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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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もし、普段仲の良い友達同士が喧嘩したらどうなるんでしょう?


割とあっさり仲直りしてしまうのでしょうか?

それとも、こじれにこじれて修復不可能になるのでしょうか?

はたまたそれとも・・・。


そんな疑問と誰もが抱える悩み、それを今回スマブラで表現しようと思い至りました。(悪趣味な)
『亜空の使者』以来のシリーズものです。
初回の今回はファルフォ(←;)、これからも男女問わずモリモリ書いていきます。

 


『If,Fights of friends case:falco&fox』
(仲良し同士が喧嘩をしたら・・・。ファルコとフォックスの場合)


その日の大乱闘も終わり、ファイター達の休息の時間が訪れた。
ファイター達の居住する城からは徐々に部屋の灯りが消えていく。
まだ消灯していない部屋の一つ、マリオ達が生活している部屋でリンクは明日の大乱闘の確認がてら、その他諸々の雑用を片付けていた。
ちなみに他のメンバーはいつも9時を過ぎると時計に合わせたように寝室へ引っ込んでしまう。
カービィとヨッシーが散らかしたままのお菓子を片付けながら、リンクは一人苦笑した。


コンコン


ドアをノックする音にリンクの長い耳が反応した。
時計を見ると十一時を回っている。こんな時間に誰が・・・?
訝しんだリンクだが、すぐに扉を開ける。
そこにいたのは・・・。
「フォックス、どうしたんだ?」
「あの、ごめん、こんな夜分に・・・」
深夜の来客は親友のフォックスだった。
内心夜分訪れる不躾な訪問者が気にくわない奴の場合、吹っ飛ばしてやろうかと思っていたリンクは意外な人物に虚を突かれて目を丸くする。
特に礼儀も正しくマナーもきちんとわきまえているフォックスがこうして来るなんてただごとではない。
リンクは扉から少し離れて、塞いでいた入り口を空けてフォックスを誘った。
「せっかく来たんだ、入れよ。マリオ達は寝てるから俺一人だし」
「・・・いいのか?」
「ちょっと散らかってるけど、それでも構わないなら」
「じゃあ、お邪魔します」
律儀に断って入ってきたフォックスをソファに腰掛けるよう勧めたとき、リンクはフォックスの様子がいつもと違うことに気がついた。
いつも綺麗な緑色をしている目が若干赤くなって、瞼も少し腫れぼったい感じがする。
せっかく来たのにも関わらず、フォックスは口を開こうとはしなかった。
しばらくうつむいていたフォックスはことん、と何かが置かれる音に顔を上げる。
テーブルにはほのかに湯気を立てたミルクのマグカップが置かれていた。
「飲みなよ。ロンロン牛乳じゃないけど、気が落ち着くから」
「あ、ありがとう」
慌てて我に返って礼を言うフォックスにリンクはどういたしまして、といつものように淡く微笑む。
その笑顔といつもの変わらないやりとりが日溜まりのように優しくて、フォックスの目尻に涙がにじんだ。
リンクはそれを見ても驚かなかった。
フォックスは最初、目にゴミが入った様子を装って涙を隠そうとしていたが、それでもリンクが気がついているとわかるとすぐに手を目から離した。
「・・・ごめん。いきなり来て、こんな、心配させて」
「気にするな、来たときからいつもと違うって事はわかってたんだ。大丈夫、俺はフォックスの味方だから、・・・落ち着いて」
リンクの言葉は真綿のようにフォックスを優しく包み込んでくれる。
しばらく涙は止まらなかったが、やがて落ち着いたのかフォックスはたどたどしくここに来るまでの経緯を話し始めた。



亜空の件でフォックスはアーウィンの大破・グレートフォックスの損傷が相次ぎ、それらの修復作業に追われている。
ファルコも大乱闘やサブイベントで得た賞金を修理費に充ててくれているが、それでも優勝常連二人が頑張ってもまだ全てを修繕するには追いつかない。
フォックスは近頃それで頭を悩ませていた。

『フォックスが俺様の言うことをなんでも聞くなら、俺様の賞金全てくれてやるよ』

そんなフォックスに悪魔の誘いをしてきたのがウルフだった。
基本一匹狼で他のチームメイトに気を遣わない上に優勝常連にも食い込みつつあるウルフの所持金は多い。
それをもらえたら金策でもう悩まなくて良い。
フォックスは迷わずその条件を飲むつもりだった。
だが・・・。

