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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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近くの公園の桜が満開になりましたので、桜ネタでリンゼル小説です。


時オカ設定で、幼なじみから大人まで。
タルミナの冒険が終わった後の話です。


時オカのリンゼルはほんっとうに相思相愛のおしどり夫婦なので、書いててとても楽しいです。
トワプリだとミドナも絡んで三つ巴の波瀾万丈になりそうなのに、こっちはもうお互いしかいない!!
この二人の未来像は密月生活だ!!比翼の鳥だ!!!連理の枝だ!!!!(随分ややこしい使い回し表現)


桜の塩漬けほどのしっぱさなんか0です!
もうイチゴも桃も顔負けなほどの極甘になっております!!
それでもOKなリンゼル好きなお方はどうぞ!!




『Petal of cherry blossoms』


初めて、私がその花を見たのは子供の頃。
リンクと出会ってから、四年目の春でした。



「はい。ゼルダ、お土産」
いろんな世界を見て回って修行を積んで帰ってきたリンクはそう言ってゼルダに一本の枝を渡した。
小さな薄紅色をした五輪の花びらが付いた花が咲いていた。
ハイラルでは見たことのない綺麗な花にゼルダは思わず目を輝かせた。
「・・・綺麗。素敵な花ですね」
「良かった、気に入ってもらえて」
旅先の世界で見つけたその花は、春になると短い間だけ咲く。
その世界の人々に一番愛されていた花だった。
花にはあまり興味のないリンクでさえ、これは美しいと綺麗だと目を奪われた程だった。
ゼルダならきっと喜んでくれる、そう思って持ち帰ってきたがその期待は思い描いていた以上のようだ。
「ねえ、リンク。この花の名前は?何というのですか?」
「変わった名前だったよ。SAKURAだって」
「さ、くら・・・?」
耳慣れない音にゼルダも首を傾げる。
ちょっと考えてからもう一度枝に付いた花を見つめながら、その名前を復唱してみた。
「サクラ・・・、良い名前ですね」
「そうかな?」
「飾り気がなくて、素朴な良い名前ですよ。綺麗なのに全然着飾ったところがなくて、とても好きです」
そう言ったゼルダの笑顔は、いつも周りに人がいるときの笑顔と違って素直で子供らしいのにとても眩しいほど美しくリンクの目に映っていた。




「姫様、春とはいえお風邪を召しますよ」
「・・・インパ?」
昨夜遅くまで執務をこなしていたゼルダはいつの間にか机で突っ伏して眠っていたらしい。側にはゼルダのコートを持ってきていた乳母のインパが渋い顔をしていた。
「ごめんなさい、私・・・、眠っていたようで」
「お気になさらずに、ゼルダ様。それよりも、ずいぶん良い夢を見られていたようですね」
「・・・どうして?」
いつもの事ながら、ゼルダの思っていたことをそっくりそのまま読み取ってしまったようなインパの言葉にゼルダは不思議で仕方なかった。
インパはにっこりと笑うと答える。
「長年ゼルダ様にお仕えしておりますから。お休みの間も幸せそうなお顔で眠っていらっしゃいましたのでお起こしするのをためらったほどでしたよ」
「・・・子供の頃の夢を見ていました」
旅に出たリンクが戻ってきた春の日。
リンクが数年ぶりに戻ってきただけでも嬉しかったのに、彼はもっと素敵なものを持ち帰ってくれた。
息を弾ませて嬉しさを満面に讃えた彼の頬と同じ色をしていた小さな花を・・・。
夢で思い出したゼルダは子供の頃付けていた日記帳を取りだした。
リンクが帰ってきた日のページ、そこには小さな薄紅色をした花びらが一枚挟まっていた。
「おや、懐かしいですね。確か、昔リンクが持ち帰ってきた・・・」
「さくらの花。この花の夢を見ていたんです」
あの日の桜はリンクが説明したとおり、数日で全て散ってしまった。
出来れば種を植えて木を育てたいと思っていたゼルダの期待に反して、桜の花は種を付けなかった。残っているのは、日記を付けていた時に散って挟まった一枚の花びらだけ。
あれ以来、ゼルダは桜の花を見ていない。
だが、見ていないのは桜だけに限らなかった。
「そう言えば・・・、リンクはどうしているでしょうね」
「違う世界に行っていることは間違いないようですが、足取りが掴めないので何とも・・・」
「そう・・・」
成人を迎え、立派な勇者となったリンクはハイラル中を駆け回り修行に明け暮れていた。
時々、タルミナと言う世界に迷い込んだときの様に別の世界に行ってしまうこともある。
最後にリンクがゼルダに挨拶に来て以来、数年の月日が流れていた。
ゼルダは窓の外、子供の頃お気に入りの場所だった中庭を見下ろす。
そこは初めてリンクと出会った思いでの場所でもあったが、もうあれから7年近くが過ぎている。
ゼルダの口からインパも聞き取れないほどか細い声が漏れた。
「・・・もう、私のことなど忘れてしまっているのかも知れない」



