイトメアの奴、カービィの魔獣の餌にするつもりか!!」
悪魔のような血も涙もない冷徹な諸行にナックルジョーは思わず拳を叩きつけた。
アルギエバは言わば魔獣の駐屯地、迂闊に踏み込めば命の保証はない。
一体どうすればいい・・・、思い悩んでうなだれたナックルジョーの耳に小型宇宙艇の発進音が聞こえた。
(まさか・・・)
「メタナイト、よせっ!!ジョー、止めろ!!」
シリカの怒号が飛んだ。その瞬間。

ゴッ!!

一人乗りの小型宇宙艇は流れ星を思わせる速さで遙か上空へと舞い上がっていく。
ナックルジョーとシリカは為す術なく、宇宙艇が飛んでいくのを見送るしかできなかった。
「メタナイト、あいつなんて事を・・・」
「もうあいつを止めることなんかできやしない。俺たちに出来ることはあいつ等をサポートすることだけだ」
悟り尽くした様なナックルジョーの言葉にシリカはしっかりと頷くと、母船の宇宙艇へと戻る。
ナックルジョーもシリカの後に続いたが、最後にもう一度だけ、メタナイトが飛んでいった後の空を見上げた。
(絶対にカービィを連れ戻して返って来いよ。メタナイト)










「・・・ん、ぽよぉ」
どのくらい眠っていたのだろうか、吹き付ける風の生々しい感触にカービィは重い瞼を開く。
あの変わった出で立ちの魔獣に風呂敷を被せられてからの記憶がすっぽりと抜けている。
睡眠薬の副作用のせいか頭がひどく痛かった。
「ぽゆ・・・?」
辺りの光景にカービィは目を凝らした。
ポップスターとは似ても似つかない銅色の空に瓦礫だらけの不毛の土地。
見知らぬ惑星に一人、連れてこられてしまったのだとカービィは知った。
「ぽゆう、ぽよぉぉ・・・」
(ここ、どこ・・・?くらいよ、こわいよ。さびしいよ・・・)
知っている人は誰もいない、生臭い匂いが風に乗ってくる。
生まれて初めて感じる孤独感と心細さにカービィの体が震えた。

ガラガラ・・・

「ぷ?」
側の瓦礫から何かが崩れ落ちてきた。
上を見上げたカービィが見たのは、ポップスターでも見たことがないような獰猛そうな魔獣。それも一匹だけではない、群れを成しているかのように何体もいる。
その魔獣の目はカービィを捉えていた。
そして、醜悪な口元から牙を覗かせると舌なめずりした。
「ぷぷっ!!」(ぼくをたべるきだ!)
身の危険を感じたカービィは慌ててもと来た道を引き返す。
だが、せっかくのごちそうを前に逃がす魔獣ではなかった。
重量級の大きさに似合わない速さで瓦礫から飛び降りると、カービィに襲いかかる。
魔獣の腕に跳ね飛ばされたカービィは瓦礫の山に叩きつけられた。
身動きが取れないカービィを追い詰めるように、魔獣の群れは取り囲むように迫ってくる。

(どうしよう、もううごけないよ・・・。だれか・・・)

魔獣の爪が振り下ろされる瞬間、カービィは恐ろしさにぎゅっと目をつむる。
その時、カービィの脳裏にメタナイトの姿が浮かんだ。
(たすけて・・・、めたないと・・・)
カービィが願ったその時だった。


『ギャアアアアア!!』

魔獣の悲鳴にカービィは目を開いた。
目の前の魔獣は昔カービィが乗っていたものにそっくりな小型の宇宙艇の突撃を喰らっていた。宇宙艇の体当たりを受けた魔獣はその強烈な一撃を受けて倒れ込み、もう動かない。
宇宙艇の蓋が開いて、操縦していた人物が降りてきた。
それは、カービィが待っていた人・・・。

