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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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春は出会いのシーズンと同時に別れのシーズンです。

お別れ題材で書いてみました。リンクとフォックスの小説です。



リンフォ?フォリン?いえいえ・・・、リンク&フォックスです。
別にカプとかじゃなくてファイター同士の世界を越えた親友、な感じが良いんです。
だって、リンクはゼルダ様いるし・・・。フォックスだってクリスタルちゃんいるし・・・。
・・・正統派ヒーローはモテますな。
(しかし、それでもリンピトやリンマル、ファルフォやウルフォを許容できる脳内は謎)


このコンビ大好きです。初代からの皆勤賞なのはもちろん、年も近くて正統派なのが良いんです。
時代背景としてはDX時点、世界が完成して落ち着いた頃です。
この辺りは設定を参照でお願いします。

ちなみに、子供リンクは当サイトにおいて通称:コリンと呼ばせていただきます。




『The goodbye is not said.』



選手に割り当てられた部屋、そのうちスターフォックスメンバーに宛がわれた部屋では朝から大慌てだった。
その理由は珍しくもリーダーであり、乱闘の常連であるフォックスの朝寝坊だった。
「ったく!大事なイベント戦の出場日に寝坊するか!?フツー!!」
「イベント戦の中堅って事は覚えてたんだけど」
口で散々悪態付きながらもまめまめしく支度を手伝うファルコにフォックスは窮屈そうに笑う。
普段は真面目で几帳面な性格をしているのだが、この通りフォックスには少々抜けたところがある。
そんな性格も熟知してチームを組んでいるファルコは「お前はそう言う性格だからな」とため息で締めくくった。
「それはそうと、フォックス。リンクの奴だが、どうやらマスターハンドに正式に出場辞退を申し出たらしい」
「!」
ファルコの言葉にフォックスは弾かれたように顔を上げた。
そして部屋に止めてあるアーウィン、ファルコの愛機に乗り込んだ。
「フォックス!?」
「ファルコ、アーウィン借りるよ。すぐオートパイロットで返すから」
「お前!!イベント戦どうするつもりだ!?」
この言葉に一瞬我に返ったフォックスだが、すぐに笑ってシートベルトを締めた。
「まだ寝てる事にして、一番最後に回してくれるように頼んでくれ」
「俺がマスターハンドにどやされるだろー!!」
だが、ファルコの抗議はアーウィンの発進でフォックスには届かなかった。



闘技場のある城の最上階の屋上、ヘリポートほどの広さもあるその場の床にこの世界のシンボルマークであるターゲットの印が刻印されている。
一人その場に来ていたリンクはシンボルマークの中心に立つとオカリナを取りだして口に添える。
するとシンボルマークは徐々に光り始めた。

「リンク!」

「・・・!!」
自分を呼ぶ声にリンクは思わずオカリナをしまった。
アーウィンから降りたフォックスはリンクの側に近寄る。
「フォックス、イベント戦は・・・」
「ファルコから聞いた。君が出場辞退を願い出たこと」
フォックスの言葉にリンクは困ったように表情を潜める。
「参ったな、もう知られていたのか」
「・・・ハイラルに、戻るんだね」
「ああ・・・」
リンクの答えには淀みがなかった。




この世界が誕生して以来、多くの者が召還され創り出された。
召還された者は世界を越えて、時間を超えて、この世界で同じ時を生きる。
だが、召還される前の世界とこの世界とでは理がそれぞれ違っていた。
ファイターがこの世界に召還された瞬間、時間の誤差を埋めるためにファイターがいた世界は時間がその時点で止まっている。流れる時間の長さが違うため、その溝を出さないための決まり事だった。
そして、ファイターが元の世界に戻るとその世界はまたその世界の時間の中で動き始める。
一度召還されて戻ったとしても、再び召還される可能性は低かった。
「ゼルダやガノンドロフ、コリンももうハイラルのそれぞれの時間に戻った。この世界に残っているのは俺だけだ」
「そのオカリナを、封印するために・・・?」
「ゼルダも合意の上だ。そうしないとハイラルの時間にひずみが出来たまま何も変わらない」
目の前にいるリンクは元の世界で時を越えて大人になったリンクだった。
オカリナとマスターソードの力でハイラルの時間はリンクの子供の時の時空、切り離された7年後の時空に分けられている。
マスターハンドはその二つの時空からそれぞれリンクとコリンを召還した。
切り離された時空を元に戻す方法はオカリナとソードを封印し、元の時空に戻すことだ。
それを前提として召還されたファイターが全員戻らなければ、ハイラルのひずみは直らない。
だが・・・。
「リンク、この世界とハイラルの時空の流れ、どれだけ差があるのかわかってる?」
「マスターハンドに聞いている。すごいな、こっちの一日でハイラルでは一年だそうだ。もし時間が止まってなかったら俺、一ヶ月も過ごしたらすっかり浦島太郎になってた」
「笑い事じゃないよ、リンク。俺の世界でもハイラルほどこの世界とは離れていないのに・・・」
惑星コーネリアの銀河系での時間はこちらの世界の半年でちょうど一年だった。
フォックスとリンクの生きる時間は天と地ほどに大きく違う。
「マスターハンドは辞退をした選手をすぐには召還したりしない。今、君がハイラルに帰ったら、もう・・・」
「もう、俺自身が二度とここへ戻ってくることはないだろうな・・・」
フォックスの言葉を引き継いだリンクはこともなげに言った。
それはこの世界ともこの世界で出会ったファイターとも永遠の別れを意味する。
「コリンもゼルダも帰る前は泣いてた。でも、俺は二人よりも幸せだったよ。この世界が出来たばかりの頃に来られて、この世界でたくさん思い出作れて、違う世界の友達だって逢えたんだから・・・」