夜、寝室で横になっていたゼルダは珍しく目を覚ました。
明け方まではまだかなり時間がある。
(どうして、こんな時間に・・・)
なにやら右手が微かにくすぐったい気がして目を覚ましてしまった。
起きた今はそれ程気にならなかったが、すっかり目が覚めてしまった以上寝付けるとも思えない。
水でも飲んでおこうか、そう思って寝室から出ようとした。

コンコン

「?」
窓ガラスを叩く音にゼルダは訝しみながら音がした方へと近寄る。
ちなみにゼルダの部屋は城の最上部、もちろんまともな足場などありはしない。
鳥のイタズラか戸締まりの不備なら良いが、それでも気味が悪い。
「・・・ゼルダ、俺だよ。ここを開けて」
「リンク?」
聞き覚えのある声にゼルダは急いで窓を開ける。
その瞬間、窓の下から懐かしい緑の帽子を被ったリンクの顔が目の前にあった。
驚いたゼルダと目が合うとリンクはくしゃりと笑う。
「久しぶり、ゼルダ」
「リ、リンク・・・。あなた一体どうやってここに、それより今までどこに・・・!」
矢継ぎ早に質問を出すゼルダの口を塞ぐとリンクは用心深く周りを見渡す。
そして誰もいないのと気がついた様子がないのを確認して塞いでいたゼルダの口を離す。
「見せたいものがあるんだ。一緒に来てくれないか?」
「えっ?今、ですか・・・?」
「駄目かな?」
覗き込むようにリンクは首を傾げる。
子供のように無垢な表情を見せられると弱い、ゼルダは考えもせず首を振っていた。
「いい、です」
「じゃあ、決まりだ」
そう言うが早いが、リンクはあっという間にゼルダを抱え上げるとそのまま窓からフックショットを駆使して地上に降りてしまう。
降りた場所からそれ程遠くない位置に待たせてあったエポナにゼルダを抱きかかえたまままたがって今度は夜のハイラル平原へと繰り出した。
平原をひたすら走って行き着いた先は森だった。
リンクの故郷であるコキリの森とはまた違った雰囲気の森で開放的な明るさのある森だった。
だが、ゼルダはこんな所に森があったなど一度も聞いたことがない。
「どこへ、行くつもりなのですか?」
「森の向こうへ」
「向こう?」
リンクの言葉に含みを感じたゼルダは首を傾げた。
森の中腹くらいにさしかかった頃、それまで早めに走っていたエポナが歩み足になった。
それに合わせてリンクも話し始める。
「俺はいろんな世界を旅して、ハイラルも今まで行ったことがない場所を回っていたんです。その時に、この森とこの先の場所を知ったんですよ」
「この先の場所?」
「俺が見つけたときは小さな丘陵地帯でした。でも、ちょっとそこで色々とやることがあったので・・・」
吊り橋を渡り終えた頃、リンクは急に口をつぐんだ。
そしてエポナから降りるとゼルダの手を引いて側の岩場を登る。
登り終えたゼルダの目の前には信じられない光景が広がっていた。


「これは・・・」
辺り一面薄紅色に彩られた小さな箱庭のような場所。
その薄紅色の花は子供の頃ゼルダを虜にしたあの異世界の花だった。
しかも小さな枝ではなく、木が地面に根ざして荘厳な美しさを誇っている。
時折風に乗って飛ぶ花びらは雪の様に軽やかにゼルダのほおを撫でていく。
驚いて声も出ないゼルダにリンクは側に寄って微笑んだ。
「ずっと、桜の花について調べてたんだ。それと花の苗も集めて・・・」
ゼルダが桜の花を気に入ったその日から、リンクは修行の傍ら桜について調べたり花の苗を探していた。
最初持ち帰った世界でも桜は貴重な花だったから苗などそう簡単には手に入らないし、花の性質について調べるのも容易ではなかった。
それでもリンクは調べて桜の木を集めたのだ。そこには並々ならない思いがあったから・・・。
「ハイラルで桜を栽培するのは難しかったけど、ここの土地なら適していたんだ。だから、集めた苗を全部ここに植えて、そして育てたんだ」
「すごい・・・、また見られただけでも嬉しいのに、こんな・・・」
月明かりに照らされた桜の遠景はこの世のものかと思うほど美しく幻想的な光景だった。
ゼルダは嬉しさに涙がにじみそうになった。
「その顔が見たくて、ここを、桜を集めたんだ。あの時、ゼルダがあれだけの桜で喜んでくれたから」
「リンク・・・、あの日のことを覚えていて、こんな・・・?」
「ゼルダのためだから・・・」
リンクが旅先で出会った猟師は一番良い獲物を愛する人に献げていた。ある漁師は一番見事な魚を愛する人のために探していた。
勇者であるリンクが大切な人に献げられる精一杯の愛の形・・・。
「これが、俺からのゼルダへの贈り物だ」
「リンク・・・」


おぼろげな月明かりに照らされて、桜の花びらは夜空を舞っていた。

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