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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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亜空の使者シリーズ『It depends about the third day from the start. 』、今回はサムス・ピカチュウサイドです。


亜空の使者の前まではリンクとピカチュウのコンビが多かったのに、亜空の使者でピカチュウはすっかりサムスの方に懐いてしまったようです。
まあ、リンクはカービィもヨッシーもピットもいるしモテモテなので、ピカチュウ一匹サムスに回しても差し支えないでしょう。



時間軸としてピカチュウ合流後、ゼロスーツ奪還前だと思っていただければ読みやすいです。

『It depends about the third day from the start. 』


最新鋭の技術が投入されている研究施設。
侵入者の存在を知らせけたたましく鳴る警報、それに呼応するかのように衛兵ロボットが次から次へと沸いて出てくる。
「ちっ!きりがない!!」
プラズマウィップでロボットを蹴散らしていたサムスは苦虫を噛みつぶす。
本当は秘密裏に忍び込んでこの研究施設に奪われたパワードスーツを取り返すつもりだった。
だが、同じようにこの研究施設に囚われていたピカチュウを無視できず、電力吸収装置を壊したら防犯システムが発動してしまい、現在に至る。
「・・・ピカ、・・・チャアァァ」
「!!ピカチュウ」
ロボット数体を電撃で倒した後、ピカチュウが急にその場にへたりこんだ。
動けなくなったピカチュウめがけて襲いかかってくるロボット達をはじき飛ばしながら、サムスはピカチュウを抱えると人気のない通路めがけて一目散に駆け出した。
ロボット達は逃走した侵入者を追いかけるが、鳥人族の訓練を受け並外れた運動能力を持つサムスに追いつけるはずがなく、何度も通路を曲がっているうちにサムス達の姿を完全に見失ってしまった。


「・・・もう追っては来てないようね」
狭い部品倉庫へと逃げ込んだサムスは外の様子を伺いながらほっと息をついた。
腕の中でピカチュウが大人しくしているが、息づかいが荒かった。
普段微かに電気を帯びているほっぺの電気袋がいつもよりも色褪せた感じで、元気がない。
「ごめんね・・・。さすがに無理させすぎてしまったね」
「ピカピゥ・・・」
申し訳ないと思っているのかピカチュウの耳と尻尾が垂れている。
サムスは黙って頭を振った。
無理もないと思う、サムスが助け出すまでずっとピカチュウはエネルギーである電気を吸い取られ続けてたのだ。
体力も落ちていたはずなのにロボット相手にすぐ戦闘だった、負担が大きかったはずである。
とりあえず、追っ手は撒くことが出来た。しばらく見つかることはないだろう。
ようやく人心地つけたサムスも肩の力を抜いてその場に腰を下ろした。

 

日の光が差さない研究所内は時間の感覚が薄い。
休んでしばらくした後、気になったサムスが時間を確認するともう夜半になっていた。
明け方の一番警備が薄そうな時間帯に出ないと、そう思ったサムスは先程の戦闘で消耗したウィップやパラサイダーのバッテリーの補充を確かめる。
案の定、残りはあまり多くはない。
(早く、スーツを取り返さないと・・・)
肉弾戦にも多少心得があるサムスだが、相手は殆どがロボット。
素手ではあまりにもこちらの分が悪すぎた上に、基本向こうは遠距離攻撃が主体だ。
スーツ無し・遠距離武器無しではあまりに心許ない。
「・・・ピカァ」
「ピカチュウ・・・、起きたの。っ!!」
それまでピカチュウの様子に気がついていなかったサムスは思わず息をのんだ。
疲れていたため、休ませていたのだが体力が回復した兆しは見えない。むしろかえって悪化したように具合が悪そうだった。
念のため、保存食料と水分は摂らせて休ませたのだがそれでも追いつかないらしい。
「・・・やっぱり、電気じゃないと駄目か」
「チュウゥゥ・・・」
サムスに心配かけまいと頑張って立ち上がろうとするのだが、どうしても手足が震えて体を支えるので精一杯になってしまう。
どうしたものか、サムスは頭を抱えた。
研究施設だから発電施設の設置や自家発電はしているだろうが、そこから電力を供給したら一発で見つかるだろう。
相手が最新鋭のコンピュータを持つ研究施設なら電力を失うのは痛手のはず、セキュリティも厳しいに違いない。
今ここにある電力は、サムスのバッテリーしかない。
だが、これも残りのスペアはあと一つ。
「・・・・・」
ピカチュウは倉庫の隅、要らない紙が束ねてある場所で横になっていた。
少なくともそこの方がまだ寝心地が良いかもしれないと判断したらしい。
出来るだけ良く休めるように体を丸めて小さくなっている。


