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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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ヒッツ様から頂いておりましたリクエストを書き上げました。

>スマブラの設定でのお話です。生活の中ではカービィに甘いメタナイト卿でカービィもメタナイト卿にとてもなついているけれど、たまたまくじ引き(あるいは誰かの陰謀で…)チームストック制のバトルで敵同士になってしまい、他のみんなは二人ともお互い同士では戦えないだろうと予想していたのに、当日二人はお互い同士で手を抜かずに戦い始めたのでみんなビックリ!挙句の果てにチーム仲間が援護しようとしたら『手を出すな』とお互いに夢中でつい自分のチームペアを吹っ飛ばしてしまい、さらに戦い続け…。

との事でしたので、それっぽく書き上げました。
こういうシチュエーション大好きです♪

親子愛なのか、師弟愛なのか、それとも純粋な(?)恋愛なのか疑問ですが、とにかくメタナイトはカービィが大好きで、カビもメタが大好きっていう感じで仕上げました。

ヒッツ様、こんなものでよろしければお受け取りくださいませ。

『Duellists』

 

夏休みまっただ中、お盆も過ぎて遊びたい盛りの子供ファイター達以外のファイターのみで大乱闘は開催されていた。
ネスはトゥーンリンクと海にクルーズしに、ルイージは大乱闘中で、一人暇を持て余していたデデデは城の中をぶらぶらと歩き回っていた。
中世風の石造りで出来た城の中は意外とひんやりとしていて過ごすのには快適な空間、いつの間にかデデデは大広間まで歩いてきていた。

「ぽよ!ぽよぽよぽーよっ!!」

「んおっ!!」
大広間の扉の向こうから聞き慣れたかわいらしい声が聞こえた。
今のは間違いなくカービィの声。
自分の邪魔をされるときはうっとうしいことこの上ないピンクボールだが、普段大人しくしていたらとてもかわいらしい。
それにこの大乱闘の世界では自由に戦ったり出来るせいか、デデデにちょっかいをかけることも殆ど無くなっている。
全く接点がないというのも、憎からず思っていたデデデにとってそれはそれで寂しいものでもあった。
「(久々にカービィを構ってやるゾイ!)」
大王らしい上から目線の考えだが、そう思ったデデデは意気揚々と大広間のドアを開ける。
ところが、いたのはカービィだけではなかった。
「ぽよ、ぽよよ!!(あ、デデデ大王!!)」
「・・おや、珍しい。陛下が大広間に来るとは」
「か、カービィ・・・。メタナイト・・・」
大広間でカービィは既にメタナイトと一緒にいた。
普段子供ファイターはおろか、他のファイター相手にさえもとりつく島を与えないメタナイトだが、カービィの場合は話が別とばかりに一緒にいたがる。
あまりの執着ぶりにリンクが普段は防衛戦を貼るか、フォックスに預けるなりしているはずなのだが・・・。
「な、なんで今日はお前と一緒ゾイ!?」
「リンクはゼルダ姫の付き人として城下へ物見遊山中、フォックスは新しい仕事が入ったとかで私が面倒を見ていましたが」
「ぽよぽよ!!(朝から一緒だったもんね!!)」
嬉しそうに言ってカービィはメタナイトに弾けるばかりの笑顔を向ける。
メタナイトも仮面の下で薄く微笑んでカービィを撫でる。
そうするとカービィはもっと嬉しそうに声を上げて笑った。
端から見れば仲のよいことこの上ない、下手をすれば年の離れた恋人同士にも見えるかも知れない。
その様をまざまざと見せつけられたデデデは握り拳を振るわせた。
「ムムムムム~~~~~~~~~~!!!!くっそーーーーーーーーーーー!!!!覚えてろゾイ!!!」
そう叫ぶなりデデデは猛スピードで来た道を走り去ってしまう。
訳がわからないカービィはデデデの後ろ姿を見送ったまま首を傾げた。
「ぱあゆ?(どうしたんだろう?)」