『ふざけんな!この狼野郎!!てめえなんかの施しなんかいるか!!』

この誘いをファルコが即座に一蹴して、ウルフの目の前で思い切りドアを閉めた。
これだけで交渉はその場で終了。フォックスの頼みの綱はもはや途切れた。
『何で勝手な真似したんだよ、ファルコ!せっかくウルフが協力してくれるって言ってくれたのに!!』
『協力だと?お前、フォックス、あいつが何言ってきたのかわかってんのか!?』
ウルフの狙いはフォックスただ一人。
ウルフの条件を飲めばフォックスがどんな目に遭わされるかわかったものではない。
それがわかっていてフォックスをみすみすウルフの毒牙に掛けさせることなどファルコには出来はしない。
フォックスはその危険性をまったく考慮していなかった。
ただ、リーダーとしてファルコにこれ以上不便と苦労を掛けさせたくなかったから、早く当面の危機を何とかして切り抜けたかった。
だから、ウルフの条件も自分が大人しく言うことを聞けばそれで全てが納まるなら安いものだと思っていた。
ファルコはフォックスの身を案じて、フォックスはファルコを思い遣っていたのだが、二人の思いが相手に受け入れられることはなかった。
ウルフの介入のせいで二人の言い合いは自然と喧嘩腰になっていた。

『どうして、どうしてわかってくれないんだ!!』

それ以上、ファルコと顔を合わせているのが辛かった。
まるで逃げ出すように、そう言い残してフォックスは部屋から飛び出した。




「それから、ファルコと顔を合わせるのが怖くて、また、俺の前から姿を消してしまうんじゃないかって思ったら、部屋に戻れなくて・・・」
宛てもなく城をぶらついて他のチーム部屋を渡り歩いているうちに、いつの間にかフォックスはリンクのいるマリオ達のチーム部屋に来ていた。
リンクは黙ってフォックスの話を聞いていた。
語り終わった後もとやかく言うことも無く、静かに頷いた。
「そんなことがあったのか」
「・・・俺が悪かったんだ」
うつむいたままのフォックスがぽつりと呟いた。
「ファルコは、クールぶってるけど誰よりも仲間思いだって知ってるのに、俺のこと心配してウルフの要求突っぱねてくれたのに、なのに俺が意地張ってウルフの条件下で何とかするなんて言ったから・・・」
フォックスの記憶から、そう言ったときのフォックスを見るファルコの目が焼き付いて消えない。
怒りを込めた全てを射抜くような激しいほどの眼光、敵と対峙した時よりも険しい目。

『リーダーだと思って頭気取りで偉そうなこと言ってんじゃねえ!!』

そう言われた一言がフォックスの心に棘として残っている。
ファルコは自分に正直だ。おそらくそれが彼の本心だろう。
その時の事を思い出してまた涙ぐみそうになったフォックスの頭にリンクの手が乗った。
呆気に取られたままのフォックスに構わず、リンクはそのままフォックスの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「大変なんだな、リーダーっていうのも」
リンクはフォックスの顔を覗き込むと困ったように笑いかける。
そしてソファの空いていた場所、フォックスの隣に腰掛けた。
「俺は基本的に一人だったからさ。一緒に戦うとか、グループを組んで戦うとかいうことがなかったから、ちょっぴりチームメイトっていうのがいるフォックスが羨ましかったんだ。でも、そう言うのって絶えずお互いを考えたり思い遣ったりしなくちゃいけないから、一人よりもずっと重くて、ずっと不自由で、難しいな」
「えっ?」
「そうだろ?ウルフの条件はフォックスにとっては自分のことだから安いものって思っても、周りの人、この場合ファルコにとっては違った。大事な仲間を犠牲にしてまで、自分に課せた苦労を回避する気になれなかったんだ。でも、そんなしがらみも悪くないよ」
ちょっと説教臭くなった、と立ち上がって気分転換にリンクはカービィとヨッシーのお菓子を物色しはじめた。
気分転換には甘いものがいいかと考えているリンクの後ろ姿ににフォックスは柔らかく微笑む。さりげなくしているが、リンクの精一杯の心遣いがとても嬉しかった。
(ありがとう、リンク。ここに来て、本当に良かった・・・)

「おっ!綿菓子みっけ!なあ、フォックス。フルーツと綿菓子、どっちが・・・」
振り返ったリンクは咄嗟に口をつぐむ。
いつの間にかフォックスはソファに横になって眠っていた。
電気も付けたまま、ブランケットも掛けてないのに、フォックスがどれほど精神的に張り詰めていたのかがわかるようだった。
(やれやれ、生真面目すぎて無理しすぎなんだから・・・)
リンクはブランケットを用意する傍ら、フォックスの耳に付いているインカムに目を止めた。



フォックス達とドンキー達が居住する部屋の談話室はまだ灯りが付いていた。
ドンキーとディディーはもう既に眠って高いびきをかいている。
ファルコは一人、談話室で武器のメンテナンスをしていたが時折時計と入り口を見る。
時間はもう一時を回っていた。
「ちっ、くそっ!!」
フォックスが飛びだしていってしまってからもう三時間以上経っている。
さすがにウルフの言い分に気が立ってしまったとはいえ、フォックスにまであれほどきつく言ってしまったのはファルコにとっても後悔する所だった。
フォックスは生真面目で仲間思いだが、それが一途すぎて自分を省みないのが玉に瑕だ。
だから、ファルコは一生懸命止めたが無垢に育ったフォックスにやんわりと説得できるような言葉をファルコは知らない。
それが祟ってフォックスを傷つけてしまった。