『コン、コン、コロン』


「・・・ピ?」
何かが転がる音にピカチュウは顔を上げる。
横には電気の詰まったカプセル、バッテリーがあった。
「ピカッ!!」
思いもかけない嬉しい物に迷わず飛びつくピカチュウ。
でも、どうして・・・、誰がこれを・・・。
そう思ったピカチュウはバッテリーを手にしたままサムスの方を向いた。
ピカチュウもサムスの武器がどんな物か知ってる。
そして、スーツのない今のサムスには彼女の武器だけが唯一の頼りな事も・・・。
「ピカピゥ!!」
「・・・何?どうしたの?」
サムスにはフォックスやカービィと違ってピカチュウ達の言いたいことが理解できない。
リンクからそのことを聞いていたピカチュウは精一杯身振りと手振り、表情で言いたいことを表現した。
「ピカ、ピカチュウ!ピカカピカ、ピッ、ピッ!!」
「『サムスのバッテリー、無駄遣いしちゃ駄目』?・・・『これから、必要になるし、ボクは寝たら元気になるからいい』って?」
「ピーカッ」
サムスが声に出した言葉にその通りだとピカチュウは頷いた。
だが、サムスは首を横に振ると腕で足を抱えて受け取らない姿勢を固持した。
「いいよ、それあげる」
「ピッカア!!」
「怒っても駄目、もう用済みだから良いの。スーツは明日必ず取り返す、そうしたらバッテリーは必要ない。だからピカチュウが使いなさい。要らないなら捨てて」
「ピイッ!!」
「・・・私ももう休む。だから邪魔しないで、朝になったら起こして」
そう言うなりサムスは目を閉じて居眠りを決め込んでしまう。
邪魔しないで、と言われた手前ピカチュウはそれ以上何も言えなかった。
「・・・ピーカァ」
説得が失敗して肩を落とすピカチュウ。
手には受け取りを拒否されたバッテリーだけがあった。
使わないでいることは出来るけど、ピカチュウの体はバッテリーの電気を欲しがっている。
「ピカチュ・・・」

(サムス、ごめんなさい・・・)

心の中で呟いて、ピカチュウはバッテリーの中の電気を取り込んだ。
電気が体に入っていく度にだんだん元気になっていくのがわかる。
今ならかみなりだってボルテッカーだって使えそうなほど回復している。
バッテリーの電気はあっという間にカラになった。
カラになったカプセルに刻まれたスクリューボールのデザインを見たとき、ピカチュウの目から自然と涙がこぼれた。
マスターハンドに初めてこの世界に召還された時から一緒だったのに、元々人見知りが激しかったピカチュウは他のメンバーに、特にクールで表情が読めなかったサムスには歩み寄ろうとせず懐くことさえなかった。
それなのにサムスは困っていた自分を助けてくれた。
大事なものも自分のために惜しげもなく捨ててくれた。
一見冷たそうでクールなサムスだが、本当は誰よりもあたたかくて優しかった。
その優しさが心に沁みて涙が止まらない。
ピカチュウは眠っているサムスの膝に乗ると、起こさないようにサムスの頬にちょっとだけ、それでも精一杯の気持ちを込めて口を付けた。


(ありがとう・・・、サムス)

 

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