部屋に猛ダッシュで戻ったデデデは愛用の椅子型コンピュータを作動させる。
すると壁に収納してあったモニターが現れて、モニターにはマスターハンドの姿が映し出される。
マスターハンドは普段、ファイター達の干渉できない異空間に滞在しているが暑いのは変わらないらしく手を煽いでいた。
『また、何の用だい?デデデ。私は暑いのは苦手だから何もしたくないんだよ』
「嘘付けい!!大乱闘のプログラムを組むのに一生懸命のくせに、ワシの時だけそう言うのは反則ゾイ!!今すぐカービィとメタナイトの大乱闘を組むゾイ!!」
『は?カービィとメタナイトの試合?』
耳慣れない組み合わせの要望にマスターハンドは煽ぎながらも、少し興味を引かれたように耳を傾ける。
「本来ならワシがメタナイトに命令してカービィを倒させるが、ここでは大王権限が使えんゾイ!!だから、大乱闘で2人を戦わせるゾイ!!2人の仲を徹底的に引き裂くゾーイ!!」
『・・・つまり、メタナイトに対するカービィへのヤキモチ・当てつけって訳ね』
「グダグダ言ってないでやるゾイ!!」
また人の痴話喧嘩に首を突っ込むのか、とマスターハンドは呆れ気味に手をすくめてみせる。
試しに変更が出来るカードを調べてみるが、自分が見てみたいカードもあってなかなか2人を戦わせる条件が整わない。
『うーん・・・、2人の直接対決って言うのはちょっと無理があるね。チームストックバトルなら何とかなりそうだけど・・・』
「うぐぐ・・・!!構わん!!それで計画を進めるゾイ!!」
『ハイハイ』
至極面倒くさそうに答えてマスターハンドの姿がモニターから消えた。
それからしばらくしてそれぞれのチーム部屋に新しい対戦カードの連絡が送信された。
それこそ、デデデがカービィとメタナイトを引き裂くために用意したチーム戦デスマッチだった。

『次々回 対戦表 チームストックバトル
レッドチーム カービィ・ソニック
ブルーチーム メタナイト・スネーク』




「ええっ!?カービィとメタナイト卿が対決!?」
チームルームでマリオと一緒に過ごしていたピットは今し方届いたばかりの対戦カードに目を丸くした。
ピットの声を聞き止めてマリオも興味深そうに対戦カードを覗き込む。
「ははあ、これは面白そうな対決だね。他のメンバーはスネークとソニックか、あの2人も仲が悪いからこれは直接対決になりそうだ」
スネークとソニックはルームメイトでもあるのだが、スネークがソニックをあまり好ましく思っていないせいか仲は良くない。
間にロボットが入っていてくれるからルームメイトとして成り立っているような、そんないびつな関係の間柄だった。
カービィとメタナイトの対決、ピットはそれしか頭に浮かばないのか難しい声を上げる。
「ねえ、マリオさん。もし、カービィとメタナイト卿が直接対決したらどうなると思います?」
「そりゃあカービィが勝つに決まっているじゃないか。元の世界でも幾度となく戦って勝ったことがあるって言っていたんだし・・・」
「その理屈だとマリオさんはクッパに、フォックスさんはウルフに絶対負けないって事になりますよ」
「うっ・・・!!」
ピットに言い返されてマリオは言葉を詰まらせる。
元の世界がどうであれ、大乱闘の世界は実力がものを言う。
昨日の大乱闘ではマリオはクッパにギリギリで勝ったばかりだし、一昨日のフォックス対ウルフの試合はウルフの勝利で幕を閉じた。
「で、でも!メタナイトはカービィに大甘だし!!」
「どうかなあ?前に戦って思ったけど、あの人相当のドS気質ですよ」
前に散々はめられてやられた記憶があるピットは、その時のあまりの情け容赦のなさに涙目になったのを覚えている。
そもそも、悪党チームに『鬼畜』と呼ばしめているリンクと互角の立ち回りをしているのだから、彼も相当難儀な気性の持ち主だ。
ひょっとするとカービィ可愛さゆえに完膚無きまでに叩きのめすかも知れない。
考えても予想しても結果は全く想像もつかない。
カードの時間までは残り少なかったが、ふくれあがった好奇心を抑えることなど出来ず、マリオとピットとヨッシーは一目散にスタジアム観覧席へと急いだ。




