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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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ざらめ様の絵チャに参加させていただいてました。
もっぱら、ペンタブ持ってないのでコメント中心でしたが・・・。

でも、ナビィくらいは書いたよ!!(ちっちゃ・・・)


絵チャ部屋に入りにくかったのでWiFiネーム「レグルス」で参加したのですが、すっかりこっちの呼び方の方が気に入られたようで・・・、本日より「月葉」から「レグルス」に改名します。

本日は久々にスマブラ、三剣士+リンクです。
今後ともよろしくお願いします。


『Melancholy of Sir Meta knight』
(メタナイト卿の憂鬱)
 

ある日の昼下がり、チーム戦でアイクもメタナイトも出払っている選手部屋でマルスは一人剣の手入れをしていた。
二人には内緒で手に入れていたミスリル製の砥石で剣を丹念に研ぐ。マルスを始めとして剣を扱うものにとってミスリルの砥石は切れ味を極限まで高めてくれる必須アイテムなのだ。
数も少なく見つかる可能性も低いため、奪い合いになることさえある。
同じく剣使いの二人に見つかれば取り合いになる所だが、チーム戦は時間がかかる。二人が戻ってくる頃には手入れはすっかり終わっているはずだ。
(まあ、二人には悪いけど・・・)
内心多少後ろめたさもあったが、マルスは切っ先の部分を手入れにかけ始めた。
「ただいま」

「おかえりー、アイク。・・・・・、えええっ!!アイク!?」

ろくに相手も確認しないで返事をしていたマルスはいるはずのない相手に驚いて顔を上げた。
だが、そこにいたのは紛れもなくアイクだった。
「な、なんでいるの!?試合は!?」
「終わった。俺たちの勝ち」
「終わったって・・・」
マルスは時計を確認した。
二人が出て行ったのは十五分前、闘技場のセットは最低十分は掛かるはずだからたった5分で終わった計算になる。しかも対戦相手はあの通称「悪者チーム」と呼ばれているグループから二人、ガノンドロフとクッパだった。軽量級ならまだしも超重量級の二人を5分でとても片付けられるものではない。
だから、長引くことを予想してマルスも剣の手入れをすることにしたのだが・・・。
「・・・早すぎじゃない。あり得ない速さだよ」
「メタナイトが全部一人で片した」
「一人って・・・」
マルスは開いた口が塞がらない。
マルスを始めとする剣使い通称「三剣士チーム」はアイクを除いて軽量な方だ。特にメタナイトは身長と飛行能力の関係もあって三人の中で一番軽い。とても重量級二人を5分で仕留められるなど考えられない。
ますます信じられない話だった。
「・・・それで、メタナイトは?」
「訓練室」
「訓練室って・・・、まだ練習してるの!?」
「ああ」
至って普通に答えたアイクにマルスは頭が痛くなる思いだった。
アイクは剣の腕もあるし、熱血漢で人望も厚く良い奴なのだがいかんせん人の心の変化や感情を読み取ることにかけては鈍い。
とにかく、メタナイトがいつもと違うことだけは確か。
それを判断したマルスは問答無用でアイクの手を取ると訓練室に向かった。
「あー、もう。メタナイトの様子がおかしいって事くらい気がついてよ。アイクの鈍感!!」
「何?メタナイト、おかしいのか?」
「いつもこんなんじゃないでしょ!!」
「・・・そう言えば、そうか。よし!急ごう!!」