「カービィ、無事か!!」
「ぽよ・・・。めた!!」
メタナイトの姿にカービィは迷わず飛び込んでいた。
するといつものようにぎゅっと痛いくらいに強く抱きしめてくれる。
それが『もう絶対に離さない』と言ってくれてるようで嬉しかった。


『グアアアアアアア!!』


「っ!!」


仲間の魔獣を倒された群れが怒りの咆吼を上げてメタナイトとカービィに迫ってくる。
メタナイトはギャラクシアを引き抜くと、襲いかかってくる魔獣相手に斬りかかった。
だが、魔獣は倒しても倒してもきりがないほど沸いて出てくる。
カービィも吸い込みで対処しようとしたが、吸い込めないタイプのものばかりでコピーできる能力もなかった。
戦う、そして時々下がる。メタナイトと魔獣はそれを延々繰り返していた。


ふと、メタナイトの手を握っていたカービィは手になまあたたかいものを感じて手を見る。
カービィの手は流れたメタナイトの血で濡れていた。
「ぽよっ、ぽようっ!!ぽよっ!!」(ちがでてる!めた、だめだよう、ぼくはいいからにげて!!)
カービィはメタナイトだけでも逃がそうと手をふりほどこうと試みる。
だが、血で濡れて振り放しやすいはずなのに、戦いに意識を集中させているはずなのに、メタナイトは頑として手を離そうとしなかった。
「ぽゆうー、ぽようー!!」(おねがいだから、はなしてにげてー!!)
「・・・離さない」
自然とカービィの手を握るメタナイトの手の力が強くなった。
メタナイトの脳裏に先程、カービィを取りこぼして掴めなかった時の光景が浮かぶ。
あの時の悔しさ、悲しさは一度きりでいい。そして、今あるこの手のぬくもりだけは絶対に二度と手放したくなかった。
「もう、絶対にそなただけは失いたくない。だから、二度と離さない」
「ぽゆぅ・・・」(めたないと・・・)
メタナイトの覚悟にカービィもしっかりと頷いて手を握りかえした。


しかし、状況は絶望的なまま変わらない。
魔獣は時間を負うに連れ無尽蔵に増えていく。
どうにかならないか、空を見上げたカービィの目に飛び込んできたのは一筋の流れ星。
流れ星は加速度を上げてカービィ達の近くに落ちてくる。
それは、ワープスターだった。
「ぽよっ!!ぽよいー!!」
「ワープスター・・・。何故、ここに・・・。!!」
ワープスターは星の戦士の乗り物。
もちろんカービィもメタナイトも使うことが出来る。
そして、これを届けられるのも同じく星の戦士。
メタナイトの脳裏に二人の若い次世代の戦士が浮かんだ。
「ぽーよっ!!」
カービィがメタナイトを急かした。
魔獣が押し寄せてくる前に二人同時にワープスターに触れる。
ワープスターは一瞬でアルギエバを抜け、ポップスターへと飛んだ。










デデデ城屋上に停泊させた宇宙艇で、それまでの光景を映像で見ていたナックルジョーとシリカは同時に深くため息を付いた。
「あっぶなかったー。間一髪だったぜ」
「まったく、無茶にも程がある・・・」
「でも、結果オーライだぜ。ワープスターの転送がうまくいった、ありがとなシリカ」
「・・・別に。ワープスター転送しようって考えたのはジョーだから、私は大したことしてない」
手放しに褒められて照れくさかったのかシリカはさっとそっぽを向いてしまう。
女の子らしい一面を覗かせたシリカにナックルジョーは軽く笑う。
モニターをもう一度確認して見ると、ポップスターの近くに流れ星が飛んできていた。

「あっ、帰ってきた!!」

外に出て様子を伺っていたシリカの弾んだ声がナックルジョーの耳に届いた。
宇宙艇から降りて空を見上げる。
黄昏に染まった空から、ワープスターがデデデ城へと流れてきた。
 

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