「ああっ!!やっぱりいっぱいだぁ!!」
「ヨッシー・・・(うう、ボクの足でも間に合わなかったなんて・・・)」
観覧席は既に観客で満員御礼状態だった。
やはり今回のカービィとメタナイトが対決状態になるのが興味を引かれたようだ。
広い観客席をくまなく見渡してみるが、マリオ達が入れそうな席はひとつも残っていない。
「うむむ・・・、参ったな・・・」
「あら、マリオ」
マリオの頭上から愛らしい女性の声がした。
見上げてみると上のVIP席にピーチ姫とプリンが座っている。
ピーチ姫はマリオ達ににっこりと笑いかけると手にしていた扇子で優雅に手招きをする。
「試合を見に来ましたの?よろしかったらヨッシーちゃんもピット君もこちらにおいでなさいな」
「ぷりっ、ぷりゅぷりゅ(ここ席広いから三人くらいなら大丈夫よ)」
「いいんですか!?ありがとうございます!!」
まさかの嬉しい誘いにマリオは二言返事でピーチ姫の提案に従った。
ピーチ姫の隣に腰掛けたマリオにピーチ姫は笑いながら話しかける。
「メタナイト卿が参戦すると聞いて、カービィちゃんと戦う試合だったから一番に予約を取ったの。だって、紳士なメタナイト卿の事だものとてもカービィちゃんとは戦えないでしょ?」
「ぷぷぷぷりゅぷり!!(これってぜーったいデデデの企みよね!!メタナイト卿に嫉妬したんだわ!!)」
「えっ!?そうなの!?」
「ヨッシー!?(うっそお!?)」
マリオとピーチとは別に、プリンは試合が仕組まれたものだとヨッシーとピットに自分の憶測を語っている。
想像もつかなかったプリンの考えにピットとヨッシーは信じられないように目を見張った。



その頃・・・。
「ぶえ~~~~~~~~~っくしょーーーーーーーーーーん!!」
「うわっ!!もう、デデデ陛下。僕に唾飛ばさないでくださいよ!!」
ピーチ達とは反対側のVIP席で試合を見ようとしていたデデデの盛大なくしゃみに付いてきていたルイージは露骨に眉根を寄せた。
デデデは鼻をすすりながら顔をしかめる。
「風邪ではないゾイ!!この試合、カービィとメタナイトが戦いあって破局するまで見届けるゾイ!!」
「・・・もしかして、もうデデデ陛下の目論見だってばれてるんじゃ?」
ルイージがそう考えていると、試合開始のアナウンスが鳴った。



『READY GO!!』


「ふんっ!!」
「甘いっ!!」
開始早々カービィがハンマーでメタナイトに殴りかかってきた。
だが、それを見きっていたメタナイトがディメンションマントでカービィの背後に回り込んで鋭く斬りつけた。
「Hey!!カービィ!!Are you OK!?」
「お、おい、メタナイト、いきなり本気か!?」
間髪入れずに斬りかかったメタナイトにさすがのスネークも少したじろいだようだった。
だが、メタナイトはスネークの言葉に応えず、じっと自分がはじき飛ばしたばかりのカービィの姿から目を離さない。
ソニックもはじき飛ばされたカービィを心配して駆け寄るが、すぐに顔を上げるとカービィはまたメタナイトに向かって走っていった。
「ていやあっ!!えいっ!!」
「また必殺技か・・・。進歩がないぞ!!」
カービィ渾身の必殺技・ファイナルカッターもメタナイトは空中回避で無効化する。
だが、空中回避で一瞬動きが止まった途端・・・。
「んあっ!!」
「!!うわっ!!」
先に着地していたカービィが吸い込みを使ってメタナイトを吸い寄せる。
空中回避の難点は着地するわずかの間だけ自分が無防備になってしまうこと、その一瞬を付かれてしまった。
「☆!!」
「・・・ふっ、私としたことが。カービィに一本取られるとはな、だが私の能力はそう易々と扱いきれるかな!?」
メタナイトの能力をコピーしたカービィにメタナイトは斬りかかった。
カービィもコピーしたばかりの能力で応戦する。
だが、まだコピーしたばかりのせいか能力になれていないようだった。
「まかせな、カービィ!オレがヘルプしてやるゼ!!」
「させるかぁっ!!」
ソニックとスネークが2人同時にチームメイトに加勢すべくカービィとメタナイトが戦っているところへと突っ込んでくる。
そして2人が攻撃を仕掛けようとしたその時だった。
「!!」
「!!」
メタナイトとカービィがそれぞれ、今まで向き合っていた相手から視線を逸らす。
そして2人絶妙の同じタイミングでカービィはスネークに、メタナイトはソニックに目標を変更した。
「ふんっ、とおっ!!」
「うりゃあ!!」
そして・・・。
「うおおおおおおおおっ!!」
「うわあっ!!」
素早い連続技を喰らって、ソニックとスネークはあっという間に場外へ撃墜されてしまう。
元々残りストック1状態で始めた試合だったために、2人が場内復帰することは出来なかった。
「ぽーよっ!!ぽよぽよぽーよ!!(ボクはメタに相手して欲しいの!!スネークは邪魔しないで!!)」
「ソニックに罪はないが、私とカービィとの一騎打ちの為だ。・・・許せ」
何とも身勝手かつ自己中心的な言葉を投げたカービィとメタナイトはお互い向き直る。
カービィはさっきコピーして手にしたばかりの剣を構えた。
その様子にメタナイトは薄く笑うが、自分の剣の切っ先をカービィに向けて挑発した。
「構えがなってない、と言いたいところだが・・。ここではそんな流儀はない。いい覚悟だ、来るがいい!!」
「ふんっ!!」
そしてカービィはメタナイトに真っ正面からぶつかっていった。