『ガガガッ』

ファルコのインカムから通信音が聞こえた。ファルコは急いで通信スイッチを押す。
インカムから飛び出したのは予想もしない声だった。
「こちらファルコ・・・」
『あっ!繋がった繋がった!!カービィに通信機の使い方習っておいて良かった。おい、これファルコのインカムに繋がってるよな?』
「なっ!お前、リンクか!!」
フォックスのインカムから傍受した声は紛れもなくリンクの声だった。
「てめえ、これフォックスのインカムだろ!何でてめえが出てるんだ!!」
『なんでってフォックスは俺の所に来てるから、借りて連絡入れてるんだ。あんまり大声出すなよ、フォックス今ちょっと俺が無理させたから疲れて寝てる。今夜は俺の所で泊まらせるつもりだから、悪く思うな』
「っ!!てめえ、フォックスに何しやがった!!そこ動くんじゃねえぞ!!」
インカムの通信を切るなりファルコは最高速度でマリオ達の部屋に向かう。
半開きになった扉からリンクの緑の帽子が見えた。
目標を確認するとファルコは勢いを付けて地面を蹴った。
「うりゃあっ!!」

バシィン!!

リンクに蹴りかかったファルコだが、それを読んでいたリンクが盾ではじき飛ばす。
勢いごとはじき飛ばされたファルコは地面に叩きつけられたがすぐに起き上がってリンクに詰め寄る。
「リンク、てめえっ・・・!!」
詰め寄ったところ、嘴を手で握られてファルコの文句は閉ざされてしまう。
黙ったファルコにリンクはフォックスが眠っているソファを指さした。
フォックスはファルコが乗り込んで来たのにも気がつかず、すうすうと穏やかな寝息を立てている。
それを見たファルコからようやく緊張が解ける。リンクも手を離した。
「ああ言う言い方したらすっ飛んでくると思ったけど、予想通りだったな」
「うるせえ、フォックスに変な真似しやがったら承知しねえぞ」
「バカ言うな。フォックスとは親友なんだ、変な関係じゃないんだから邪推するな」
釘を刺したリンクにファルコはフンと鼻を鳴らすと眠っているフォックスを担ぎ上げる。
連れて帰るつもりらしい、それを見取ったリンクは途中まで見送ることにして入り口を開けた。
「・・・こいつが世話になったな。一応礼は言っておくぜ」
「今度泣かせたら承知しないからな。それだけ素直に礼が言えるならフォックスにも素直に話してやれ」
「!」
リンクの言葉にファルコは歩みを止める。
そして肩越しに振り返った。
「お前がフォックスを大事に思っているのと同じくらい、フォックスはお前に気を遣ってる。だから、変な虚勢とか張らずに素直にどう思ってるか話すんだ。そうすれば、フォックスが要らない心配をすることもない」
「ちっ・・・。わかったよ」
了解の意を告げてファルコは来た道を戻る。
リンクはその姿が見えなくなるまで見送っていた。



翌朝、フォックスが目を覚ますとそこは見慣れた自分の部屋だった。
ファルコと喧嘩してリンクの所に行ったまでは記憶に残っているが、寝ている間に連れ戻されたらしかった。
(リンクが、連れてきてくれたんだろうか?後でお礼言っておかないと・・・、ん?)
そこまで思い至ったフォックスは枕元の時計に気がついた。
時間は10時半。フォックスが参戦する大乱闘はもう始まっている時間だ。
「やばいっ!!寝過ごしたっ!!」
「心配ご無用。リンクが代理で出てくれてる。お前はゆっくり休めってよ」
フォックスの騒ぐ声を聞き止めたファルコが部屋に来て告げた。
モニターのスイッチを入れると、本日の第一試合、サムス・ロボット・スネーク、そしてリンクが戦っている様子が映し出されていた。
「リンクの奴、お前が疲れてるだろうからって朝一で代理申請してくれたんだ。勝ったら賞金も回してくれるってよ」
「リンクが・・・、俺悪いことしたな」
「・・・そいつはこっちのセリフだぜ」
ファルコの言葉にフォックスは思わず振り返る。
ファルコは居心地悪そうに口を尖らせていたが、小さく呟いた。
「昨日は、悪かった。お前が心配だったとはいえ、言い過ぎた」
「ファルコ・・・、俺も・・・」
「お前は言うな、その代わり約束しろ!もう、一人で何もかも抱え込むな!自己犠牲だけは何が何でもやめろ!!今度同じようなことをしたら承知しねえ!!」
早口でフォックスが反論できないほど一気にまくし立てるとファルコは部屋を後にする。
出る前に投げた一言はしっかりとフォックスの耳に届いた。
「俺たち、大事な仲間なんだからな・・・」
その一言で、フォックスは昨日の一件が全て帳消しになったような気がした。
その言葉が嬉しくて目元に涙がにじむ。
自分以外誰もいない部屋で、フォックスは一人言葉を紡いだ。


「ありがとう、ファルコ。・・・約束するよ、大事な仲間だから、さ」

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