リンクの脳裏にこの世界で過ごした日々が鮮やかに蘇る。
初めてこの世界に来たとき訳がわからずまごついて、同じようにまごついていた一人のファイターに声をかけたときのことも・・・。
「初めてフォックスと会った日、内心どんな奴なのかわからなくて緊張してたんだ。フォックスは、あの日のこと覚えてる?」
「・・・忘れるわけないじゃないか」
「よかった・・・」
お互い緊張しながら交わした挨拶のせいで、二人とも呂律が回らず最終的にはまったく意味のわからない言葉を繰り出して、それに気がついたとき二人とも恥ずかしさに真っ赤になったがそれでも緊張が解けたとき、一緒に笑っていた。
以来、いつでも二人は良きライバルとして仲間として世界を越えた友達になった。
大事な仲間であり、心を許せる友だった。


「・・・泣くなよ。フォックスらしくないぞ」

いつしか涙に濡れていた頬にリンクの手が触れる。
やはり軍人として気恥ずかしいのか顔を背けたフォックスだが、リンクの手を払おうとはしなかった。
「数ヶ月にきみが、いつでも一緒だったリンクが死ぬんじゃないなら、泣いたりなんかしないよ」
「フォックス・・・」
フォックスは黙ったまま何も言わなかった。
リンクはしばらく黙っていたが、思いついたように話し始めた。
「もし、また俺の世界からこの世界に召還されるとき、きっとそのファイターは俺の子孫になるだろう。なら、俺はいつだって新しい勇者の中に生き続けてる。俺はその勇者を通してまたフォックスに逢える。だから、お別れなんかじゃない」
「そう、なるかな・・・?」
「フォックスには理解しづらいかも知れないけど、ハイラルは神々のいる世界だ。俺を助けてくれたフクロウは動物の癖に昔の賢者の生まれ変わりさ。・・・それとも、フォックスは俺のことがわからなくなってしまうのか?」
それまで気丈に振る舞っていたリンクが初めて寂しげな表情を見せた。
フォックスはこみ上げる寂しさを堪えるといたずらっ子ぽく笑ってみせる。
「いや、わかるさ。どんな姿に生まれ変わってても見抜いて、生まれ変わる前の自分がどんな事をしていたか、恥ずかしい事だって全部全部話して困らせてやる」
「うわっ、嫌だな。それは・・・」
「もう遅い。決めたんだから、今のうちに覚悟しろ」
「あーぁ、子孫には『狐に注意』って言っておかないと・・・」
「何か言った?」
「いや、何にも・・・」
くくっ、と笑いをかみ殺してリンクは再び光り始めた紋章の中へ進む。
そして一度フォックスを振り返って笑うと、いつものセリフを口にした。

「またな・・・」

「・・・またな」





その言葉を最後に、リンクの体は光に包まれてこの世界からいなくなった。










月日は流れて再びフォックスがこの世界に召還された時、フォックスのいた世界では既に9年の歳月が流れていた。
亜空軍と戦う最中、フォックスの脳裏に時々あの日のリンクの姿がよぎる。
ハルバードで合流して出会ったゼルダ・シークは多少面影を残してはいるものの、以前会ったゼルダとは違っていた。
(無理もないか・・・、子孫とはいえその人本人じゃないんだから・・・)
横目でゼルダを見ながら他のメンバー、マリオと行動していたリンクのいる合流地点に向かう途中、フォックスの心境は複雑だった。
やがてハルバードが着陸態勢を取る。
そして、重たげな音をたててハッチが開いた。
久しぶりにリンクに会える、だが別人格だと思うとフォックスの心は弾まなかった。


「遅いぞ、フォックス。またあの時みたいに寝坊したか?」


(・・・え?)
若干低めの声だが、聞き慣れた言い回しの話し方にフォックスは顔を上げた。
そこにいたのは見慣れた緑服の青年、多少違いはあるがフォックスの知っているリンクにうり二つの顔をした青年は見慣れたいたずらっ子の笑みを浮かべる。
「あれ?おかしいな、俺の昔の話全部話して困らせてやるんじゃなかったか?忘れたんなら仕方ない、代わりに俺がフォックスの昔の話をしようか」
「わあっ!!聞かせて聞かせて!!」
群がった子供ファイターにリンクは得意満面で語り始める。


『俺は子孫の中で生き続けている』


リンクの最後の約束、必ず果たすと誓った言葉。
だから、さよならは言わなかった。

(・・・本当に生まれ変わって戻ってきてくれたんだ。リンク)

「こらっ!!勝手なことするんじゃない!!」

危うく若い頃の一番恥ずかしい過去を話されるところだったフォックスは懐かしい親友に向かって駆けだしていた。


 

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