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ゲームのちょっとした綴り書き。 気の向くままに更新します
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亜空の使者小説、今回は通称スマブラX三剣士チームサイドです。
ガレオム戦の前の夜だと思っていただけると読みやすいかと思います。

サイトの構成研究上いろんなスマブラサイト見て回ってますが・・・。
このチームはガチでホモなんじゃないかなぁ・・・。


一人は肉好き鈍感野生児系だし

一人は色白乙女顔の上流階級だし

一人は(アニメ設定を加えると)ストーカーかつ光源氏顔負けのロリコンだし・・・。



一応、亜空の使者はシリアスなので上記の邪念フィルター無しの作品になっております。
邪なのが見たい方はご遠慮ください。(なんて断りの入れ方だ)




『It depends about the third day from the start. 』



岩肌がむき出しになった荒涼とした地帯、草木の少ない不毛の土地に吹き付ける夜風は平地に比べて荒々しく厳しい。
岩壁の上で一人佇んでいたメタナイトは吹き付ける風をものともせず、じっと中天に懸かる月を眺めていた。
「メタナイト、交代だ」
「・・・アイク?私の次の見張りはマルスでは?」
愛用の両手持ち大剣を片手にしたアイクはメタナイトの隣に腰を下ろすと苦笑しながら首を横に振った。
「あいつは一度寝たら絶対に起きない。王子様育ちが長いから寝起き悪くて、無理矢理起こしたときは一日中怒ってた。だから、俺があいつの代理」
「・・・苦労な事だ」
「それはお互い様」
それもそうだ、とまぜっかえすとアイクは軽く笑う。
メタナイトがこの二人と出会ったのはほんの三日前。
亜空軍によってハルバードが強奪されたとき、命からがら逃げ出したメタナイトはハルバードを取り返すため亜空軍のエインシャント卿が駐留していた古城に急いだ。
そこで亜空軍と独り戦っていたのがマルスだった。
最初は敵かと思って斬り合ったが、すぐに共通の敵を持つ味方だとわかり、マルスの仲間であるアイクも合流して以来行動を共にしている。
三人とも同じように騎士道精神に基づいた考え方をしていたことから、これと言った衝突もなく亜空軍と戦うことが出来た。
「・・・寝ないのか?」
「私はもう少し起きていても構わない」
「体調管理をしておくことも大事だぞ」
アイクの言い分は最もだった。
何しろこのチームは肉弾戦・接近戦には秀でてはいるが遠距離戦には致命的に向いていない。
身体能力の衰えは戦闘へ顕著に支障として表される。
そんなことは剣の玄人であるメタナイトは百も承知だ。
「・・・いや、起きていたいのではないな。眠れないのだ」
「眠れない?」
「眠ろうとすると色々な事が思い浮かんでしまう。・・・特に、こんな月夜の晩は」
星影の見えない月だけの空。
デデデに表向き仕えているフリを装っていたメタナイトは月のように孤高の存在だった。
いや、遙か昔から戦士として己を高める事のみに一途だった頃から常に一人でいることが殆どだった。
昔はそれが苦だとは微塵も考えなかった。
一つの流れ星がこぼれ落ちてくるまでは・・・。

『メタナイトー!』

星の戦士として現れたカービィは誰に対しても等しく触れ合う無垢な存在だった。
デデデの手前、冷たく素っ気ないようにあしらうこともあったがそれでもカービィが自分を毛嫌いすることはなく、いつも子供のように無邪気に笑って駆け寄ってくる。
いつの頃からはもう思い出せない。
カービィに辛く当たるのをやめたのも。
あの笑顔を見るのが楽しみになってきたのも。
独りでいることの辛さと孤独を知ったのも。
月夜に怯えるカービィを愛おしく感じるようになったのも・・・。
今はいつも喜んで縋り付いていたカービィの姿はない。

「・・・俺も眠れなかった」
「!?」
カービィのことを思い返していたメタナイトはアイクの言葉で我に返った。
アイクは肩越しに焚き火の方、マルスが眠っている方に視線を投げてから思い出したように語り出す。
「マルスと離れて別行動してたとき、俺もあのエインシャント卿の情報を掴んだ。あいつを追ってたとき、奴がマルスのいた古城に向かったって知ったときは肝を潰した」
アイクは行動中、旅先で偶然あの亜空爆弾の恐ろしさを目の当たりにした。
まるで全てを飲み込むブラックホールのような威力に全ての人間・生物は皆無力だ。
だが、マルスは奇跡的に無事だった。
「それで亜空爆弾を先に・・・」
「ああ・・・。あんなもの近くで破裂されたら一巻の終わりだった。せっかく助かったのに、目の前で失うなんて考えられない。・・・大事な仲間なんだから」
アイクはやおら手を上げるとメタナイトの頭を無遠慮にかき回した。
「・・・おい」
「心配するな。マルスは強かったから無事だった。お前も大事な仲間が心配なんだろ?そいつは強いって無事だって信じてやれ。それとも、信じられないくらい弱い奴か?」
(カービィが、弱い?)
いささか不躾な言葉に気分を害したメタナイトだが、すぐに考えを切り替えた。
未知の可能性を秘めた強さ、守りたいと思ったのはその可能性をみすみす潰したくないからだった。
無垢で純真な心を薄汚い感情と欲望で満たしたくなかったから、だから守りたかった。
本当のカービィは成長すればきっと自分より強くなる、そう信じている。
「いや、それはない。きっと無事だろう。彼は私以上に強い」
「じゃあ、大丈夫だな」
アイクは笑って焚き火の方を示した。メタナイトも薄く頷く。
「だが、その前にその手をどけろ!いつまで私を小動物扱いするつもりだ」
「ん?嫌だったか?」
「当たり前だ!!」
「小さくてちょうど良い。マルスも『サイズ的にはカワイイ』と言っていた」
「カワイイなど私に対する侮辱だぞ!!」
「じゃあ、仮面とって証明しろ」
「断固拒否する!!」

騒いでいる二人から離れた火の前で横になっていたマルスはうっすらと目を開いた。
つい三日前に初めて会ったとは思えないほどうち解けている二人にマルスの頬が自然と緩んでいた。
本当は野宿など怖くて大の苦手で眠れる気などさらさらなかったが、何故か今夜は今目を覚ますまで自然と眠ってしまっていた。
(不思議だな・・・。こんなに寂しげで風も強い厳しい夜なのに・・・)
昔、王子と呼ばれて何不自由なく暮らしていた頃よりも幸せな気分だった。
火のせいだけではなく、どこかしらあたたかくてそれがとても心地よい。
三日前には感じたこともなかった感触だった。
仲間がいるから安心できる、過ごした時間は短くても確かな絆があるから安心できた。
(きっと、そうだね・・・)

心の中で頷いて、マルスは再び重くなり始めた瞼を閉じた。

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