試合の結果はブルーチームの勝利で幕を閉じた。
あの後、全体的にカービィの方がメタナイトを圧倒していた。
カービィがメタナイトをスタジアムから飛ばしたときに誰もがカービィの勝利を確信したが、メタナイトが墜落する間際にシャトルループを使って復帰できた。
復帰ついでにカービィにダメージも与えたメタナイトは追撃の手を緩めなかった。
空中戦はメタナイトが圧倒的にカービィよりも有利。
息をつかぬほど激しく攻め立てられて、止めのスマッシュ攻撃で吹っ飛ばされてしまった。


「へえ、そんなカードがあったのか。俺も見てみたかったな」
ゼルダ姫のお供で試合を見られなかったリンクはピットとヨッシーの興奮した説明に耳を傾けていた。
2人はその試合がどんなに激しかったか、身振り手振りまでくわえて説明する。
「本当にすごかったんだよ!!絶対にメタナイト卿と戦えないって思ってたのに、カービィなんてスネーク吹っ飛ばしてまでしてメタナイト卿と戦いたがったんだから!!ね!?」
「ヨッシーヨッシー!!(メタナイト卿だってカービィに容赦無しだったんですよ!!)」
「はいはい、2人とも。ちょっと落ち着いて」
興奮が冷めやらない2人にマリオが止めに入る。
そして大人しく二人の聞き役に回っていたリンクに困ったように笑いかけた。
「帰って早々すまないね、リンク。2人ともすっかり興奮してしまったみたいで」
「いや、構わないさ。あの2人のことだろう、そうとう火花散らして激しい戦いしてたんじゃないか?」
「・・・何でわかったんだい?」
あまりにその時の様子をさらっと当てて見せたリンクにマリオは目を丸くする。
ピットもヨッシーもそこまでリンクに詳しく話していなかったから驚きを隠せないようだった。
リンクはくすっと笑うと、そう思ったいきさつを話し始める。
「あの2人って面白い関係なんだよな。まるで親子のようでもあり、師弟関係のようでもあり、・・・あいつのカービィに対する恋人のような対応は気にくわないけど。大まかにいったらメタナイトはカービィの成長を見るのが楽しみで、カービィは自分の成長をメタナイトに認めて欲しいんだ。だから、あいつ等に手加減とか邪魔とかは必要ないものなんだよ」
でもだからって、とリンクはテーブルに載せられていた紙を握りしめる。
その紙には流麗な筆致で次のように書かれていた。


『今日の試合の反省をさせるためにもカービィは今夜、私の元で預かる。
心配しなくとも明日の昼頃にはお返しする。          メタナイト』


「こういうのは絶対に認めないからな!!あのロリコン卿!!」

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