ようやく事の重要性が飲み込めたアイクに内心ため息を付きながらマルスは訓練室の様子を伺う。
部屋の外からでもわかるほどの剣戟の音、あまりの物々しさにそっと中をうかがってみたがあまりの手当たり次第に攻撃する様を見て思わず二の足を踏んだ。
「アイク、メタナイトさっきからずっとあの調子だったの?」
「ああ。手当たり次第って感じだな」
「・・・これはひどいよ。相当虫の居所悪そうだ」
出来ればやめさせて訳を聞きたいところだが、今の状態から見れば八つ当たりされる可能性が非常に高い。
進むべきかやめるべきかマルスが逡巡していると、なんとアイクが迷う様子もなく訓練室へと入っていった。
「ちょっ、アイク!!」
止めようとしたマルスだが、メタナイトがアイクに気がついた以上もう遅い。
メタナイトは入ってきたアイクを胡乱げに見返す。
「・・・何のようだ」
(うわ、やっぱり機嫌悪い・・・)
部屋の外から様子を伺っていたマルスは想像通りの展開に嫌な汗をかいた。
声がいつもよりも低くて不機嫌そうだ。
せめてアイクが軽はずみな発言をしてメタナイトの機嫌を今以上に損ねないと良いのだが・・・。
「メタナイト、お前機嫌悪いのか?」
(アイクのバカ!!ストレートすぎるよ!!)
これでメタナイトの機嫌は悪化した。そう思ったマルスは手で顔を覆った。
「・・・私の機嫌がどうだろうと、お前には関係ないだろう。訓練の邪魔だ、帰れ」
「関係ある。俺たちはチームメイトで仲間だ」
「・・・・・」
アイクの言葉に踵を返しかけていたメタナイトの動きが止まった。
「相手を思いやって助け合うのが仲間だ。辛いことも楽しいことも分かち合うのが当たり前だ。仲間が困ってたら助けるのが本当のチームだろ。気付いてやれなかった俺も悪かった。それは許して欲しい」
アイクは素直に頭を下げた。
(ああ・・・、もう駄目だ)
すっかり絶望して悲観的になったマルスは隠れたまま手で顔を覆う。
だが、諦めきったマルスの耳朶に思いもかけない言葉が返ってきた。
「・・・すまない。アイク達に随分気を遣わせてしまったようだ」
「じゃあ、許してくれるのか?」
(うそ・・・、あんな棒読みな言葉で機嫌直すなんて・・・)
何がメタナイトの琴線に触れたのか知らないが、とにかく話を聞くことだけは出来そうだ。
ただ、問題はアイクがちゃんとメタナイトの言わんとすること、言いたいことをちゃんと聞き出してくれるかだが・・・。
そう思いながらマルスが訓練室の様子を伺っていると・・・。
「マルスにも心配かけたようだ。いつまでも隠れず、こちらに来たらいい」
「う゛っ・・・、バレてたんだ・・・」
「アイクが来たときからそこにいたのはわかっていた。巻き込んで済まない」
「・・・別に構わないけど、でも、どうしたの?メタナイト卿らしくない、随分荒れているようだけど嫌なことでもあったのかい?」
とりあえず、マルスは出てきてその場に腰掛ける。
アイクもそれに習って腰を下ろして聞く体制を取った。
ため息一つ付くと、メタナイトはついさっきの事を話し始めた。




大乱闘に招集されるまでの間、暇を持て余していたメタナイトはカービィの所を尋ねることにした。食堂や城の庭も見て回ったが、カービィの姿はない。大乱闘もまだ、ピット・ピカチュウ・ディディー・ポケモントレーナーのバトルが終わっていないから、残る場所はカービィ達のチームが生活している部屋くらいだ。
ちなみにメタナイトを見る度『ロリコン卿』とカービィ防衛線を貼るリンクといつも喧嘩になるため、滅多にメタナイトが部屋まで出向くことはない。
だが、この日だけは無性にカービィに会いたかった。
部屋まで赴くと入り口の扉が半開きになっている。中からは賑やかな騒ぐ声が聞こえてきた。
ノックする前に半開きになった部屋の様子を覗くと・・・。
『ッ!!』
なんと、カービィがリンクにキスをしていた。
それも頬や額などといったお子様キスではなく、唇同士の、言わば愛情表現のキスだった。
思わず一言言おうと身を乗り出しかけたメタナイトだが、実にちょうどいいタイミングで大乱闘の時間になり、問答無用でステージに召還されてしまった。
聞きたくても問いただせず、またカービィを奪われた怒りの矛先は哀れ対戦相手であるガノンドロフとクッパに向けられてしまったのだ。




