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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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あらかじめ二日分UPしておきます。

本日はゼル伝パロ。
一応リンゼル前提で伝説らしいゼル伝小説です。(シャレか)
もう時オカ・神トラ・トワプリらへんをごっちゃにしたような感じです。
まずは前編・・・。


『Lupas』
(おおかみの星)

ハイラルがまだ一つの国としてまとめられる以前、ハイラルでは手にしたものの願いを叶える黄金の三角形・トライフォースの眠ると言われる聖地を巡る激しい戦が繰り広げられていた。
ハイリア人の正統な血を受け継ぐ王家、特に王家の女性である王妃は神の予言を夢で聞くことが出来た。


ある夜、王妃が眠っていると夢の中で彼女は古の聖地を歩いていた。
目の前には黄金の正三角・トライフォースが燦々と輝いている。
だが、トライフォースは力・知恵・勇気の三つに分かれると聖地から弾かれるように飛び去った。
力のトライフォースは聖地を抜け砂漠の土地へ、勇気のトライフォースは鬱蒼と茂る森へ、そして残った知恵のトライフォースは何と王妃の中へ飛んできて、彼女の中に収まってしまう。
王妃は呆然と今し方自身のトライフォースが飛び込んできた所を見るしかなかった。
しばらくすると、辺りの景色が暗くなってきた。
さっき力のトライフォースが飛んでいった方角から黒い影が立ちこめてくる。その影は徐々に王妃の元へと迫ってくる。まるで彼女の中のトライフォースを狙ってくる様だった。
王妃は影から逃げようとしたが、影は執拗に追ってくる。
そして、逃げ場のなくした王妃に影が襲いかかった。
その時、森に落ちた最後のトライフォース、勇気のトライフォースの光が影を切り裂いて王妃を影から守った。
その光は影と相対していたが、徐々にその姿を変える。
放射状の光は黄金の毛並みへ、たくましい四肢へ、その姿はまさに・・・。
 

「・・・おおかみ」
夢から覚めた王妃の口からついて出た動物の名前。
勇気のトライフォースが象ったものは、密林の覇者・狼だった。

 

ハイラル王に夢のお告げがあったことを告げた後、王妃の体には新たな命が宿っていたことがわかった。
夢のお告げが本当ならば、王妃の子供は知恵のトライフォースの子供。
ならば、残る二つ力のトライフォースの持ち主はハイラルを、彼女の子供を脅かす災いをもたらすのか、そして勇気のトライフォースの持ち主は・・・。

だが、王妃は少し首をひねった。
狼は野獣としてハイリア人からあまりいい印象を受けない動物だ。光の精霊としてあがめられている者達の化身も鹿・猿・鷲・蛇と縁起の良い動物ばかり。
その狼が果たしてハイラルを、そして王妃の子供を救ってくれるのだろうか。
答えは、曇天の空にかき消される様に見えなかった。





それから数年の月日が経ち、ハイラルは戦乱も若干収まり最後の反乱勢力である砂漠の盗賊団も大人しくしてつかの間の平和が訪れていた。
王妃の運命の子供はゼルダと名付けられ、知恵のトライフォースの申し子に相応しいほど美しく聡明な姫として育っていた。
ゼルダは快活で賢く、親を困らせるような子供ではなかったが、時折砂漠を見ると怯えて泣きじゃくる。
王妃も既に他界し、ゼルダも母と同じく予言の力を受け継いでいたために王は困り果てて七賢者を呼び寄せて訳を問うた。
「姫様は砂漠から来る邪気を恐れていらっしゃいます。ですが、邪気の源はわかりかねません。その邪な力はきっと姫様を狙っているのでしょう」
賢者の言葉に王はひどく心を痛めた。
たった一人残された大事な姫。戦乱に巻き込まないよう大事に育ててきた娘を戦禍に巻き込みたくはなかった。
「何とか姫を守る方法はないのか?」
「邪気を姫様から払う守りが必要です。しかし、伝説の聖剣・マスターソードを操れる者はハイラルにはいないでしょう。責めて、聖なる守りを持つ他のものがあれば・・・」
賢者の力を込めたメダルをゼルダ姫に渡したが、それでも少し心許ないという。
王も賢者達も頭を抱えた時、ゼルダ姫がその場に顔を出した。
ゼルダ姫は夢のお告げを聞くことが出来る、その望みに賭けて賢者はゼルダ姫に望むものを問うた。
すると、ゼルダから意外な一言がついて出てきた。