「・・・・・」
「・・・またカービィをストーキングしてたの?メタナイト卿」
「感想第一番がそれか・・・」
いささか二人の反応にむっとしたようなメタナイトだが、マルスは黙って頭を抱えた。
知識もあるし、そのほかのファイターと比べると遙かに常識とマナーも兼ね備えているのに、カービィに対する執着は本当に並々ならないものがある。
表に出しては言えないが、リンクの口の悪さを多少引いてもマルスはリンクの意見に賛同したい気分だった。
(でも、妙だな・・・)
話を聞く分ではカービィの方からリンクにキスしていたようだ。
でも、カービィはまだまだ性別の自我すらないような赤ん坊に近い子供。色気よりも食い気の方が優先する年回りだからそんなことをするようには思えない。
すると他に考えられる可能性としてはリンクやマリオが吹き込んだ位しか思い当たらない。
しかし二人はそれぞれ公認の恋人持ち、特にリンクはマルスに引けを取らないほど女性ファンが多いのにゼルダ姫一人しか見えていない。ゼルダ姫にさえ、まだキスすらしていないのに、まさかカービィにさせるはずもない。
マリオも当然それを知っている。お互い恋人を持つ身、そんな悪魔のようなイタズラは仕組まないだろう。
では、どうして・・・?
マルスが必死に頭を巡らせていると、横に座っていたアイクが立ち上がってメタナイトとマルスをトレーニング室から連れ出す。
「アイク?」
「一体どうしたのさ?」
「ごちゃごちゃ考えててもらちがあかない。リンクに直接聞くぞ!」
「「ええっ!?」」
何とも豪快にあっけらかんと言ってのけたアイクにマルスも、当事者であるメタナイトもさすがに焦る。
しかし、アイクはそんな二人の困惑顔などお構いなしで二人を引っ張ってマリオ達の部屋に向かった。



「リンク!!」
組み手でもしようと思っていたリンクは部屋を出たところで呼び止められて顔を上げた。
そこには約一名を除いて、珍しいメンツが並んでいる。
「珍しいな、スマブラ三剣士揃って何のようだ?」
「いや、用って程でもないんだけど。少し、君に聞きたいことが・・・」
穏便に話を持って行こうと努めたマルスを遮ってアイクが前に出る。
そしてリンクの前に立ちはだかるとじっと見下ろした。
若干挑発的な視線にリンクの視線も負けじと険しくなる。
「なんだよ?喧嘩でも売る気か?」
「・・・お前、カービィに手出したって本当か?」
「はあ?」
(ちょっ、アイク!!)
あまりにストレートに切り出したアイクにマルスもメタナイトも冷や汗が出る。
言い換えようとしても、アイクがあれほどずばりと切り出した後では言い直すのも難しかった。
リンクはアイクの言い分に首を傾げている。それがアイクの勘に障ったのか、アイクはなおも切り出した。
「カービィにキスさせたのってお前なのか!?」
「はあ?キス?何の話だ!?」
「しらばっくれるな!!メタナイトが見てたんだ、カービィがお前の唇にキスしてたって!!お前がやらせたことなのか!?」
「唇・・・?キス・・・?・・・・・・・・あっ!!」
最初はアイクが何を言っているのかわからなかったリンクだが、急に思いついたように顔を上げた。
そして、アイクはもちろん、メタナイトやマルスでさえも想像しなかった一言を言った。
「もしかして・・・、ケーキのことか?」

「「「・・・は?」」」

あまりに間の抜けた答えに三人同時に間抜けた声が出た。
呆然としている三人にリンクは「見てたのか、めんどくさい」と毒づきながらも続けた。
「ピットが大乱闘に行ってる間にピーチ姫が特製ケーキをマリオに届けてくれたんだよ。それで・・・」



ちょうどお茶の時間に近かったこともあって、みんなで食べようということになり、リンクはお茶の用意をしていたがそれがまずかった。
おこちゃまで大食間なカービィとヨッシーは目の前のケーキに我慢が利かなかった。
リンクが席を外して、マリオがちょっと目を離した隙に、切り分けられたホールケーキの大半はヨッシーとカービィの口の中に納められてしまった。
辛うじて死守した残りはたったの二切れ、しかも一つはマリオが半分手を付けた後だった。
『あーあ、せっかくのケーキを一瞬でこんなに食べて・・・』
『ううむ、しまったな・・・。おいしいケーキだったのにピット君の分が・・・。食べかけの私のをあげる訳にもいかないし』
マリオは残ったケーキにため息を付いて、途方に暮れたように自分のものを見る。
ようやくピットの事を思い出したようにはっとしたカービィとヨッシーだが、ケーキ盆には戻らず。どうしようもなかった。
リンクは黙ってメモに『ピットの分。食べるの禁止』と書くと残っていた最後の一切れの皿に付けて冷蔵庫にしまった。
『これで、よし。これはピットの分だからヨッシーもカービィも手、付けるなよ。』
『でも、リンク。君の分が・・・』
リンクの分をピットに回したからリンクの分はもうない。
結果的にはヨッシーとカービィがリンクの分まで食べてしまったことになる。
リンクは少し残念そうだったが、それでも笑ってみせた。
『いいんだ。それに元々はピーチ姫がマリオに持ってきてくれたもので俺たちはマリオの好意でお相伴させてもらっただけだし、それにピットは大乱闘で疲れて帰ってくるだろうから、甘いものがあると喜ぶだろう』
だからマリオはそれ食べてピーチ姫にお礼と感想を言っておけ、と締めくくった。
リンクの言葉にちょっぴり反省と、そしてリンクに対して申し訳なく思ったのだろう。
まだ全部完全に飲み込まないで口の中でケーキを味わっていたカービィは・・・。

『ぽゆぅっ』
『カービィ?・・・わっ!!』
口を付けられた瞬間、ケーキの甘い香りと味がリンクの口の中に広がった。






「・・・口移しか」
「「えっ?」」
「ご名答」
メタナイトの言葉に振り返ったマルスとアイクに対してリンクは澄まして答えた。
マルス達の世界では考えられないことだが、カービィの世界プププランドでは食べ物に関して友達同士でも口移しが公然と行われている。
カービィもリンクに対して特に深い意味はなく、ケーキを口移しして分け合いっこするつもりだったのだろう。
ただ、口移しのために口を付けたその一瞬、それだけしかメタナイトは見なかったために誤解をしたのだ。もう少し見ていたらさすがに口移しだと気がついただろう。
しかし、それでもメタナイトが許すかどうかはわからないが・・・。
「なんだ。じゃあ、リンクがカービィに手を出した訳じゃないのか。それはすまん」
アイクのさらっとした詫びにリンクは気にしていないと頭を振った。
血を見るような惨事にならなかったことにマルスはほっと胸をなで下ろしつつ、背後のメタナイトを振り返った。
「でも、良かったねメタナイト卿。心配していたような事じゃなくて」
「・・・・・ああ」
誤解していた負い目もあるせいか、メタナイトはなかなかリンクの方を向かない。
今度カービィにこの世界とプププランドとでは勝手が違うことをしっかり教え込まなければ、そう肝に銘じておいた。
特に口移しに関しては問題が多すぎる、下手をすると要らぬ勘違いを他のファイターに与えかねない。
アイクはまだ口移しに関して理解が出来ないのか、しきりに頭を掻いていた。
「しかし、リンクも良く我慢できたな。俺には例え肉でも人が咀嚼したものを喰う気になれん」
「まあ、カービィの口移しは慣れてるし・・・」
「!?」
リンクのこの一言にメタナイトはリンクの方を向いた。
同じプププランドの世界から来ているとはいえ、メタナイトでさえそれ程カービィと口移しなどしたことは滅多にない。
それにリンクは慣れていると?また、慣れる程カービィと口移しをしているというのか?
メタナイトの反応にリンクはにやっと口元を緩める。
「ん?メタナイトはカービィと口移ししたことないのか?結構口移しくらい、黙っててもしてくれるけどな」

組み手の部屋に向かいつつ、振り返ったリンクの悪戯めいた表情。
ちらっと覗かせた舌がいかにも挑発的で、メタナイトの逆鱗に触れた。

「~~~~~~っ!!!リンクっ、そこを動くな!!」
「こらっ!!メタナイト!!」
「だから!!場外乱闘は駄目だって言ってるのに!!」
本気でギャラクシアを引き抜いたメタナイトをアイクとマルスが総掛かりで止める。
対するリンクは落ち着いたもので振り返らず手をひらひらと振っていた。
廊下を曲がっていったため、リンクの姿はじきに見えなくなったがメタナイトはリンクが立ち去った後もなお、その場を睨みつけていた。

後日、メタナイトの部屋に呼ばれたカービィは延々とメタナイトに訳がわからないままお説教を受ける羽目になってしまった。
 

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自己紹介:
任天堂ゲームへの愛を小説に込める物書きです。
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