「犬・・・ですか・・・?」
「何?犬とは・・・」
王も賢者もこの一言には驚いた。
ゼルダ姫は夢に見た話を聞かせる。
「私は暗い林で迷子になっていました。心細くなっていると、森の向こうから一匹の大きな犬が現れて私の側に付いていてくれました。するとそれだけで、恐ろしい気持ちがなくなってとても幸せな気持ちになれましたの。」
そう言ったゼルダ姫の顔は珍しく笑顔に満ちあふれていた。
試しに賢者がどれほどの犬だったのかと問うと、姫は自分の顔の位置を手で示した。
これには王も賢者も驚いた。子供の背丈であるゼルダの顔の位置とはいえ、その犬はかなり大きい。
ハイラル広しといえどもそれ程の犬がいるかは疑問だった。
しかし、ゼルダを守る手がかりの一つとして王はハイラル全土にゼルダが言ったような犬を探させた。


探すこと三ヶ月、その条件に見合う犬がようやく見つかった。
その話を持ってきたのはハイラルの遙か南、森に囲まれたとある村の村長だった。
「なんと、そんな犬がいると・・・?」
「はい。最初見たときは驚きました。あまりに大きかったもので、狼ではないかと思ったほどです」


ある日森の向こうからふらりと現れたそれは餌を探し求めてきたのだろうかと思われ、村人は恐れおののいた。だが、その犬は格好の餌食である人はおろか、家畜の山羊さえも襲わない。畑の作物を荒らした様子もないのに、一向にやせ衰える気配すらなかった。
不思議に思った村長が様子を見ていると、暗くなる頃、犬の側に立派な栗毛の馬と鷹がやって来て、鷹は犬に肉を、雌馬は犬に乳を与えていた。
鷹と馬に育てられた犬はたくましく育って、作物を荒らす害獣も根こそぎ倒すほど強くなった。
その話を聞いた王はすっかり心を動かされた。
「それはすごい。そんな犬ならきっとゼルダの守りになるに違いない。連れて参れ」

王は村長に充分な褒美を与えて、早速その犬をつれて来させた。
その犬を初めて見た王はその凄さに思わず息をのんだほど、犬と呼ぶよりも狼と呼ぶ方が相応しく見えるその獣は威厳と風格を備えていた。そして、不思議なことにその獣には額に変わった紋章の様な痣があった。
だが、王の心配もよそにゼルダ姫はこの獣にひどく喜んだ。
「リンク、やっと来たのね。リンク」
「姫?『リンク』とは・・・?」
獣を見るなり口にした耳慣れない単語に王は首を傾げた。
ゼルダはすまして獣を撫でながら答えた。
「この子のことです、お父様。この子はリンクです」
「もう名前を付けたというのか?」
「いいえ、この子の本当の名前です。私、夢の中で聞いたのです。この子が私にリンクという名だと教えてくれたのです」

夢の中でまさか獣と話でもしたのだろうか、信じられないような言葉に王は半信半疑ながらも一人娘を、そしてそばにいる獣を一瞥した。
獣と一緒にいるゼルダは今まで泣いてたとは思えないほど快活に笑っている。


それからリンクと呼ばれた獣はゼルダと共に城で生活することになった。
ゼルダはリンクをとても可愛がり、リンクもゼルダにすっかり懐いていつでもゼルダについて回っていた。

そしてリンクが来て以来、あれほど王を悩ませたゼルダの泣きじゃくることは無くなった。
王の悩みも無くなり、王国はまたしばしの平和な時を刻みはじめた。

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